住信SBIネット銀行と楽天銀行は、それぞれネット証券大手のSBI証券、楽天証券と同じグループ。証券との口座連携ができるなど、類似点も多い。ここでは、両行の口座数や普通・定期・外貨預金金利、優待プログラムなどを比較する。どちらを選ぶべきか迷っている人のために、メリット・デメリットについて掘り下げていきたい。

目次
1,口座数や預金残高など基本情報を比較
2,普通預金、定期預金金利の比較
3,外貨預金金利の比較
4,優遇プログラムを比較 振込手数料や出金手数料無料回数は?
5,付与ポイントを比較
6,どちらを選ぶかはネット銀行の利用目的による

1,住信SBIネット銀行と楽天銀行の口座数や預金残高などを比較

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(画像=Andrey Popov/stock.adobe.com)

ネット銀行の住信SBIネット銀行と楽天銀行は、よく比較される。銀行としてのスペックや、両行が提供するサービスにどのような違いがあるのだろうか。個人利用を前提に、さまざまな角度から住信SBIネット銀行と楽天銀行の違いを明らかにしてみよう。

企業を比較,銀行の規模は住信SBIネット銀行のほうが大きい

  住信SBI
ネット銀行
楽天銀行
設立 2007年9月 2000年1月
資本金 310憶円 259憶5,400万円
口座数 392万9,000口座※1 905万7,000口座※2
顧客(口座)
属性
【年齢層分布】
第1位,40歳代(29%)
第2位,30歳代(27%)
第3位,50歳代(19%)
【性別分布】
男性(68%)
女性(32%)
【年齢層分布】
第1位,40歳代(30%)
第2位,30歳代(25%)
第3位,50歳代(21%)
【性別分布】
男性(63%)
女性(37%)
預金残高 5兆3,903億円※1 4兆129憶円※2
貸出金残高 3兆7,250億円※1 1兆1,154億円※2
住宅ローン残高 6兆円超※1 5,551億円※2
親会社 ・三井住友信託銀行(50%)
・SBIホールディングス(50%)
楽天カード(100%)
※2020年7月29日現在の両行ホームページを参照
※1,2020年3月31日現在
※2,2020年6月現在

住信SBIネット銀行は、預金残高、貸出金残高、ローン残高のいずれも楽天銀行を大きく上回っており、銀行としての規模は住信SBI銀行に軍配が上がる。

一方で楽天銀行では、2019年11月から2020年6月までの8ヵ月という短期間で、過去最高となる100万口座が新規開設されており、今後は預金残高やローン残高が急伸し、住信SBIネット銀行に肉薄、あるいは上回る可能性もある。

上記の比較表から、顧客(口座)属性には大きな違いがないことがわかる。このことから、ネット銀行口座の開設を検討している見込み顧客にとって、両行が比較対象となっている現状を知ることもできる。

預金金利を比較,普通預金金利は楽天銀行が圧倒的に有利

  住信SBI
ネット銀行
楽天銀行
普通預金金利
(税引前)
0.001% 0.02%
証券との口座連携時の
普通預金金利
(税引前)
【SBIハイブリッド預金】
0.010%
【マネーブリッジ】
0.10%
1年定期預金金利
(税引前)
0.150% 0.11%
※2020年7月29日現在の両行ホームページを参照

普通預金金利や証券との口座連携による優遇金利は、楽天銀行のほうが圧倒的にお得だ。マネーブリッジの設定で普通預金金利が0.1%に上がるほか、楽天銀行口座を楽天カードの引落口座に指定すると、金利が0.04%(税引前)に上がるサービスもある。

楽天証券、楽天カード、楽天ポイントなど、楽天グループ内の連携利用で、銀行最高水準の普通預金金利が適用されるのは大きな特徴だ。

振込手数料を比較,手数料無料回数が多い住信SBIネット銀行

  住信SBI
ネット銀行
楽天銀行
他行宛て
振込手数料
・月1回は無料
・スマプロランクに応じて、
最大月15回無料
・有料の場合、
一律157円(税込)
・会員ステージに応じて、
最大月3回無料
・有料の場合、
振込金額によって
168~262円(税込)
コンビニATM
入出金手数料
・入金手数料無料
・出金月2回まで無料
・スマプロランクに応じて、
最大月15回無料
・出金手数料有料の場合、
一律157円(税込)
・3万円以上の入出金手数料無料
・3万円未満の入出金手数料は、
会員ステージに応じて、最大月7回無料
・有料の場合、220~275円(税込)
※2020年7月29日現在の両行ホームページを参照

