9月16日、スマホゲーム「モンスターストライク(以下、モンスト)」を運営するミクシィ <2121> の株価が年初来高値を更新した。後段で述べる通り、収益の柱であるモンストの好調を背景に通期業績予想を上方修正したことが追い風となったようだ。
モンストといえば、今年で配信7周年を迎えるスマホゲームだ。長年にわたって高い人気を得ているのは、ゲームそのものの面白さもさることながら、メディアミックスや多様なコラボ企画が功を奏している側面もある。特に今年は人気アニメ『鬼滅の刃』などとのコラボ企画が話題を呼び、業績を後押しした。
今回はミクシィの最新動向をリポートする。
『鬼滅の刃』コラボ企画等も話題に、株価は年初来高値
8月7日、ミクシィが発表した2021年3月期第1四半期(4~6月)決算は、売上が前年同期比41.3%増の293億円、本業の利益を示す営業利益は同4.7倍の74億円と大幅な増収増益となった。前述の通り、収益の大半を占めるモンストの売上が30%増加したことが寄与した。スマホゲームで重視される指標のMAU(月間アクティブユーザー数)で高水準を維持しながら、ARPU(ユーザー1人あたりの平均売上金額)を向上させたことが収益の上振れをもたらした。なお、ミクシィは第1四半期の好決算を受けて、通期予想を売上1000億円から1050億円に、営業利益を110億円から140億円にそれぞれ上方修正している。
モンストは2013年10月10日に配信をスタート、今年で7周年となる人気アプリである。中国をはじめとするアジア各国でも人気が高く、世界累計利用者数は5300万人を突破している。どんなに優れたゲームでも長期化すると伸び悩むものであるが、モンストはオンラインイベント、リアルイベント、動画配信、書籍発行、グッズ販売などメディアミックスを積極的に展開することで高い人気を維持しているようだ。
特に今年は2月に開催した人気アニメ『鬼滅の刃』との期間限定コラボが大ヒットした。反響は凄まじく、同コラボを発表した2月9日にはツイッターでトレンド入りを果たした。2月15日にはアップルのゲーム部門ランキング(無料ダウンロード部門)で首位に浮上、21日まで1週間連続でトップを維持している。
ちなみに、『鬼滅の刃』は週刊少年ジャンプで2016年2月から2020年5月まで連載していた吾峠呼世晴氏による鬼と人との戦いを描いた漫画作品である。シリーズ累計発行部数は単行本21巻の発売時点で8000万部を突破している。10月15日にには劇場版『鬼滅の刃』も公開予定だ。