日本で金融や投資について相談する相手といえばFPが一般的ですが、アメリカではIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の存在感が増しています。日本でも、個人投資家の間ではオンライン証券の利用が増える中で、アドバイスを必要とする人も増えています。オンライン証券とIFAは、これからの投資家にとって良好な組み合わせと考えられます。ここでは、そんなIFAの現状や今後を伝えます。

顧客の立場で資産形成のアドバイスができるIFA

年収1000万円
(画像=gardens/stock.adobe.com)

IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)とは、金融機関から独立した存在として、中立的な立場から金融のアドバイスや金融商品を紹介します。

従来日本では、金融機関に属するアドバイザーが金融商品についてアドバイスしたり、紹介したりしていました。金融機関の担当者にはノルマがあるため、どうしても自社視点で利益が出やすい商品を紹介する傾向があり、顧客視点でなくなってしまうという問題がありました。

しかしIFAが2004年に解禁されたことで、顧客は自身の利益を最優先してくれる相手から助言を得られるようになったのです。

ただし、日本では依然としてIFAに対する認知度が低く、現状はほとんど普及していないと言ってもいい状況です。2018年12月時点で、法人を含むIFAの人数はおよそ3,800人にとどまっています。

金融庁は「貯蓄から資産形成へ」の推進を重視しており、IFAの活躍に触れる民間委託の報告書を2019年7月に発表しました。「個人のライフスタイルが多様化する中、人生設計の可能性を考えながら金融面で備えることの重要性」を指摘しており、幅広い世代での金融リテラシー獲得に向けIFAに期待を寄せています。

米国ではIFAへの信頼が厚い

日本ではまだこれからといったところですが、アメリカではIFAの存在感は大きなものとなっています。三菱UFJ国際投信のデータによると、アメリカのIFAの人数は2019年現在で約12万2,000人に上るとのことです。

単に人数が多いだけでなく、実際に多くの消費者は金融機関よりもIFAに金融資産の運用について相談しています。一説では、個人の金融資産全体(約7,500兆円)のうち、およそ3分の1がIFAを介して運用されているとも言われています。

このような背景から、アメリカでは大手証券会社を退社してIFAに転身するケースも増加しています。具体的には、過去6年間(2019年時点)で大手証券会社の営業担当者は5万1,000人から4万7,000人までに減少し、その一部がIFAに転身したと言われています。

投資家自身の利益につながるアドバイスを与えてくれることが、IFAへの信頼につながっていると考えられます。

日本でもテック系金融機関がIFAの活用に力を入れ始めている

日本では依然として知名度の低いIFAですが、近年はテック系の金融機関がIFAの活用に力を入れ始めています。例えば、オンライン証券大手のSBI証券や楽天証券では、全国各地のIFAと提携し、顧客にとって最適な資産運用のプランや投資商品の紹介を行っています。

ただし、特定企業の豊富な商品を組み合わせて顧客の資産運用のポートフォリオを作成することが多いため、完全に独立した存在とは言えないのが現状です。利用者がその点に留意すれば、IFAはもっと活躍の範囲を広げてもいいプロフェッショナルと言えるでしょう。

オンライン証券での商品の組み合わせを考える上で、IFAを活用するメリットは多くあります。豊富な商品があるため、投資に詳しくないユーザーが最適なポートフォリオを考えるのは困難です。オンラインの証券会社である以上、手厚いサポートも期待できません。

その意味で、オンライン証券の持つ手軽さやコスト優位性と、IFAが持つ豊富な知識を基盤に提供する質の高いアドバイザリーサービスを組み合わせることで、投資家にとってのメリットは大きく、今後認知度の向上に伴って日本でも普及していくことが考えられます。(提供:JPRIME


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