ネット銀行は店舗型の銀行に比べて手数料が安い傾向がある。振込手数料は条件によっては無料で利用できるネット銀行も多い。個人口座で他行宛て振込手数料が無料のネット銀行を紹介しよう。※手数料はすべて税込

目次
1.振込手数料は同行宛が他行宛かで料金が異なる
2.ネット銀行11社の振込手数料を徹底比較
3.ネット銀行と店舗型銀行を組み合わせよう

1.ネット銀行の振込手数料は同行宛か他行宛かで料金が異なる

ネット銀行,振込手数料,無料
(画像=PIXTA)

ネット銀行の振込手数料をメガバンクなどと比較を含めて確認しよう。他行宛の振込手数料は、ネット銀行によって無料になる条件が異なる。

ネット銀行では同行宛の振込手数料が無料のところが多い

ネット銀行の多くは同行宛の振込手数料が無料だ。特定のネット銀行へ振込をよくするのであれば、その銀行の口座を開設して振込をするのがいい。

参考に3大メガバンクとゆうちょ銀行の手数料を比較してみよう。

・三菱UFJ銀行、三井住友銀行……ネットバンキングであれば同行宛の振込手数料が無料
・みずほ銀行……ネットバンキングなら同行の同一支店宛は振込手数料無料。みずほ銀行本支店宛は3万円未満で110円、3万円以上で220円
ゆうちょ銀行……ネットバンキングなら同行宛の振込(振替)手数料は月5回まで無料、6回目以降は100円

ネット銀行では他行宛の振込手数料も条件なしで無料のところがある

ネット銀行の中には、他行宛の振込手数料が条件なしで無料のところがあるが、振込手数料が無料になる回数には制限がある。

住信SBIネット銀行やGMOあおぞらネット銀行などはランクやステージに応じて月1回以上振込手数料が無料になる。

大和ネクスト銀行やソニー銀行などは振込手数料の無料回数が月3回や月1回など決まっている。

他行宛の振込手数料が条件付きで無料のネット銀行

ネット銀行のなかには条件を満たすと他行宛の振込手数料が無料になるところがある。

auじぶん銀行や楽天銀行などは条件を満たしたステージに応じて、他行宛の振込手数料が無料になる。

無料回数を超えた場合のネット銀行の振込手数料

他行宛の振込手数料は一般的に無料の回数が決められている。無料回数を使い切った場合の他行宛の振込手数料はネット銀行によりさまざまだ。

無料回数を使い切った場合の他行宛の振込手数料を紹介しよう。

・住信SBIネット銀行、GMOあおぞらネット銀行……157円
・大和ネクスト銀行、ソニー銀行……220円

メガバンクやゆうちょ銀行のネットバンキングにおける振込手数料

3大メガバンクやゆうちょ銀行の他行宛の振込手数料を比較しよう。これらの銀行のネットバンキングでは他行宛の振込手数料の無料サービスを実施していない。

・三菱UFJ銀行……3万円未満220円、3万円以上330円
・三井住友銀行、みずほ銀行……3万円未満220円、3万円以上440円
・ゆうちょ銀行……5万円未満220円、5万円以上440円

ネット銀行の振込手数料の無料回数を使い切ったとしても、メガバンクよりネット銀行の振込手数料のほうが安いケースが多いことがわかる。

2.ネット銀行11社の振込手数料を徹底比較

ネット銀行の具体的な振込手数料を確認したい。振込手数料が無料のネット銀行の「同行宛の振込手数料」と「他行宛の振込手数料」を表で比較してみよう。

ネット銀行 同行宛
振込手数料
他行宛
振込手数料
補足情報
住信SBIネット
銀行
無料 ランクに応じて
月1回~15回無料
それ以降は157円
三井住友信託銀行宛の
振込手数料無料
大和ネクスト
銀行
無料 月3回無料
それ以降は220円
他行の本人名義口座宛て
振込手数料無料
(楽天銀行・新生銀行・
GMOあおぞら
ネット銀行は除く)
GMO
あおぞらネット
銀行
無料 ランクに応じて
月1回~15回無料
それ以降は157円
 
ソニー銀行 無料 月1回は無料
それ以降は220円
 
auじぶん銀行 無料 ステージに応じて
月0回~15回無料
それ以降は
3万円未満178円
3万円以上283円
三菱UFJ銀行宛て
振込手数料無料
楽天銀行 無料 会員ステージに応じて
月0回~3回無料
それ以降は
3万円未満168円
3万円以上262円
ゆうちょ銀行の
本人名義口座宛の
振込手数料168円
東京スター
銀行
無料 取引明細書を郵送しない
設定の場合は月3回
まで実質無料
それ以降は330円
 
