コロナ禍にオリンピックの延期、新政権の誕生……。大きなニュースで連日にぎわった2020年の日本、今後はどのような方向に舵が切られるのでしょうか。「温室効果ガスの排出を2050年までにゼロにする」発言で注目を集めた菅首相の所信表明から、今後の日本の環境対策と経済への影響について考えてみましょう。

グリーン社会の実現に注力すると表明

温暖化対策
(画像=choat/stock.adobe.com)

2020年10月26日の所信表明で、菅首相はデジタル社会の実現や地方への取り組みとあわせて「グリーン社会の実現」に注力すると演説しました。2050年までには脱炭素社会の実現を目指すとして、温暖化への対策を行うとともに経済成長もかなえたいとのことです。

グリーン社会の実現のために、次世代型太陽電池や炭素リサイクルの実用化を促進させるといいます。菅首相はこの演説内で、再生可能エネルギーを導入するだけでなく、安定的なエネルギー供給のために原子力政策を進めると明言。「安全最優先」としながらも、原子力には多くの課題が山積していることから、グリーン化社会への道のりは険しそうです。

環境後進国日本の巻き返しなるか

世界各国が地球環境への取り組みを推進する中で、日本は「環境後進国」といわれ、挙句には、2019年の国連気候変動枠組条約第 25 回締約国会議(COP25)にて2度目の化石賞を受賞しています。

化石賞は「その日の交渉で最も後ろ向きな行動や発言をした国」に送られる不名誉な賞。2019年は、気候対策の強化や温室効果ガス排出削減目標の引き上げを行わなかったことが受賞の原因です。

脱炭素社会に向けて精力的に取り組む企業も多い

日本の環境対策に対して、国際社会から批判の声を浴びることもありますが、企業や自治体単位でみると先進的な取り組みを行う例が見られます。プラスチックを使わずに竹の繊維で学校給食用食器を製造する企業や動物性固形油脂燃料化装置を開発する企業など、二酸化炭素排出量の軽減や化石燃料に頼らないエネルギーの開発に取り組む企業は数多くあるのです。

国全体が協力して取り組むべき環境問題

投資家が「どれだけクリーンな環境に寄与できる企業か」を投資の判断としている今、脱酸素社会に向けた取り組みは企業にとって必須といえます。市民、自治体、企業、国それぞれが手を取り合って、環境問題に取り組まなければ菅首相の言う「温室効果ガスゼロ」には届かないでしょう。

菅政権で脱環境後進国となるのか、今後の動向に要注目です。(提供:YANUSY

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