コロナショックで全世界が混乱に陥っている。株式市場にも大きな打撃を与えているようだ。3月の日経平均株価は9.3%マイナス、ダウは14.3%マイナスと大きく落ち込んだ。その中でも新高値を出し、ここに来て大きく動いている株もある。コロナショックでも勝てる銘柄を紹介する。
目次
株式市場にも大きな影響を与えたコロナウイルス
2019年末から蔓延した新型コロナウイルスは、世界中で猛威を振るった。感染者数、死亡者数が世界レベルで増えたのはもちろん、経済面でも世界レベルで大きな打撃を受けた。実際にアメリカでは、それまで20万人前後だった週の失業保険の申請者数が、一気に過去最高の330万人に膨れ上がっている。
そんな中、株式市場も大きな影響を受けている。アメリカの株式指標であるダウ工業30種は、2020年2月に29,568ドルの高値を付けたが、新型コロナの影響で急降下し、同年3月には18,213ドルの安値をつけた(※最高値から38%の下落)。
同時期には日経平均も、23,995円から一時16,378円へと31%下落するなど、世界の株式市場が下落基調に陥った。2021年からは回復傾向にあるものの、新型コロナはさまざまな業界に影響を及ぼしたことが分かる。
コロナウイルス相場で大きく上げた銘柄は?
このような全面安の相場の中でも、着実に株価が騰がっている株式は存在する。では、どのような銘柄が騰がったのだろうか。銘柄名を出して解説する。
コロナウイルス関連
まずは、コロナウイルスに直接紐づく医薬品メーカーだ。新型コロナ関連の製品を取り扱う企業は、特に株価が上がりやすい傾向にある。
1.スガイ化学工業
スガイ化学工業は、コロナショックでいち早く株価を上げた銘柄と言えるだろう。同社はHIV治療薬向けの医薬中間物を手掛けていることで知られている。HIV治療薬がコロナウイルスにも効く可能性がある、というニュースとともに大きく値上がった。2020年初頭に1,124円だった株価は、一時2,980円まで上がっている。普段流動性が小さく、時価総額も小さい銘柄なので、数日で大きく値上がったのも特徴だ。
その後は年始の水準まで戻ってしまったが、間違いなくコロナウイルスで値上がった株のひとつと言えるだろう。
2.富士フイルム
富士フイルム工業は、抗インフルエンザ薬である「アビガン」を作っている製薬メーカーだ。2020年3月下旬にこの製品が話題となり、多くの投資家から注目を浴びた。
同年2月に高値をつけていた同社だが、コロナショックとともに株価は低下していた。しかし、このニュースが出た後に株価はV字回復しており、2021年末には10,000円に迫る勢いで上昇している。
3. ギリアド・サイエンシズ
アメリカの製薬会社ギリアド・サイエンシズは、抗ウイルス治療薬であるレムデシビルがコロナウイルスに効果がある可能性があるとして注目を集めた。2020年初頭は60ドル台だった株価が同年3月には80ドルを超えたが、その後はやや下落が続いている。
小売関連
小売業は、百貨店など厳しい業態もあるが、堅調に推移している業態もある。上がっているのは以下のような業態だ。
1. アマゾン
1つ目に紹介したいのが、ECの巨人、アマゾンである。各国で外出禁止や自粛が続くため、ECの需要は着実に増加している。そのような状況下でアマゾンは、10万人の追加雇用や、物流拠点の給与の値上げを実施するなど、積極的な投資を行った。株価は一時落ち込んだものの、2020年4月からは上昇傾向に転じている。
2. ウエルシアHD
コロナウイルスでプラスに働いているのが、ドラッグストア業界だ。連日マスクやトイレットペーパーが欠品しているという報道があったように、衛生用品に関する需要は高まっている。ドラッグストア大手であるウエルシアHDは、この需要増加を追い風とし、2020年3月には上場来高値を更新した。
備蓄関連
外出自粛が今後さらに厳しくなる可能性も高い。そのため、備蓄品関係の株価も好調に推移している。
・はごろもフーズ
缶詰などの製造を手掛ける同社は、備蓄品ニーズの高まりを受けて、2020年初頭から株価が上昇している。同年3月後半、都民への自粛要請などが始まったタイミングで、それまで下落傾向だった株価が急回復したのだ。同じく備蓄食品を手掛ける東洋水産やニチレイなどの株価も、同年3月後半から急上昇している。
テレワーク関連
外出自粛の中で、備蓄品同様に盛り上がっているのが働き方改革だ。4月に入り、テレワークを実施する会社も増えている。
・ZOOM
テレワークが進む中で、急伸した銘柄がZOOMだ。ビデオ会議などのコミュニケーションソフトを手掛ける同社は、2020年初頭の2倍以上の値をつけるなど、急激な上昇を記録した。
テレワークなどで同社製品の普及が期待された形といえるだろう。決算が良かったことも、同社の株価の上昇を後押しした形となっている。
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2021年に株価を上昇・下落させた銘柄を公開!
