ついにパワハラも法律によって規制される時代に
職場における各種のハラスメント行為の中でも、特定の内容や相手に対して行われるものに関しては、それぞれ別の名前がついています。
セクハラ、つまり「セクシャルハラスメント」は「性的な言動によるハラスメント」ですし、「マタハラ(マタニティハラスメント)」は、妊娠、出産や育児に関するハラスメントのことです。育児休業等を取得する男性に対する「パタハラ(パタニティ=父性ハラスメント)」という言葉もあります。また、介護に関するハラスメントは「ケアハラ(ケア=介護ハラスメント)」と呼ばれています。
その他、昨今はいわゆる性的少数者を指す「LGBT」へのハラスメントも問題視されています。こうした人々に対するハラスメントは、「Sexual Orientation(性的指向)」と「Gender Identity(性自認)」の頭文字を取り、「SOGIハラ(ソジハラ)」とも呼ばれます。
これらのハラスメントについては、以前から法律によって規制されていました。
ただし、最も代表的と言ってもいい、職場における「パワハラ」については、これまで法律上の定義がはっきりしていませんでした。そこで、今回の法改正により、「パワハラ」についても法律によって明確に規定されたのです。
「スメハラ」「アルハラ」ってご存じですか?
これらはいわゆる「法律で対処できるハラスメント」ですが、ハラスメントという言葉はさらにいろいろな分野に広がってきています。
たとえば「スメルハラスメント」(スメハラ)というのは、職場でのにおい、たとえば体臭や強すぎる香水のにおいなどで周りに迷惑を与えること。「エイジハラスメント」(エイハラ)は、仕事ができない中高年社員に対する嫌がらせ。「アルコールハラスメント」(アルハラ)は、飲めない人に無理やり酒を飲ませたりすることによる迷惑行為を指す言葉です。
「ヌーハラ」なる言葉もあります。「ヌードルハラスメント」の略で、ラーメンなどを食べる際の音やにおいによるハラスメントのことだとか。
なんでもかんでもハラスメントと名づけすぎという気もします。しかし、これらもその発言内容や状況によっては当然、パワハラやセクハラになるので、ご注意ください。
また、「カスハラ」という言葉も問題になっています。これは顧客(カスタマー)からのハラスメントのことで、度を越したクレームや謝罪の要求などによるハラスメントのことを指します。