SBJ銀行 無料 月7回
(一部の他行宛は月3回)
まで無料
それ以降は220円
 
イオン銀行 無料 ステージに応じて
月0回~5回無料
それ以降は220円
 
あおぞら銀行
BANK支店
無料 条件により月0回~3回無料
それ以降は157円
 
ジャパンネット
銀行
無料 預金平均残高
3,000万円以上の
場合は月5回まで無料
3万円未満176円
3万円以上275円
三井住友銀行の
本人名義口座宛の
振込手数料無料
※各金融機関のホームページを基に筆者作成

住信SBIネット銀行……ランクに応じて他行宛の振込手数料が最大月15回まで無料

住信SBIネット銀行は4段階のランクに応じて他行宛ての振込手数料の無料回数が決定される。

ランク1の振込手数料の無料回数は月1回、ランク4では無料回数が月15回である。スマートプログラムによるランクは、総預金の月末残高などのさまざまな条件で決まる。

総預金の月末残高が30万円以上でランク2を満たす。ランク2では月3回まで他行宛ての振込手数料が無料だ。

住信SBIネット銀行から三井住友信託銀行宛の振込と三井住友信託銀行(ネットバンキング)から住信SBIネット銀行宛の振込は手数料無料である。

大和ネクスト銀行……他行宛の振込手数料が月3回まで無料

大和ネクスト銀行は他行宛の振込手数料が月3回まで無料だ。さらに他行の本人名義口座への振込手数料は何回でも無料になる。

ただし楽天銀行・新生銀行・GMOあおぞらネット銀行へは本人名義口座への振込でも他人名義の口座としてカウントされるので注意したい。

ATMでの入出金手数料はセブン銀行ATMやゆうちょ銀行ATMなら、一部夜間帯を除き無料で利用できる。

iPhone用残高照会アプリ「DAIWA NEXT BANK」は生体認証を利用して口座残高や取引明細をスムーズに確認できる。

GMOあおぞらネット銀行……ステージに応じて他行宛の振込手数料が最大月15回まで無料

GMOあおぞらネット銀行はステージに応じて他行宛の振込手数料の無料回数が変わる。 商品やサービスの利用状況などによって4段階のカスタマーステージが用意されている。

最も低いステージの「1テックま君」では他行宛ての振込手数料は月1回無料、最高ステージ「4テックま君」では他行宛て振込手数料は月15回まで無料だ。

ステージはATM出金手数料の無料回数やVisaデビットキャッシュバック率にも影響する。

Visaデビットキャッシュバック率は「1テックま君」の0.6%から「4テックま君」の1.5%まで4段階に変化する。

ソニー銀行……月1回まで他行宛の振込手数料が無料でSony Bank WALLETの優遇あり

ソニー銀行は利用実績などに関係なく、月1回まで他行宛て振込手数料が無料だ。Visaデビットカードの「Sony Bank WALLET」を持っていれば月2回まで無料になる。

無料回数を超えた場合の他行宛ての振込手数料は220円だ。

Sony Bank WALLETは貯めた外貨を外貨のままで使える。たとえば海外ATMで外貨口座から直接現地通貨を引き出せば手数料の節約になる。

Sony Bank WALLETを国内ショッピングで利用すると取引に応じて0.5%から2.0%のキャッシュバックを得られる。

auじぶん銀行……ステージに応じて他行宛の振込手数料が最大月15回まで無料

auじぶん銀行は残高と取引条件によるステージに応じて、他行宛の振込手数料の無料回数が決まる。

ステージは5段階で「じぶんプラス1」と「じぶんプラス2」は無料にはならない。「じぶんプラス3」は月1回、「じぶんプラス4」は月8回、「じぶんプラス5」は月15回まで他行宛の振込手数料が無料だ。

