マネジメントのうまいミドル層の育成

株式会社ZUU
(画像=株式会社ZUU)

―― 人数が多い企業になると、プランは優秀でも現場に振るとなったときに、ここをいかに推進していくのかが課題になることが多いですが、いかがですか?

従業員の管理には、社員に大きい目標だけを与えて、あとの行動は彼らのやり方に任せるというマネジメントをしていきたいと思っています。

しかし未経験者や新卒の社員の場合、ただKPIの部分だけを渡しても、そこに対して何をしたらいいかという行動が具体化されてないので、しっかりタスク分解をしてあげて、そこをフォローすることも必要になってきますが、これはミドルマネジメントのミッションという形で、マネージャーに渡しています。

そしてマネージャーは新人育成のために、ある程度仕事を任せてやらせてみて、そこで結果を見ながらマネジメントしていくようなやり方をとっています。新人に仕事を任せるのは結構根気が必要かと思いますが、そこができるマネージャーは増えつつあるかなと思います。そしてそういう人はやはり組織のリーダーとして成長していますね。

こうして先ほどの1 on 1なども含めて、ある程度マネージャーが現場の方を見て、さらにこのマネージャーを上が見ているような仕組みが出来上がってきているので、ここ数年で会社の立てたビジョン、戦略に対して、それがキチっと具体的な戦術になり、アクションになって、成果となって、表れやすくなってきていると思います。

――  PDCAの中でもPlanやDoの後、結果に対する振り返りや更なる要因分析などのCAの部分はどういった形でされていますか?

どうしても急いでいるときとか、事業のスピードを上げていくと、PとDの繰り返しでCAまで手が回らないこともあります。しかし事業展開が遅くなったとしても、現場に権限をある程度持たせて、自ら考えさせ、結果に対する改善アクション、つまりCheckとActionですね、これを実行することをちゃんと現場に徹底させるようにしています。

我々はSalesforceのビジネスをやっているので、日々の活動を見える化する部分というのは、比較的得意というか、すぐに日常の業務として実行できます。あとはそれに対しての考察や改善施策をしっかりと考えるクセ付けさえすれば、想定と違う方向に進むような事はなくなると思っています。

進化するSalesforceと共に

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(画像=株式会社ZUU)

―― 最後に今後の展望を教えてください。

セールスフォース・ドットコム社はやはりものすごい進化を遂げていて、いろんなプロダクトを買収・統合して、どんどん新しいソリューションができています。

ですから、まず一つは、新しいプロダクトやソリューションをキチっとキャッチアップをして、お客様へご提供ができる体制、時代の最先端を走れるパートナーとして、まずしっかりやっていくということが大事だと思います。

あともう一つは、冒頭でも申し上げましたが、海外のツールだけでは、ローカルのビジネスとして足りないものもいっぱい出てきますので、そこはやっぱり自社でしっかりとミッシングパーツを作って、隙間を埋めて統合していくというようなところをしっかりやっていきたいと。この二本柱かなと思いますね。

実際Salesforceはパッと導入しただけではどう使っていいのか、ほとんどの人が分からないですし、あるいは導入したとしても、やはり基幹システムとして利用しない場合が多く、別のツールとの二重管理になっているところが多いですね。理想的にはどんどんクラウドに情報を集めて、ビジネスが変わったら身軽に変えられるシステムを構築しておく必要がありますが、そういう意味では、やっぱりSalesforceは有利なんです。すごく早く変革できますから。

弊社も実は自社の販売管理系の仕組みをSalesforce上で開発したのですが、例えば新しい商材を扱うとか、取りやめるとか、もしくはスペックを変えるとか、プライシングの変更だとか、サービス提供の変更などは、ビジネス環境の変化とともに発生します。そういったいろいろな局面がでてくることを想定して、それらの変化に追従するしくみが必要だったんですね。

―― こんなご時世だからこそ、何か引きつける見せ方もありそうなサービスではありますよね。

確かにコロナがきっかけで、すでにリモートワークというか、DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されはじめていますよね。弊社の隣にあるタレンタというHRテックの会社も、オンラインのビデオ面接システムの「HireVue」というツールを提供しているのですが、多くの企業が在宅勤務を開始して以降は問い合わせの数が爆発的に増えたそうです。時代はそうなっていくんでしょうね。

ただITのビジネスというのは、意識改革、組織作りと、ITとデータ統合が全部同時にできないと、うまく立ち上がりません。ただ今回のコロナ禍で企業の意識改革の部分は、大きく替わったのではないでしょうか?あとは自社のSalesforce利活用の経験を元に生産性向上の具体的なノウハウなどをご提案できれば、DXで成功できる企業も増えるのでないかと思いますね。(おわり)