こんなときは、こんな言葉を使おう!

最後に、上記のことをどのように実践すればいいのか、具体的な事例をいくつかご紹介します。

●ちょっとしたミスを注意するとき

「期待していたのに、がっかりだな。早くやり直しなさい」

【変換キーを押すと……】

例1)

「ミスったな」(グッとこらえて事実に共感する)……(1)共感の変換キー

「あともうひと息だったな」……(2)着眼点の変換キー

「この点を修正して、夕方までに報告してください」……(3)指摘の変換キー

「期待しています」……(5)支援の変換キー

例2)

「いつもありがとう。助かります」……(4)ねぎらいの変換キー 

「この点だけを直してほしいんだ。これで良くなります」……(3)指摘の変換キー

(使用修正後のイメージが共有できればベスト)

「期待しています。お疲れ様でした」……(5)支援の変換キー

【これはパワハラ!】

「小学生じゃないんだ。お前はいつも失敗ばっかりしているよな」

●リモートワークに慣れない年上の部下への対応

部下「パソコンの接続の仕方がわからないから、大至急電話がほしい」

上司「忙しいので、私にわざわざメールで電話の催促をしないでください」

【変換キーを押すと……】

部下「パソコンの接続の仕方がわからないから、大至急電話がほしい」

上司「接続がうまくいかずに、ご不安のようですね」……(1)共感の変換キー

  「私はこれから大事な会議がありますので、お電話ができません。

   社内にサポート窓口がありますので、電話をしていただけませんか?

   解決の手助けをわかりやすくしてくださると思います」……(3)指摘の変換キー

  「早く接続できるといいですね。またご連絡します」……(5)支援の変換キー

【これはパワハラ!】

部下「パソコンの接続の仕方がわからないから、大至急電話がほしい」

上司「そんな接続くらいバカでもできます。優秀な元部長さんならおできになりますよ」

●仕事が毎回遅い部下への指導

「昼までに頼んだ資料の作成の件、時間が過ぎています。早くしてください」

【変換キーを押すと……】

「現時点で、レポートがどこまでできたか共有させてください」……(1)共感の変換キー

「4割まではできたことがわかりました」……(1)共感の変換キー

「丁寧な仕事の心がけは、私は嬉しい」……(1)共感の変換キー

「一方で、期限を守らないことで誰が困るかよく考えてほしい」……(3)指摘の変換キー

「完成までに必要な時間と、サポートが必要かどうか、一緒に早急に検討しよう」……(5)支援の変換キー

【これはパワハラ!】

「テレワークをいいことに自宅でサボっているんだろ。あと1時間でムリならクビだ」

●部下の言動を叱るとき

「商談中のあの発言は失礼です。自宅からテレビ会議で参加しても、普段と同じ姿勢で参加しなさい。お客様が怒るのは当然だと思う」

【変換キーを押すと……】

「お客様のお叱りの言葉は、さすがに効いたようですね」……(1)共感の変換キー

「叱られた意図はわかったと思います。今日の出来事を仕事に活かすも君次第です」……(2)着眼点の変換キー

「まずはすぐにお詫びの連絡を入れてください。私もフォローします」……(3)指摘の変換キー

「気持ちを入れ替えて、次から挽回しよう」……(5)支援の変換キー

【これはパワハラ!】

「クズ! やる気がないなら、家で寝てろ。俺に恥かかさないでくれ」