他行宛の振込手数料の無料回数を超えると3万円未満は178円、3万円以上は283円の手数料負担がある。

三菱UFJ銀行との振込は優遇される。auじぶん銀行から三菱UFJ銀行宛の振込と三菱UFJ銀行(ネットバンキング)からauじぶん銀行宛の振込は手数料無料だ。

楽天銀行……ステージに応じて他行宛の振込手数料が最大月3回まで無料

楽天銀行のハッピープログラムでは5つのステージにより他行宛の振込手数料の無料回数が決まる。

ステージ「ベーシック」では他行宛の振込手数料は無料にならない。「アドバンスト」は無料回数1回、「プレミアム」は2回、「VIP」と「スーパーVIP」は3回だ。

また楽天銀行で給与・賞与・公的年金を受け取ると、他行宛の振込手数料が翌月3回(月上限5回)無料になる。

無料回数の制限を超えると3万円未満は168円、3万円以上は262円(ゆうちょ銀行の本人名義口座宛ては168円)の手数料負担がある。

東京スター銀行……簡単な条件を満たせば他行宛て振込手数料が月3回まで実質無料

東京スター銀行は「スターワン口座取引明細書」の郵送を希望しなければ他行宛の振込手数料が月3回まで実質無料だ。実質無料とは手数料の翌月キャッシュバックである。

他行宛の振込手数料の無料回数を超えると手数料は330円の負担になる。

東京スター銀行のネットバンキング「東京スターダイレクト」は先進のセキュリティ対策を実装する。キャッシュカード利用のeメール通知は不正出金の早期発見に役立つ。

スキミング犯罪等対策機能「スターセーフ」は銀行初の普通預金などへのセキュリティ対策だ。預金残高が設定金額を下回る取引ができないように制限される。

SBJ銀行……他行宛て振込手数料が月7回(一部の他行宛は月3回)まで無料

SBJ銀行は個人口座からの他行宛の振込手数料が月7回無料だ。ただし一部の他行宛の振込手数料は月3回まで無料である。無料回数の制限を超えると手数料330円の負担がある。

提携ATMの手数料はセブン銀行、イオン銀行、イーネットの合計で引出・預入合わせて月10回まで無料。ゆうちょ銀行、みずほ銀行の合計で引出・預入合わせて月3回まで無料だ。

イオン銀行……ステージに応じて他行宛の振込手数料が最大月5回まで無料

イオン銀行は対象取引の利用に応じて決定される「イオン銀行Myステージ」により他行宛て振込手数料の無料回数が分かれる。

下のステージからブロンズは月0回、シルバーは月1回、ゴールドは月3回、プラチナは月5回が無料回数である。無料回数の制限を超えると手数料220円の負担がある。

ステージの判定は毎月更新される。取引のあった翌々月にそのステージの特典が適用になる。たとえば7月の取引の結果がゴールドのスコアを満たした場合、その特典が適用されるのは翌々月の9月である。

あおぞら銀行BANK支店……条件を満たすことで他行宛の振込手数料が最大月3回まで無料

あおぞら銀行BANK支店の他行宛て振込手数料が無料の条件は2つある。1つ目は残高合計500万円以上で月2回無料になる。2つ目はVisaデビットの利用1回以上で月1回無料だ。

両方の条件を満たせば月3回まで他行宛て振込手数料が無料になる。無料回数を超えた場合の振込手数料は157円だ。

提携ATMはゆうちょ銀行ATMなら回数の制限なしで何度でも手数料無料で利用できる。

普通預金の金利が高いのも特徴だ。業界No.1(2020年5月11日時点)の年0.2%を実現している。

ジャパンネット銀行……預金平均残高3,000万円以上で他行宛の振込手数料が月5回まで無料

ジャパンネット銀行は前月の預金平均残高(円普通預金、円定期預金)が3,000万円以上の場合に他行宛の振込手数料が優遇され月5回まで無料になる。

無料回数を超えた場合には振込金額3万円未満で176円、3万円以上で275円の負担だ。

ジャパンネット銀行と三井住友銀行間の本人名義口座宛の振込手数料は優遇される。ジャパンネット銀行から三井住友銀行の本人名義口座への振込手数料は無料だ。

三井住友銀行のSMBCポイントパックの条件を満たせば、三井住友銀行(ネットバンキング)からジャパンネット銀行の本人名義口座への振込手数料は無料になる。

3.振込手数料が無料のネット銀行と利用頻度の多いメガバンクを組み合わせる

メガバンクなどの店舗型銀行を普段利用していれば、連携しやすいネット銀行を組み合わせることで振込手数料の削減が可能だ。

たとえば三菱UFJ銀行をよく利用していれば、三菱UFJ銀行から振込手数料無料のauじぶん銀行を利用するといい。

三菱UFJ銀行からauじぶん銀行へいったん振込を行い、auじぶん銀行から各振込先へ手数料無料で振込を行えば振込手数料を節約できる。

連携しやすい店舗型銀行とネット銀行の組み合わせは、三井住友信託銀行と住信SBIネット銀行もある。

1回の振込手数料は少なくても、振込の繰り返しによる手数料の総額は無視できない額になる。振込手数料を見直してネット銀行の利用を検討してはいかがだろうか。

執筆・松本雄一
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。

MONEY TIMES

【関連記事 MONEY TIMES】
人気のネット銀行10社を徹底比較 定期預金金利、普通預金金利、ATMや振込手数料など
ネット銀行を使うメリット・デメリットは?メインバンクとしてどうなのか?
日本の銀行ランキングTOP10!格付け、口座数、時価総額、自己資本比率など
SBI証券のハイブリッド預金とは?特徴やメリットを紹介
楽天証券の「マネーブリッジ」とは?金利優遇やポイント2重取りなど、メリットも紹介