FXを始める際に、どのようなリスクがあるか把握しておきたいと思う人は多いだろう。

今回は、FXの代表的な5つのリスクと、それを回避するための秘けつを分かりやすく解説する。事前にリスクを知って備えることで、損失を最小限にとどめ、利益を最大化できるはずだ。

FXのリスクとは?

FX
(画像=PIXTA)

投資である以上、必ずリスクは存在する。FX取引も例外ではない。

特にFX取引は、自己資金を超えた取引ができることから、ハイリスク・ハイリターンの投資として知られている。FX取引では大きなリターンを得られる可能性がある一方で、リスクも高くなることを覚えておきたい。

ただし、必要以上にリスクを恐れることは、資産形成のチャンスを逃してしまうことにもつながる。リスクを正しく認識し、備えることが大切だ。

FXと株式投資や不動産投資のリスクを比較

FXに限らず、投資にはリスクがつきものだ。

例えば株式投資の場合、株価変動リスクがある。企業が赤字になったり、不祥事を起こしたりすると、株価は急落する。また、投資した会社が倒産してしまう倒産リスクも深刻だ。投資していた会社が倒産してしまった場合、株式は1円の価値すらなくなってしまう。

不動産投資には、空室リスクや家賃変動リスク、修繕リスクなどがある。入居者が見つからなかったり、家賃が下落したり、高額な修繕費がかかったりと、出費がかさむさまざまなケースが考えられる。また、現物資産である不動産は、火災によって建物が消失したり、災害の被害を受けたりといった可能性も否定できない。

FX投資はリスクの高い投資といわれるが、ほかの投資方法にも当然リスクは存在している。大切なのは、自分に合った投資方法を選び、そのリスクを学んで対策を練ることだ。

FXの代表的な5つのリスク

続いては、FXの代表的な5つのリスクについて解説する。

為替変動リスク

FXは為替変動を予測してトレードを行い、差益を狙う投資方法だ。為替が予想どおりに動けば利益が出るし、予想に反した値動きをすれば、損失が出る。つまり、為替変動リスクはFXに潜在的に存在するリスクと言えるだろう。

為替変動リスクを抑えるには、為替変動が激しい時間帯に注意することが大切だ。

例えば、FXでは土日はトレードすることができない。金曜日に通貨ペアを保有したまま土日に入り、月曜日にチェックすると、相場が大きく動いていて損が出ていたというケースは多々ある。これを週末リスクと呼ぶこともある。

FX初心者のうちは、できるだけ金曜日までに決済し、土日は通貨ペアを保有しないことが望ましい。もしくは、土日もニュースアプリなどで世界情勢をチェックし、月曜日の値動きに備えることが大切だ。

また、しばらくトレードしていると、通貨ペアごとに変動の激しい時間帯が見えてくるはずだ。そういった時間帯はできるだけ避け、予測しやすい時間帯にトレードを重ねれば、為替変動リスクを最小限に抑えることができるだろう。

金利変動リスク

FXでは二国間の通貨ペアを保有するが、二国間の金利に違いがある場合、その差額を保有期間に応じて受け取ることができる。これをスワップポイントという。

日本は超低金利なので、日本円で外国通貨を買うと、スワップポイントを受け取れることが多い。通貨ペアを保有しているだけで得られるスワップポイントは、FXの醍醐味とも言える。

しかし、政治的・経済的理由で政策金利が逆転すると、スワップポイントがマイナスになる可能性がある。すると今度は、通貨ペアを保有している限り、一定の金利を支払わなければならない。これを金利変動リスクという。

スワップポイントを受け取る目的で、通貨ペアを中長期にわたって保有しているトレーダーは、特に金利変動リスクに注意する必要がある。

流動性リスク

流動性とは、希望するタイミングで取引が成立しなくなるリスクのことだ。流動性が低くなる1つの要因は、通貨の取引量だ。

通貨の取引量が多ければ、多数の売り手と買い手が常にいるため、希望するタイミングで取引が成立する。これは流動性が高い状態だ。

一方、通貨の取引量が少なければ、売り手と買い手が十分にいないため、取引が成立しづらくなる。これは流動性の低い状態だと言える。

流動性リスクを避けるには、通貨ペアの選び方が重要になってくる。通貨ペアの特性をよく理解して取引するようにしたい。

スリッページリスク

スリッページとは、注文した価格と約定(やくじょう)価格に差が生じるリスクをいう。

FX取引では、トレーダーが注文操作を行った後、FX会社のシステムがそれを認識して初めて取引が成立する。しかし、その間のわずかなタイムラグで、相場が動いてしまうことがある。これがスリッページリスクだ。

システム上、スリッページリスクを完全に避けることはできないが、高い約定力をうたうFX会社で口座を開設することで、リスクを抑制することはできるだろう。

システムトラブルリスク

FX取引でまれに起こる深刻なリスクが、システムトラブルだ。

システムトラブルが起きると、自分が希望するタイミングで決済できず、損失が発生してしまう可能性がある。また、利益をあげるチャンスを逃してしまうというパターンも考えられる。

