自由民主党(自民党)は25日、「ポストコロナの経済社会に向けた成長戦略」を発表した。

自民党の発表では、長期的視点に立った持続可能な資本主義を実現するために「金融都市TOKYO」と名付けた成長戦略が明らかになった。

今回の自民党の政務調査会では、昨年から課題として挙げられていた「スマートな豊かさ」「分散化・パーソナル化」「持続可能性」をキーワードにデータ利活用の戦略的枠組の構築をしてきたことを強調。

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(画像=月刊暗号資産)

また、デジタルトランスフォーメーション(DX:ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる概念)の推進を柱に「令和時代・新成長戦略」を策定しキャッシュレス推進策の具体化などの成果を得つつ、本年初頭まで精力的に議論を継続してきたことを振り返った。

今年3月以降は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、経済対策の議論に集中し、感染拡大の帽子と雇用、事業、生活を守り抜く試作を具体的に提言したことを報告。官民のDXやイノベーションなどを各種施策についても、その重要性が一層増しており、一気に進めるスピード感が不可欠であることを認識したという。

調査会では、ポストコロナの成長戦略として以下の8つの点が発表された。

  1. 感染症対策の徹底
  2. 生活者目線で徹底したデジタル化
  3. 行政のデジタル化、規制改革の徹底
  4. デジタル田園都市国家へ
  5. 産業・企業ビジネスモデル&資本主義の変革
  6. 「国際金融都市TOKYO」実現、金融強化とキャッシュレス化推進
  7. 科学技術・イノベーションの推進、環境・エネルギーの戦略策定
  8. コロナ後の木々しい国際競争環境の中で存在感ある日本を創る

8つの中でも、注目すべきは6つ目の「国際都市TOKYO」実現、金融強化とキャッシュレス化推進のテーマだ。

成長戦略ではキャッシュレス化の推進として、「ポイント還元などの政策的取り組みもあり、キャッシュレス化は進展を見せているが、ポストコロナを見据えたときの更なる進展の必要性」「キャッシュレス社会の実現には、加盟店手数料引き下げに向けた競争政策の推進」「公共料金のキャッシュレス化促進」「QRコード決済企画の海外展開」などが触れられている。

また、Facebookの「Libra構想」や「デジタル人民元」の発行が近いことを踏まえ、「米国と連携しつつ、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)について技術的な検証を狙いとした実証実験を行うべきである」と提言されている。

他にも、「量子技術で世界をリードするため、ブロックチェーン、AI、量子コンピュータや量子AI等の研究開発ファンディングの強化を図るべき」と成長戦略の文面に盛り込まれた。

今後、自民党はこれらの提言を踏まえ、ポストコロナの経済社会のあり方等について、新国際秩序創造戦略本部において議論を深めるとともに、同党の叡智を結集して、年末に向けて議論を深めていくと結論づけた。(提供:月刊暗号資産