ATM入出金手数料と他行宛ての振込手数料がお得になるのは、住信SBIネット銀行。住信SBIネット銀行では、同行宛てと三井住友信託銀行宛ての振込手数料は無料。他行宛て振込手数料も、誰でも月1回は無料になり、スマートプログラムのステージに応じて最大で月15回まで無料になる。有料の場合も、一律157円(税込)とわかりやすい。

ATMでの入出金手数料は、入金時はいつでも手数料無料、出金時も誰でも月2回までなら無料だ。ステージが上がると、1ヵ月の無料回数が5回、7回、15回まで無料になる。出金手数料が有料の場合も、一律110円(税込)と安く設定されている。

ポイント,キャンペーンを比較,ポイントプログラムは楽天銀行が優勢

  住信SBI
ネット銀行
楽天銀行
ポイント
プログラム
【スマプロポイント】
・現金に交換
・JALマイルに交換
【楽天ポイント】
・楽天カードの引落口座に
指定するとポイント+1倍
・楽天グループで使用可
口座開設
キャンペーン
3ヵ月円定期の金利が
年0.50%(税引前)※1
新規口座開設と条件達成で
1,500ポイントプレゼント
顧客優遇
サービス
【スマートプログラム】
取引内容に応じてランクアップ、
手数料優遇とポイント付与
【ハッピープログラム】
取引内容に応じてランクアップ、
手数料優遇と楽天スーパーポイント
優遇と手数料優遇措置
便利な機能 スマート認証
(スマホを使った
無料セキュリティサービス) 
マネーサポート
(無料資産管理ツール)
※2020年7月29日現在の両行ホームページを参照
※1,2020年8月16日まで

口座開設キャンペーンや顧客優遇サービスは、どちらも似通った状況だ。一方でポイントプログラムは使い道が多い楽天ポイントが貯まる楽天銀行に軍配があがるだろう。ただSBI住信ネット銀行のスマプロポイントは現金に交換できるという点がメリット。楽天グループのサービスをあまり利用しないという人にはうれしいはずだ。

2,住信SBIと楽天銀行の普通・定期預金金利を比較――普通は楽天、定期は住信SBI

メガバンク3行の預金金利には大きな差がないが、ネット銀行が提示する預金金利は銀行によってさまざまだ。住信SBIネット銀行と楽天銀行では、普通預金と定期預金の金利にどれほどの違いがあるのか確認してみよう。

普通預金金利(税引前)を比較 楽天銀行が有利

  住信SBI
ネット銀行
楽天銀行
普通預金 0.001% 0.02%
証券との口座
連携優遇金利
0.010% 0.10%
※2020年7月29日現在の両行ホームページを参照

普通預金金利は、証券口座との連携による優遇が適用された場合でも、楽天銀行のほうが圧倒的に高い。

定期預金金利(税引前)を比較 両行に大きな違いはなし

  住信SBI
ネット銀行
楽天銀行
定期預金 100万円未満 100万円以上 1,000円以上
100万円未満
100万円以上
1ヵ月 0.020% 0.020% 0.02% 0.02%
2ヵ月 0.020% 0.020% 0.02% 0.02%
3ヵ月 0.020% 0.020% 0.02% 0.02%
6ヵ月 0.020% 0.020% 0.02% 0.02%
1年 0.150% 0.150% 0.11% 0.11%
2年 0.020% 0.020% 0.02% 0.02%
3年 0.020% 0.020% 0.02% 0.02%
4年 0.020% 0.020% 0.02% 0.02%
5年 0.020% 0.020% 0.02% 0.02%
※2020年7月29日現在の両行ホームページを参照

