FXで利益が出た場合、税金をどのように処理したら良いか、ご存知だろうか。この記事ではFXでどれくらい利益を出したら税金を支払うべきなのか、税率や課税対象から節税の仕方までを解説する。

そもそもFXとはどのような投資なのか

FX,税金
(画像=PIXTA)

FXとは、二国間の通貨の価格変動を利用して行う投資法だ。

日本の通貨は円、アメリカは米ドル、トルコはリラなど、各国はそれぞれ定められた通貨を利用している。通貨と通貨を交換するレートを「為替レート」というが、為替レートは各国の政治や経済状況の影響で常に変動している。FXはこの値動きを利用して利益を出す投資である。

円を他の通貨に交換するとき、安い価格で買って為替レートが上がったときに売った場合、その差額がFX取引における利益となる。FXの場合、さらに高く売って安く買い戻すことでも利益を出すことができる。為替レートが上がっても、下がっても利益を出すことができる点が、株式投資との大きな違いと言える。

FXは為替差益とスワップポイントの2つの利益がある

為替レートの値動きを利用し、通貨を売買して利益を出すことを為替差益という。FXには為替差益に加えてスワップポイントという利益もある。

スワップポイントとは、各国の金利の差を利用した利益である。低金利の国の通貨を売り、高金利の通貨を買う場合に、二国間の金利の差額を調整するために付与されるものがスワップポイントとなる。

スワップポイントは一定期間金利の高い通貨を保有することで付与される。例えば日本の円を売って豪ドルを買ったとき、二国間の金利差が2.15%あったとする。その場合1日約47円のスワップポイントを受け取ることが可能だ。1年間保有した場合のスワップポイントは1万7200円ほどとなり、利益が出せるというわけだ。

少額の資金で大きな取引ができるのが特徴

FXの特徴として挙げられるのが、少額の資金から投資がスタートできるということだ。FX会社にもよるが、数万円、会社によっては数千円と少額で投資を始めることができる。

数万円、数千円の取引では大きな利益を生み出すことはできない。しかしFXの場合、資金が少額でも大きな取引を行うことができる「レバレッジ」という仕組みがある。レバレッジとは「てこ」を意味する言葉で、自分の手持ちの資金の数倍の取引を行うことが可能となる。

例えば自己資金が5万円の場合、10倍のレバレッジをかければ50万円分の通貨を買ったり売ったりすることができるというわけだ。

日本国内のFX会社ではレバレッジは最大25倍と定められている。自己資金5万円の場合125万円分の取引が可能ということだ。自己資金が少なくても大きな取引ができるというのは、FXの大きな魅力と言える。

24時間取引可能だから兼業投資家にも向いている

株式投資の場合、株式市場が開いている平日の日中にしか取引を行うことはできない。しかしFXの場合、平日であれば24時間取引が可能だ。そのため日中は仕事をしている兼業投資家にとっても、FXは始めやすい投資と言える。

資産がゼロになる可能性も!リスクヘッジが大切

FXにはメリットだけでなく、デメリットもある。一番のデメリットは資産がゼロになる可能性もあるということだ。株式投資の場合、買った金額よりも株価が下がったとしても、保有し続けることで再度株価の上昇を待つこともできる。

しかしFXの場合、損失が大きくなり、資産がゼロになったり、マイナスになったりする可能性もある。特にレバレッジをかけている場合、少しの値動きが大きなマイナスを生み出す可能性もある。ロスカットやリスクヘッジがとても大切な投資であることを覚えておきたい。

FXで生まれた利益は確定申告すべきなのか

FXで利益が出た場合、利益に対して税金を支払う必要がある。

FXで利益が出た場合、すぐに税金を支払わなくてはいけないわけではない。FXは投資であるため、利益が出ることもあれば損失を出してしまうこともある。1年間の利益と損失を通算し、プラスが出た場合は確定申告を行い、税金を支払わなければならない。

サラリーマンなどの給与所得者は会社で年末調整を行っているが、投資で利益が出た場合は年末調整ではなく確定申告が必要となる。

FXで出た利益は税務署に報告されている!脱税はできない

確定申告でFXの利益を税務署に申告しなければ、税金を支払う必要がないのでは?と考える人もいるかもしれない。しかし、それは間違いだ。

FX会社は、顧客の1年分の取引結果が記載されている支払調書を税務署側に提出している。そのため税務署側は個人投資家がFXで利益を得ていることや、確定申告せずに税金の支払いを逃れていることも把握している。それを無視していると、ある日税務署から連絡が入り、延滞税などさらに多額の税金を支払わなくてはいけなくなる。

FXで利益が出た場合は、確定申告を行って正しい納税額を支払おう。

確定申告の必要性はFXで出た利益の額によって変わる

確定申告をする必要があるのは、1年間の利益と損失を通算し、プラスになった場合だけである。またプラスが出た場合必ず確定申告をしなくてはならないわけではなく、ある一定額を超えた場合に確定申告および納税の義務が生じる。