ここからは、2021年に株価を上昇させた銘柄・下落させた銘柄の一例を紹介する。
新型コロナの影響は2021年に入っても続き、IT系や医療系、海運系の銘柄は全体的に上昇を記録した。特に海運株は高騰したものが多く、日本郵船は370%以上の上昇率をつけている。
一方で、対面サービスを基本とする飲食系やサービス業にとっては、苦難の年となったようだ。新型コロナの収束によって回復する可能性はあるが、2022年に入っても不安定な情勢が続いているため、引き続き注意しておきたい。
コロナ相場を乗り切る2つのポイント
今後もしばらくは、新型コロナによる影響が続くと考えられる。では、投資家はどのようにこの難局を乗り切るべきだろうか。
1.リバウンドに騙されない
1つ目は、リバウンドに騙されないことだ。株式市場のボラティリティが大きくなると、下げ調子であっても、ある日突然株価が回復することがある。ただそれは、実態のない上昇かもしれない。こうしたリバウンドで「底を打った」と騙されないようにしよう。
2.長期保有なら、コツコツ進める
もしあなたが長期保有、長期投資であれば、この相場はそこまで悲観するほどのことではないかもしれない。
これまでもリーマンショックやドットコムバブル崩壊など、株式市場は様々な苦難に見舞われてきた。しかし、そのたびにその逆境を乗り越えてきたのが株式市場なのだ。そういった意味では、今回の下落は、絶好の「買い場」かもしれない。流されることなく、コツコツ進めるのも立派な戦略の1つだろう。
今後に備えて考えたい4つのポイント
今後の流行に備えて中小経営者や投資家が意識したいポイントをまとめた。
1.苦しい局面をあらかじめ想定する
2022年に入り、新型コロナは各国で少しずつ収束しつつある。しかし、日本の収束ペースは遅いと言われ、同年3月の時点ではワクチン接種にも遅れが生じていた。
今後も第7波、8波、9波と巻き起こる可能性も十分に考えられるので、苦しい局面をあらかじめ想定することが重要になる。
2.新たな変異型が誕生する可能性
デルタ株・オミクロン株より強力なウイルスが蔓延する可能性も、現時点では盛り込んでおく必要がある。
新型コロナの変異は予想が難しく、日本から変異型が誕生することも考えられる。感染率・死亡率の高いウイルスが誕生すれば、これまで以上に厳しい外出制限などが敷かれるかもしれない。
このような状況に備えて、影響を受けやすい業種や業界を整理しておくことは非常に重要だ。経営者・投資家ともに方向転換のスピードが重要になるため、コロナショックについてはあらゆる局面を想定しておきたい。
3.アフターコロナ株の存在
アフターコロナ株(リオープニング株)とは、新型コロナの収束をきっかけに上昇する可能性がある銘柄のこと。例えば、コロナショックの影響を大きく受けた飲食業や観光業などは、コロナ収束の反動で一気に潤う可能性がある。
このようなアフターコロナ株に目をつけると、特定の業界や経済の動向を読みやすくなるはずだ。中小企業についても、取引先の状況が一変する可能性があるため、直接的には関係なくてもアフターコロナ株を注視しておきたい。
4.コロナ以外の変動要因にも目を向ける
2022年は国内経済に大きな変化が生じており、値上げラッシュや円安が巻き起こった。中でも、原油価格の高騰やウクライナ危機は多方面に影響を及ぼしており、経済を見通すことがより難しくなっている。
新型コロナは確かに大きな変動要因だが、それ以外の社会情勢も軽視できない。経済動向はさまざまな要因によって変化するため、コロナとそれ以外の要因を組み合わせて先を見据えることが重要だ。
コロナ相場でも、騰がる株はある
コロナショックは経済に打撃を与えているが、このような状況下でも株価を上昇させる銘柄は存在する。特に健康志向や巣ごもり需要の高まりに応えられる企業は、今後も消費者・投資家から注目される可能性が高い。
そのほかの要因にも目を向けながら、「どう動くべきか?」を慎重に考えていこう。
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