定期預金金利に違いが見られるのは、1年ものの定期預金金利だけだ。金利差は0.04%。

実際に、普通預金や定期預金でどのくらい受取額に差が出るのか見てみよう。

普通預金・定期預金の金利受取額(税引前)の比較 楽天銀行・証券の連携に注目

50万円を1年間預けた場合の金利受取額は、以下のとおりだ

  住信SBI
ネット銀行
楽天銀行 金利受取額の
差額
普通預金 5円
(0.001%)
100円
(0.02%)
95円
(楽天が多い)
優遇金利適用の
普通預金
50円
(0.01%)
500円
(0.10%)
450円
(楽天が多い)
1年ものの
定期預金
750円
(0.15%)
550円
(0.11%)
200円
(住信SBIが多い)

金利受取額だけを見ると

・普通預金では楽天銀行が有利
・定期預金(1年)では住信SBIネット銀行が有利

という結果になった。上記3種類の預金金利のうち、住信SBIネット銀行と楽天銀行間で金利受取額の差が最も大きくなるのは、証券口座との連携による優遇金利が適用された場合である。

多くの人にとって、普通預金口座は生活資金用の口座だろう。実際に入出金の頻度が多く、利用状況によって受け取る金利にも差が出やすい。しかし、楽天銀行と楽天証券の連携はやはり金利面において優れていることは間違いなく、低金利時代の強い味方になるだろう。

3,住信SBIネット銀行と楽天銀行の外貨預金金利の比較――総合的に見て住信SBIに軍配

ゼロ金利時代の資産形成方法として、外貨商品への関心は高まっている。住信SBIネット銀行と楽天銀行は、どちらも外貨金融商品を取り扱っている。取り扱い通貨は、外貨普通預金と外貨定期預金では、住信SBIネット銀行は9通貨、楽天銀行は7通貨。両行とも、円普通預金から外貨定期預金に振り替える際は、通常金利より高い特別金利を提供している。

ここからは、外貨金融商品の中から定番の米ドル、金利の高い豪ドルと南アフリカランドの外貨定期預金の金利と、外貨金融商品のコストとなる3通貨の為替手数料を比較してみよう(2020年7月29日現在)。

なお、「円貨→外貨」は円普通預金から外貨定期預金へ振り替える場合、「外貨→外貨」は為替取引をした外貨や、外貨普通預金の外貨を外貨定期預金に振り替える場合を示している。

米ドル建て外貨定期預金を比較 住信SBIネット銀行が有利

住信SBIネット銀行では、円普通預金から外貨定期預金への振替時の特別金利を設けていない。しかし、「外貨→外貨」の通常金利は、楽天銀行より高く設定されている。

【米ドル建て外貨預金金利の比較】

期間 住信SBI
ネット銀行
楽天銀行
円貨→外貨 外貨→外貨 円貨→外貨 外貨→外貨
7日 2.00% 0.02%
14日 1.00% 0.02%
1ヵ月 0.10% 0.50% 0.02%
2ヵ月 0.10% 0.25% 0.03%
3ヵ月 0.20% 0.20% 0.03%
6ヵ月 0.25% 0.15% 0.04%
1年 0.25% 0.12% 0.05%

米ドル/円の為替手数料については、住信SBIネット銀行のほうが圧倒的に安い。楽天証券のおよそ6分の1、参考として掲載している三菱UFJ銀行(窓口)の25分の1だ。

【米ドルの為替手数料(片道)の比較】

  住信SBI
ネット銀行
楽天銀行 参考)三菱UFJ銀行
(窓口)
米ドル/円 4銭 25銭 1円

米ドル建て外貨定期預金については、円普通預金を米ドル建て外貨定期預金に振り替える場合も、すでに外貨普通預金に預け入れている外貨を外貨定期預金に振り替える場合も、コストが格安で好金利のため、住信SBIネット銀行が有利だろう。

