Howよりも結果を重視

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(画像=株式会社ZUU)

――社員の皆さんがその施策の行動に十分にコミットできるかどうかというのは、結構難しい部分なのではと思いますが、その点何か意識されていますか?

弊社は自律性を重んじているので、成果を可視化して見るということは心がけています。もちろん、成果を可視化しても、実際に次のアクションを起こすのが難しいものである場合は、もう少しマイクロに見ることもあります。しかし、なるべく自ら考えて行動してもらえるように、採用段階から、自律的に仕事ができる方を採用することを心がけています。

とはいっても仕組み化やルール作りの部分も重要なので、そこはバランスですよね。もちろんマニュアル化もしていますが、最終的には「その成果が出るかどうか?」ということのほうが大事です。

なので、今までのやり方と違うことがあったとしても、アイデアがいいなと感じたら、「じゃあやってみようか」と任せてみることは結構あります。仮にうまくいかなそうに思える場合は、うまくいかなかったときのBプランをもっているか、そもそも他の選択肢を考えたのか、などはプロセスとして見ています。

もちろん思いきり外れるような施策ばかりを実行して、全体としての統制がなされていないと問題なので、そこは仕組みとして、マネジメントサイドが数字のうえで管理して、全体のバランスを見ながら上手く舵取りをする必要があります。

PDCAを各レイヤーの会議体で回す

――そうすると、ある程度下にも裁量権は与えつつ、PDCAを回されたりしていると思いますが、どれくらいのサイクルでやられていますか?

そのプロジェクトの粒度によりますかね。現場目線でしたら日々という話になりますし、レイヤーが上がれば、週次の会議が1つのPDCAのポイントになります。それで重要課題があれば、その週の半ばにもう1回したりとかもあります。経営目線では四半期や半期が大きな方針を意思決定するサイクルでもあります。

現場では毎朝の朝会にチームで集まって、前日までの活動報告と、今日のタスクを報告しあったりします。そしてプラスアルファで、その週次会議や全体朝会という形で、マネージャーやその上の人たちも含めて、全体で重要事項を共有することもしていますね。そこで現場から上がってきた声がちゃんと上に流れるような場になっています。

BitStarではロングミーティングはなく、長くて1時間ですかね。「ミーティングは30分以内にしましょう」ということを意識しているので、ミーティングを短くするというのは文化として根付いているように思います。

そのためにミーティングでは議題などは事前にGoogleのスプレッドシートとWordでみんなが共有できるような形にしていて、論点があれば事前に出しておきます。それを実際に話していくという感じですね。

初期の頃の苦労

――今6期目ということですが、これまでで1番苦労した事は何ですか?

一番苦労というかハードシングスは過去4回資金ショートしかけたことです。それは話すと長くなるのでまた別の機会で話します笑

事業に関していえば、僕はもともと電気自動車の分野でビジネスをしていて、毛色の全く違う業界からこの業界で起業をしたので、本当にゼロベースからのスタートでした。なので仲間集めからクライアント様やインフルエンサーの方に価値を提供して裾野を広げていくというのは、とても時間がかかって大変だったなと思います。

例えば、立ち上げ当初は、インターン生やアルバイトの方にテレアポを教えなくてはならなかったのですが、一人一人に教えていたら時間が足りない。なので、インターン生にその方法を教えたらその下に教えてくれるというように仕組みを作って、全員に方法が行き渡るようにして、仲間を徐々に増やしていく、ということをしていました。

信用を獲得するという部分においては、投資家の方には年齢が若いわけでもなく、電気自動車ビジネスをやっていた人間がこのビジネスを始めたというストーリーを理解していただけないことも多くて苦労しましたね。もちろん僕の中ではあるんですよ、新しい産業や文化を創造していきたいという延長線上で前職のキャリアはつながっているのですが、やはりなかなかストーリーとしては理解していただきづらいんですよね。しかも起業してBitStarを立ち上げたときは既に30歳を過ぎていて、Under30の若手起業家を支援する場などにも参加ができず、人脈を広げる機会も少なく苦労しました。

なので、相手の方に自分でなんとかアポを取って、1対1で直接説明して理解していただくという他は選択肢がなかった。地道に結果と信頼を積みあげていって、できたことを型化して、下の人もできるようになって、売上が上がっていくことを繰り返していきました。実績と信頼ができたことで、ようやく社員やパートナーなどいい人材も集まってくるようになってきてはじめて好循環がうまれてきたというところです。

今後の展開は

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(画像=株式会社ZUU)

――これから上場も目指されているそうですが、5年後とか10年後を一つのベンチマークとして、さらには将来目指すところを教えてください。

将来はメガベンチャーを作っていきたいと思っています。というのも産業や文化に寄与するには、やはり1000億以上、ひいては1兆円単位の売り上げを目指していかなくてはと思うからです。

僕は10年スパンで考えていて、まず10年で売り上げベースで100億企業を作り、次の10年で1000億、次の10年で1兆円という規模感で考えています。この10年でいえば、このコンテンツ産業における事業というのは、やはりインフルエンサーを基点にさらに大きく拡大していくと予測しています。100億企業に到達することは比較的実現性が高まっています。直近は10年の節目で売上100億、営利10億以上、時価総額1000億です。

次の10年では、より課題解決のレイヤーを引き上げていきたいと思っています。元々電気自動車ビジネスをやっていたというのも、地球規模の課題解決だなと思っていた部分と日本発の世界的ベンチャー企業を創りたいという想いがあったんです。でも初めのトライとしては大きすぎたと思っています。

なので今はインフルエンサーを基点としたコンテンツ産業を極めてくことに集中して、その先に様々なビジネス展開が可能だと考えています。リアルビジネスへの展開、AIやVRなどのビジネス展開が紐付いていくことも考えられます。

例えば、美容のチャンネルをやっていたら、コスメを作るということもできますし、テニスチャンネルをやったらテニス場を運営していくという事も視野に入ってくるでしょう。動画の編集の自動化ということでしたら、RPAやAIの文脈も入ってきます。あとはバーチャルのところだとXR領域もいけそうですね。

次の10年向けては、まだまだあと4年半の時間があるので、その間に解決できる課題が大きいもの、あるいは次の10年で1000億にできそうなもの、というのを見極めながらやっていく流れになるのではないかと思います、12兆円の市場規模と言われるコンテンツ産業は巨大な市場ですし、その先のビジネスの広がりを考えると、今後BitStarがメガベンチャーになっていくうえではいいスタート地点ではないでしょうか。