コロナショックを受けて、不動産価格も下落するという予測があります。一方で、あるアンケート調査では、多くの不動産投資の専門家は「新規投資を積極的に行う」と回答しています。実際のアンケート結果を紹介するとともに、今後の不動産価格に対する予測と、不動産投資戦略について解説します。

不動産価格は下がるという見方が約9割――下落幅は最大15%が最多

不動産価格
(画像=PIXTA)

総合不動産サービス大手JLL日本法人は、2020年4月に「新型コロナウイルスによる不動産市場への影響」というアンケートを実施しました。対象は、不動産賃貸業、ビルオーナー、デベロッパー、国内・海外ファンドなどの不動産投資の専門家です。

アンケートによると、2020年末にかけての物件取得価格水準について、回答者は下記のように予測しています。

5~15%下落  65.5%
15%以上下落  23.8%
変化なし    10.2%
5~15%上昇   0.4%

約9割の不動産投資の専門家が、物件取得価格水準は下落すると回答しました。上昇するという回答の割合は、なんとわずか0.4%です。下落幅としては、5~15%が最も多い回答で、6割以上を占めていました。

5~15%の下落というと、1,000万円の物件なら50万円から150万円下落するということです。割合でみると小さくても、実際の金額を知ると、大きく感じられるのではないでしょうか。

7割以上が「積極的に投資する姿勢」を見せる理由

アンケートで投資のスタンスについて尋ねたところ、下記のような結果が得られました。

価格調整があれば新規投資を積極的に行う 67.2%
物件のクオリティさえよければ新型コロナウイルス発生前と変わらぬ価格で新規投資を積極的に行う 7.7%
状況が落ち着くまで当面、新規投資を控える 20.9%
現保有資産の値洗い中 1.7%
既存保有物件の一部売却を行う 1.7%
既存保有物件の売却を行う 0.9%

7割近くが、新規投資を積極的に行う意志を表明しています。一方で、新規投資を控えると回答した人も2割にのぼりました。物件の売却を検討しているのは、わずか2.6%にすぎません。

不動産投資のプロは、ピンチだからと安易に不動産の売却を検討するのではなく、あくまで攻めの姿勢でいることがわかります。

不動産価格が一時的に下落すれば、購入した物件の評価額は、下がってしまうかもしれません。しかし、逆にいえば、物件を安く取得するチャンスです。現在は金利も低いため、少ないコストで価値のある物件を購入できるかもしれません。

投資戦略で最も多いのはオフィスの22.6%、次いで賃貸住宅の22.3%でした。また、ロケーションでは千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区の東京都心5区が16.5%と最も人気です。その他、神奈川や埼玉、千葉も含めた首都圏も人気の高いロケーションになっています。

アンケートによると、「今後投資していくうえで重視する点」について、最も多い回答が「価格の妥当性」34.1%、次いで多い回答が「立地」26.1%でした。

都内の物件は需要がとぎれず、流動性も高いことから、人気があります。今回の不動産価格の下落をチャンスととらえ、都内の新築物件を保有するのもいいでしょう。情勢が落ち着いた時、安く取得した物件は大きな価値を持ち、輝き始めるはずです。

ピンチをチャンスに変える不動産投資家になる

物件価格の下落が予想されるからといって、すぐに物件を売却し現金化してしまうのは悪手です。将来的な価値を見積もり、今現在の懐事情も加味しながら、広い視野で判断することが大切です。

衣食住の「住」を支える不動産ニーズは、簡単になくなるものではありません。となると、長い目で見れば、下落した価格で物件を購入することは、利益を最大化することにつながるでしょう。

ピンチをチャンスに変える姿勢を大切に、間違いのない投資判断をしたいものです。

(提供:マンション経営ラウンジ

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