豪ドル・南アフリカランド建て外貨定期預金を比較 「円→外貨」は住信SBI、「外貨→外貨」は楽天が有利

金利の高さで人気の豪ドルと南アフリカランドに関しては、「円貨→外貨」と「外貨→外貨」でお得な銀行が変わる。

通貨 期間 住信SBI
ネット銀行
楽天銀行
円貨→外貨 外貨→外貨 円貨→外貨 外貨→外貨
豪ドル 7日 12.00% 0.10%
14日 6.00% 0.10%
1ヵ月 7.00% 0.001% 4.00% 0.04%
2ヵ月 0.001% 1.50% 0.04%
3ヵ月 2.50% 0.050% 1.20% 0.12%
6ヵ月 0.150% 0.60% 0.16%
1年 0.150% 0.40% 0.16%
南アフリカ
ランド
7日 40.00% 3.00%
14日 35.00% 3.00%
1ヵ月 40.00% 2.100% 30.00% 3.00%
2ヵ月 3.000% 15.00% 3.10%
3ヵ月 18.00% 3.000% 10.00% 3.10%
6ヵ月 3.000% 7.00% 3.20%
1年 3.000% 5.00% 3.20%

豪ドル・南アフリカランドの手数料を比較

  住信SBI
ネット銀行
楽天銀行 参考)三菱UFJ銀行
(窓口)
豪ドル/円 25銭 45銭 2円
南アランド/円 14銭 30銭 取り扱いなし

・豪ドルと南アランド「円→外貨」は住信SBIネット銀行が有利

住信SBIネット銀行で、豪ドル建て外貨定期預金と南アフリカランド建て外貨定期預金で「円貨→外貨」特別金利が設けられているのは、1ヵ月と3ヵ月ものの外貨定期預金だけだ。

限定されてはいるが、住信SBIネット銀行の1ヵ月と3ヵ月ものの外貨定期預金特別金利は、楽天証券の特別金利を大幅に上回っている。「円貨→外貨」であっても、為替レートに為替手数料が含まれているので、同行の豪ドルと南アフリカランドの格安な為替手数料も非常に魅力がある。

預入期間は限定されても、外貨定期預金に住信SBIネット銀行を選ぶ価値はあるだろう。

・豪ドルと南アフリカランド「外貨→外貨」は楽天銀行が有利

1ヵ月と3ヵ月もの以外の「外貨→外貨」による外貨定期預金の通常金利を見ると、豪ドル建てと南アフリカランド建てのどちらも楽天証券の金利のほうが若干高い。外貨普通預金にある外貨をそのまま外貨定期預金に振り替えるのであれば、楽天証券のほうがいいだろう。

住信SBIネット銀行は外貨関連サービスに強み

住信SBIネット銀行は、外貨普通預金や外貨定期預金以外にも、さまざまな外貨関連サービスを提供している。

・外貨普通預金口座を使った為替取引
・期間限定の各種外貨仕組預金といった外貨金融商品の取り扱い
・外貨送金受取サービス
・外貨送金サービス
・SBI証券の外国株取引口座との外貨入出金サービス

などがその一例だ。

このようなサービスを考慮すると、住信SBIネット銀行と楽天銀行では、外貨関連サービスにおいては住信SBIネット銀行のほうがメリットが多いと言えるだろう。

4,住信SBIネット銀行と楽天銀行の優遇プログラムを比較――振込手数料や出金手数料無料回数は?

取引状況に応じてステージが決定する顧客優遇プログラムは、住信SBIネット銀行では「スマートプログラム」、楽天銀行では「ハッピープログラム」と呼ばれている。どちらのプログラムでも、会員ステージに応じてATM出金手数料や他行振込手数料が無料になる回数が変わる。

銀行名
プログラム名
ATM出金手数料
無料回数
他行振込手数料
無料回数
住信SBIネット銀行
「スマートプログラム」
月2〜15回 月1〜15回
楽天銀行
「ハッピープログラム」
月1〜7回 月1〜3回

手数料無料回数を比較すると、住信SBIネット銀行はATM出金、他行振込ともに最大15回と多く、一見有利に見える。

しかし、個人利用で1ヵ月に15回も他行宛ての銀行振込やATM出金を行うことは、あまり一般的ではないだろう。月に数回利用する人がほとんどであることを考えると、手数料が無料になる回数は月2~3回程度で十分だ。そのため、手数料無料回数に関しては、個人利用のユーザーにはどちらのネット銀行でも大きな違いはないだろう。

