不動産投資を始めるには収益物件を購入する必要があります。一般的に不動産は、区分マンションであっても数千万円規模の買い物になるという印象が持たれているのではないでしょうか。しかし中古物件の中には激安といえるようなものもあり、「数百万円」や「数十万円」といった価格で実際に売りに出されている物件があります。「数千万円は難しい」という人でも1桁、2桁も安く売られている物件であれば手が届くかもしれません。

実際に激安物件を購入して不動産投資を始めるのは「アリ」なのでしょうか?本記事では、激安物件で行う投資の現実味について解説します。

激安物件が増えている

不動産
(画像=Sureeporn Teerasatean/Shutterstock.com)

数十万円や数百万円といった、格安な価格帯で売られている不動産物件があることは事実です。例えば収益物件の情報サイト「楽待」で「300万円以下」の物件を検索すると、2020年4月5日時点で1,342件ヒットしました。日本全国には少なくとも、1,000件以上の激安物件が売りに出されていることが分かります。

日本では全国的に空き家の増加状況が深刻です。総務省の「平成30年住宅・土地統計調査住宅数概数集計結果の概要」によると、2018年時点で全国の空き家は約846万戸、空き家率は13.6%でした。特に人口減少地域では空き家の増加と不動産価格の下落が同時進行しているため、地方の築古物件や立地条件の悪い物件などに激安のものが多く見られます。

しかし中には首都圏や関西圏といった大都市圏で、都心までそれほど遠くない立地条件の物件も散見されます。物件が安く売りに出されている理由は、主に以下のようなことが考えられるでしょう。

・立地条件が悪い、もしくは外的要因で立地条件が悪くなった
・何らかの事故物件、瑕疵(かし=不具合)物件である
・築古で設備や外観などに古さが見られ不人気になった
・今どきの人気間取りではないため低評価になった

物件の劣化や立地など外的要因が重なることにより、買い手がつきにくい物件は激安で売られる傾向です。

激安物件投資の3つのメリット

激安物件に投資するメリットは、主に以下の3つです。

(1)何といっても価格が安く参入ハードルが低い
(2)ローンを利用せず現金で買えるケースが多い
(3)価格の安さゆえに利回りが高くなる

すべてのメリットが、激安であることに由来していることが分かります。

激安物件投資の3つのデメリット

メリットの一方で激安物件投資のデメリットもあります。主なデメリットは以下の3つです。

(1)ボロ物件が多く大半の物件では手直し(追加費用)が必要
(2)不人気物件ゆえに空室リスクが高い
(3)家賃を低く設定せざるを得ないため多くのキャッシュは期待できない

ほぼ想像されている通りのデメリットではないでしょうか。激安の一方で、物件をそのまま活用することは難しいことがよく分かります。

激安物件投資はアリなのか?

激安物件投資のメリットとデメリットを踏まえたうえで、不動産投資の初心者にとって激安物件投資が「アリ」なのかどうかを検証してみましょう。結論から申し上げると、初心者に激安物件投資はリスクが高く不向きといえるでしょう。不動産投資は初期投資を抑えることができれば、成功する可能性は高くなります。しかし肝心の収益物件に「収益力」がなければ、投資そのものが成立しません。

激安物件を購入して修繕やリノベーションなどを施すこともあるでしょう。その費用が大きくなってしまうと、結果的には激安物件ではなくなってしまう恐れがあります。また激安物件は“見えにくい問題”を抱えていることも少なくありません。購入後に物件の不具合(瑕疵)が表面化すると、想定外の出費になります。

豊富な経験を持つ不動産投資家であれば、中古物件を見極める力を持っている可能性が高いため、お宝物件を見つけられるかもしれません。逆の発想をすれば、誰もが簡単に見つけられる激安物件は、「中上級者の不動産投資家が買わないと判断した物件」である可能性が高いのです。

表面上の価格が安いため、激安物件投資に関心を持たれる人は多いでしょう。しかし、以上の理由から初心者にはハードルが高いと判断できます。やはり難易度が低くリスクも低い新築の区分マンションなど、手堅いニーズが見込める物件から始めるのが初心者のセオリーといえそうです。(提供:Incomepress


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