「自分の時間がなくて、やりたいことができない」「色々と先延ばしにしたまま、月日だけが過ぎていく」……。このような「目標達成」に関する悩みを抱えて、日々悶々と過ごしている人は多いのではないでしょうか。
しかし、全国最年少(当時)で市議会議員に当選し、コンサルタントとして数々のプロジェクトを成功に導き、現在はAibnb Japan株式会社の執行役員を務める長田英知氏によれば、どんな目標も「100日」の実行計画を立てれば達成できる、と言います。
そこで今回は、そんな長田氏の著書『たいていのことは100日あれば、うまくいく。』(PHP研究所)の中から「目標達成している人の共通点」について語っていただきました。
年収が高いほど、目標達成している意識も高い
「ダイエットする」「試験に合格する」「貯金する」……この記事を読んでいる方はきっと今、何かの目標を達成しようと頑張っているか、あるいはこれから目標を立てようと考えているのではないでしょうか。複数の目標を追っていたり、1年の始まりにあたって目標を立てて絶対達成するぞ、という意欲に燃えている方もいらっしゃるかもしれません。
私たちは、目標を立てるとき、大なり小なり現状の自分に満足しておらず、新しい自分を実現したいと考えています。少し言葉を換えて言えば、目標を立てることを考えたとき、私たちは新たな自分になるための「節目」を迎えようとしています。
この「節目を迎えている」という状況をきちんと認識し、立てた目標を達成できる人は、人生における新たなステージに上がっていくことができます。
目標の達成と人生の充足度の関係を示す、ある調査についてご紹介したいと思います。
2016年末に、ニュースサイト『しらべぇ』編集部が全国20~60代の男女1365名を対象に「新年の抱負を毎年、年末まで覚えているか?」というアンケートを取りました。その結果によると、新年の抱負について記憶に留めている人は全体のわずか13.6%しかいないことが明らかになりました。
新年の抱負を立てるとき、人は達成に向けた強い思いを持っているはずです。しかし実際には、そのうちのほとんどの方は1年前に立てた目標について、思い出すことすらできないという状況になっているのです。
では逆に、どのような人が新年の抱負を年末まで覚えているのでしょうか? これについては面白い結果が出されています。
新年の抱負を覚えている人の割合を年収別にも集計してみると、年収300万円未満の人では、新年の抱負を覚えている人が10%を切っているのに対し、年収500~700万円未満、700~1000万円以上の人は、それぞれ20%の人が「新年の抱負を覚えている」と回答しているのです。これは大きな差であると言えるのではないでしょうか。
また、株式会社オプトが2015年に行った調査では、目標の達成率と個人の属性について、興味深い関係性が明らかにされています。全国の20~69歳の男女1000人を対象に行ったこの調査によると、「目標を立てて、80%以上達成した」と答えた人の比率が高かったのは、経営者・役員・管理職(11%)、個人年収800万円以上(11%)や、自分自身に「満足している」人(10%)、生活程度が「上・中の上」の人(10%)など、物理的・精神的に充足している人だったのです。
このように、年始に立てた目標を忘れることなく達成させることと、その人の人生の物理的・精神的な満足度の間には相関関係があるようなのです。年収や社会的地位が高いから目標を達成することが容易なんじゃないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、物理的・精神的に充足している人ほど低い目標で満足されることはなく、一般よりも高い目標を掲げ、達成しているという側面があるのではないでしょうか。