FX取引がシステムを介して行われる以上、システムトラブルを完全になくすことは不可能だ。ただし、複数のFX口座を開設し資産を分散する、口座開設前に過去のシステムトラブルの履歴をチェックするといった方法で、リスクを低減させることはできる。

また、トレーダー側としても、最低限自分のパソコン環境・通信環境などを整え、個人的なシステムトラブルを避ける努力はしておきたい。

FXでリスクを抑えるための5つの方法

リスクを知るだけでは、損失を回避することはできない。続いては、リスクを抑えるための具体的な対策を5つ紹介する。

損切ルールを設ける

FXの根本的なリスクとも言える為替変動リスクを抑えるには、損切ルールを設けることが効果的だ。含み損が発生しているにもかかわらず、決済する勇気が持てず、より傷を深くしてしまうのはFX初心者のよくある失敗の一つだ。

自分なりに損切ルールを設けて厳格に守ることで、感情的にならず冷静にトレードできるようになる。

損切ルールの決め方には、「含み損が〇円に達したら損切」「口座残高に対して〇%の損失が出たら損切」といったものがある。大切なのは、望むリターンや資金的余力を踏まえ、自分に合った損切ルールを設けることだ。

メジャー通貨を選ぶ

通貨には、メジャー通貨とマイナー通貨がある。メジャー通貨とは、日本円・米ドル・ユーロなど先進国の通貨だ。一方、トルコリラ・メキシコペソ・南アフリカランドなどの新興国の通貨は、マイナー通貨と呼ばれている。

メジャー通貨を選ぶメリットは、取引量が多いことだ。取引量が多ければ、流動性リスクを抑えることができる。中でも「米ドル/日本円」「ユーロ/米ドル」「ポンド/米ドル」「米ドル/スイスフラン」の通貨ペアは取引量が多いため、FX初心者にとっても安心の通貨ペアだ。

トレードを始めたばかりなら、まずは流動性リスクの低いメジャー通貨から取引を始め、慣れてきたらマイナー通貨に挑戦してみるといいだろう。

余裕資金でFXをする

さまざまな分析を駆使しても、投資である以上、確実にリターンが得られるとは限らない。生活に必要なお金をFXに費やしてしまうと、人生設計が大きく狂うことも考えられる。あくまで余裕資金の範囲でトレードすることが大切だ。

レバレッジのかけ方に注意する

FXではレバレッジをかけることで、自己資金の最大25倍まで取引ができる。

高いレバレッジは、FX取引の魅力でもある。レバレッジをかけてこそ、少ない元手で大きな利益をあげることができるからだ。しかし、その分損失が大きくなる可能性があることも、重々認識しておかなければならない。

FX取引を始めてすぐは、2倍程度のレバレッジから始めるのがいいだろう。最初は無理のないレバレッジで取引を開始し、慣れてくれば、少しずつ上げていくこともできる。

FXの情報収集を怠らない

FXは少額の元手で大きく稼げる可能性のある投資方法だ。しかしそれは、楽をして稼げるという意味ではない。FXで利益を出したいなら、情報収集や勉強を怠らない姿勢が大切だ。

為替相場は、政治や経済の影響を受けて変動することも多い。海外情勢に関心を持ち、世の中の出来事と為替相場がどのようにつながっているかを、自分なりに見極める視点を持つことが重要だ。

ロスカットに注意

FXでは、FX会社が定める証拠金維持率を下回ると、ロスカットが行われる。ロスカットとは、保有するすべての通貨ペアが強制的に決済されることだ。

ロスカットはそもそも、トレーダーを守るために定められたルールだ。含み損が一定額に達した時点で、ロスカットで強制決済されれば、トレーダーの損失がそれ以上ふくらむ心配はない。ある意味、損失を最小限にとどめるための仕組みなのだ。

とはいえ、ロスカットされてしまえば損失が確定することになるので、トレーダーとしてロスカットはできるだけ避けたいものだ。証拠金維持率をチェックし、為替変動リスクに注意しながら、ロスカットされない範囲で取引をしよう。

FXでは、レバレッジをかけるほど、小さな値動きでもロスカットされるリスクが高まることになる。ロスカットを回避するためにも、初心者はレバレッジを抑えてトレードすることが大切だ。

デモトレードを活用するのも一つ

FX会社によっては、デモトレードが用意されていることがある。いきなり自己資金を投じてトレードすることに不安があるなら、デモトレードを活用してみるのも一つだ。

しかし、デモトレードをすることで、かえってFX取引の危機感が薄れてしまうケースもある。特に、デモトレードで利益を出した直後に、自己資金を投じて取引するのは非常に危険だ。

デモトレードを活用するなら、実際に自己資金を投じて取引するまでに少し間をあけるなど、緊張感を保つ工夫が必要だろう。

FXでリスク回避するにはマイルールが必須

FXにはさまざまなリスクが存在する。FXに潜むリスクと対策方法を理解し、自分なりのルールを設けてトレードすることが大切だ。

FXでは、冷静に相場を見極められるかどうかが勝敗を分けることが多い。マイルールを守ることが冷静さを生み、トレードで利益目標を達成することにつながるだろう。

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※ファイナンス・マグネイト社調べ(2012年1月~2019年12月)