どちらの銀行でも会員ステージが高くなれば、振込手数料や出金手数料が無料になる回数などの特典も手厚くなるわけだが、達成できなければ意味がない。よって、どのような会員ステージと条件が設けられているのかは、チェックしておきたい。

住信SBIネット銀行の会員ステージと条件 ランク3は組み合わせで容易に達成できる

住信SBIネット銀行ではステージが4つ用意されており、毎月末の対象預金残高あるいは取引状況でランクを判定し、適用されるのは翌々月だ。

ステージ ATM手数料
無料回数
振込手数料
無料回数
ランク4 月15回 月15回
ランク3 月7回 月7回
ランク2 月5回 月3回
ランク1 月2回 月1回

それぞれのランクが適用される条件も一覧にしておこう。

ステージ 適用条件
ランク4 以下のいずれかに該当
1    外貨預金と仕組預金の月末合計残高500万円以上
2    外貨預金と仕組預金の月末合計残高300万円以上、
かつ住宅ローン利用
ランク3 以下のいずれかに該当
1    総預金の月末残高300万円以上
2    ロボアドイザー資産残高月末合計100万円以上
3    住宅ローン利用
4    指定条件3つ以上に該当
ランク2 以下のいずれかに該当
1    総預金の月末残高が30万円以上
2    ロボアドバイザー資産残高10万円以上
3    指定条件2つに該当
ランク1 ランク2~4のどれにも当てはまらない場合

ランク4を達成するのは、なかなか難易度が高い。ランク3に関しても、現金が潤沢にある人や住宅ローンを利用している人など一部の人に限定されるように思えるが、④の指定条件3つをうまく組み合わせることで、実は簡単に達成できる。指定条件は、以下の11項目だ。

1,外貨預金(普通・定期)の月末残高あり
2,仕組預金の月末残高あり
3,SBIハイブリッド預金の月末残高あり
4,純金積立月末時点契約
5,給与、賞与、年金の月内入金
6,ローンの月末残高あり
7,カードローンの月末残高あり(50万円以上の場合は2つにカウント)
8,スポーツくじ購入、公営競技入金の月内合計2万円以上
9,ミライノ デビットの月末時点の確定金額が合計1万円以上(3万円以上は2つにカウント)
10,「ミライノ カード一般」(JCB)の引落口座に設定・当月確定。金額が1万円以上(5万円以上は2つにカウント)
11,「JAL Global WALLET」への円貨チャージの口座指定。月内合計金額が1万円以上(3万円以上は2つにカウント)

このうち、新しくクレジットカードやデビッドカードを作るのは手間がかかるだろう。しかし、「普通外貨預金の月末残高あり」「SBIハイブリッド預金の月末残高あり」「給与の月内入金」は簡単にできる。

また、以下の条件を満たすと2ランクアップする。

・「ミライノカード」クレジットカード各種、もしくは「ミライノカード」デビットカードの入会
・住信SBIネット銀行を引落口座に設定

外貨預金や株式投資をあまりしない人は、例えば5,000円だけ外貨預金をし、5,000円だけハイブリッド預金に入れ、給与振込口座に指定するだけで、月7回までATM出金手数料が無料、かつ月7回まで他行への振込手数料が無料になるのはお得度が高いはずだ。

楽天銀行の会員ステージと条件 残高の区分がSBIよりも細かく設定されている

楽天銀行ではステージが5つ用意されており、毎月25日の預金残高、または前月26日から当月25日までの取引状況でステージが判定される。どちらか高いほうのステージが、翌月に適用される仕組みだ。

ステージ ATM手数料
無料回数
振込手数料
無料回数
楽天ポイント
獲得倍率
スーパーVIP 月7回 月3回 3倍
VIP 月5回 月3回 3倍
プレミアム 月2回 月2回 2倍
アドバンスド 月1回 月1回 1倍
ベーシック 1倍