まずはFXによる所得を計算する

FXで得た利益を確定申告するかどうかは、所得がどれだけあったかによって変わる。ここで注意したいのが「利益」ではなく「所得」であるという点だ。所得とは、利益から必要経費などを差し引いたもの。つまり1年間の損益を通算して出た利益から、FXにかかった経費を差し引くことができるのだ。

例えばFXでの損益を通算したところ、30万円の利益が出た場合を見てみよう。もちろんこのままでは税金を支払う必要がある。しかし経費として通信費、書籍代、セミナー代を合わせて年間10万円を支払っていた場合、差し引きした所得は20万円となり、確定申告の必要はなくなるのだ。

経費として認められるのは、FXを学ぶための書籍代、通信費、有料のセミナー代、取引にかかった手数料などだ。ただし領収書などが必要となるため、あらかじめきちんと集めて整理しておくことをおすすめする。

給与所得者は所得が20万円以上 被扶養者は38万以上で確定申告する

年収が2000万円以下の給与所得者の場合、給与以外の所得が年間20万円を超えた場合は確定申告をする必要がある。FXでの所得が15万円だったとしても、他の不動産投資や株式投資などの所得と合算し20万円を超えたら確定申告が必要だ。

専業主婦や学生で扶養に入っている場合は、所得が38万円以上になった場合は確定申告をしなくてはいけない。また扶養からも外れてしまうため注意が必要だ。

国内FXでの利益は税率一律20%

所得が上限を超えた場合、確定申告を行って税金を支払う。国内FX口座で得た利益の場合、税率は一律で20.315%だ。これには所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%が含まれている。

FXで利益が出ていない場合も確定申告すると得になる

FXで利益が出ておらず、所得が上限を超えていなければ確定申告しない場合もある。しかし利益が出ていない年も確定申告をすると得になることがある。詳しく解説していこう。

FX運用に必要な経費も申告できる

確定申告を行うことで、FX運用にかかった経費を申告することができる。きちんと経費精算を行うことで、利益から差し引きすることが可能だ。こうした経費申告を行うことで節税につながるため、領収書などはきちんと保存しておきたい。

損失を確定申告すれば翌年から3年間の繰越控除が可能

1年間のFXの損益を通算し、損失が出た場合も確定申告を必ずしておきたい。なぜなら損失を確定申告しておくことで、翌年から3年間繰越控除を受けることが可能だからだ。

今年の損失を翌年以降に繰越すことで、例えば翌年度FXで大きな所得を得た場合に支払う税金額を少なくすることができる。損失が出ていても、必ず確定申告を行っておきたい。

他の投資の利益とも損益通算できる

FXではプラスが出ているものの、他の投資で損失が出ている場合は損益を通算して、支払う税金の額を減らすことも可能だ。

損益通算できるのは、店頭FX、取引所FX、くりっく株365、CFD、株価指数先物、商品先物、バイナリーオプション、カバーワラントなどだ。株式投資や投資信託、NISAとは損益通算できないので注意したい。

FXの利益を確定申告するときの注意点とは

FXの利益を確定申告する場合、注意すべき点がいくつかある。それぞれ詳しく紹介していこう。

FX会社が発行する年間損益報告書が必要

FXの利益を確定申告する場合は、FX会社が発行する年間損益報告書が必ず必要となる。自分の利益と損失を把握するためにも必ず確認しておこう。年間損益報告書はFX会社の取引ツールなどからダウンロードできる。

海外FXは税率が違う

国内FX口座での所得については一律だが、海外FX口座は税率が違うので注意が必要だ。

国内FX口座とは違い、海外FX口座で得た所得に対しては雑所得扱いとなり、所得額に応じて税率が変わる。所得税は195万円以下では5%、195万円超~330万円以下では10%、330万円超~695万円以下で20%と所得が大きければ大きいほど税金の負担も大きくなる。また所得税に住民税10%、復興特別所得税2.1%を加えて支払うことが必要だ。

領収書などはきちんと保存

FXにかかった経費は申告し、利益から差し引きすることが可能だが、経費として認められない場合もある。経費としてきちんと認めてもらうにはまず、領収書をきちんと保存しておき支払いを証明することが大切だ。

書籍代の場合、FX以外で利用したものと混同しないよう、書籍タイトルなども領収書に入れてもらうと安心できる。またスマホの利用料金など、他の用途でも利用するものは、FXに利用する割合に応じた額が認められることがある。例えばパケット使用量のどれくらいがFXのために利用されているのかなど、時間や接続先などが分かる資料を用意しておくと良いだろう。

FXで利益が出た場合、FX会社からの申告によって税務署側はどの投資家がどれくらい利益を出しているかを把握している。きちんと確定申告を行い、税金を支払うことで追徴課税など余分な出費を抑えることも可能だ。面倒でも確定申告を行うことが投資家としての義務と言えるだろう。

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※ファイナンス・マグネイト社調べ(2012年1月~2019年12月)