楽天銀行の優遇プログラムでは、ATM出金手数料や他行振込手数料が無料になる回数が増えるだけでなく、楽天ポイントの付与率もアップする。

それぞれのステージの適用条件は、以下のとおり。

ステージ 適用条件
スーパーVIP 残高300万円以上、または取引30件以上
VIP 残高100万円以上、または取引20件以上
プレミアム 残高50万円以上、または取引10件以上
アドバンスド 残高10万円以上、または取引5件以上
ベーシック エントリー

「取引」は、給与の受取口座指定や宝くじ購入も対象になる。給与取引口座指定で1件、宝くじ1口を月4回購入したら4件とカウントされる。

また、「ローン(フリーローン・目的別ローン)の借り入れ+楽天銀行口座を決済口座に指定」で、会員ステージが1ランクアップすることも覚えておきたい。

5,住信SBIと楽天銀行の付与ポイントを比較――資産形成なら住信、楽天会員なら楽天がお得

住信SBIネット銀行、楽天銀行ともに、銀行サービスを利用するとポイントが貯まる。前者は「スマプロポイント」が、後者は楽天の共通ポイントである「楽天ポイント」だ。

住信SBIネット銀行は外貨預金や給与受取口座指定でもポイント獲得

住信SBIネット銀行では、ポイント付与対象取引は楽天銀行ほど多くないが、ポイント付与率が高く、効率良くポイントを貯められる。外貨預金や仕組預金の月末合計残高が300万円以上であれば、100ポイントが毎月付与される。その上、給与や年金の受取口座に指定するだけで毎月30ポイントが付与されるのだ。

住信SBIネット銀行の「スマートプログラム」で貯まるスマプロポイント
優待内容 ・外貨預金、仕組預金月末合計残高で100ポイント/月
・「ミライノカード」月5万円以上利用で100ポイント/月
・給与受取で30ポイント/月
など、取引内容に応じてスマプロポイント付与
ポイント付与の対象 ・外貨預金、仕組預金
・「ミライノカード」の引落し
・給与、年金受け取り
・定額自動入金
・口座振替(銀行引落)
・外貨積立
・純金積立
ポイントの使い道 ・現金に交換
・JALのマイレージに交換

ポイントの用途が現金かJALマイレージへの交換に限定されているので、それで問題ないと考える人や、外貨預金あるいは仕組預金で効率的に資産形成をする予定がある人には、最適な口座になるかもしれない。

楽天銀行は振込や楽天edy使えば楽天ポイントを獲得できる

楽天銀行では、さまざまな状況でポイントがどんどん貯まる。楽天ポイントの使い道も幅広く、買い物から投資まで、さまざまな場面で利用できる。楽天会員(楽天ポイントユーザー)や楽天証券会員にとっては、非常に使い勝手が良いネット銀行だ。

楽天銀行の「ハッピープログラム」で貯まる楽天ポイント
優待内容 会員ステージに応じて、
楽天スーパーポイント獲得倍率アップ(1~3倍)
ポイント付与の対象 ・振込、入金
・各種支払い
・公営競技
・楽天証券(取引、らくらく入金、スイープ)
・楽天edy
・楽天ウォレット
・楽天銀行即時入金サービス
ポイントの使い道 ・楽天グループでの支払い
・振込手数料の支払いに使う
・デビットカードの支払いに使う
・楽天銀行専用少額あんしん保険の保険料支払いに使う
・プリペイドカードのチャージに使う
・外貨預金の預け入れに使う

このように、両行には多彩な優遇制度がある、これからネット銀行に口座を開設する人は、これらの優遇制度の内容も考慮に入れて、自分の利用状況や生活スタイルに合うネット銀行を選ぶといいだろう。

6,どちらを選ぶかはネット銀行の利用目的による

住信SBIネット銀行と楽天銀行は、証券との口座連携ができ、顧客属性も似通っている。しかし、主力商品やサービス、優遇特典などを見ると、それぞれのカラーが見えてくる。

住信SBIネット銀行は資産形成を重視した銀行であるのに対して、楽天銀行は日常生活で便利に使える銀行と言えるだろう。

どちらもネット銀行特有のニッチなサービスやこだわりの商品などがあるが、自分のライフスタイルや資金計画に適したネット銀行を選ぶと、よりメリットが大きくなるだろう。

執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

MONEY TIMES

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