不動産投資家、弁護士、格闘家で経営者でもある堀鉄平さん。都心の一等地に新築RCマンションを複数所有。投資総額約80億円でこれまでの売却益は25億円以上だという。不動産投資は、きちんと「勝ちパターン」を学んだうえで実践すれば、稼げる投資に変わるという。「闘う不動産投資家」堀鉄平さんに不動産投資のテクニックを聞いた。（取材文・大西洋平）
2004年10月に弁護士登録後、3年間の勤務弁護士時代を経て東京都港区にて独立開業し、現在は100社を超える大企業から中小・ベンチャー企業の債権回収業務や顧問を務める。依頼者のために相手方や裁判所と徹底して「闘う」ことを基本理念とし、所属弁護士・全事務職員にも理念を共有し、「闘いたい」と思っている依頼者の期待に応えるべく奮闘している。近年、グループ会社で宅建免許を取得し、東京都心部における不動産の再開発、沖縄や熱海におけるホテル開発に取り組んでいる。プライベートでは、ブラジリアン柔術をバックボーンとして総合格闘技の試合にも出場し、2008年3月より前田日明主催「THE OUTSIDER」に継続参戦中。2度の眼窩骨折の手術を乗り越え、現役を続行し、2011年5月よりRINGSとプロ契約。【MMA戦績：2008年-2014年プロ・アマ通算戦績 13勝10敗1分】
投資総額80億円に対し、
キャピタルゲインは25億円！
――これまでに堀さんが不動産に投じた総額や獲得したキャピタルゲイン、手元に入ってくる賃料収入はいどの程度に達しているのでしょうか？
投資総額は約80億円で、すでに売却した物件だけに絞ると数十億円ですね。得られたキャピタルゲインは合計で約25億円になります。ただし、これらの金額にはファンドとして友人と資金を出し合った案件も含まれています。
六本木、赤坂、南青山などといった都心の超一等地に新築RCマンションやオフィスビル、ホテルなども所有中で、それらの賃料収入が月額で約3000万円であるのに対し、ローンの返済額は約2500万円です。こうしてキャッシュフローが回っているので、賃料収入のことはあまり考えていません。
働き盛りの「資産拡大期」は
リスクを取って集中投資で攻める！
――都心の一等地がターゲットの中心とのことですが、特にどういった物件に狙いを定めているのでしょうか？
都心の住宅地の中でも、細い路地から奥に入った狭い土地のように、何らかの“凹み”が見受けられる物件です。建築基準法が定めた接道義務をどうにかクリアしているような小・中規模（100坪以内）の土地で、開発に知恵が必要となる分だけ割安に取得できます。しかも、この規模の土地に大手デベロッパーはほとんど興味を示さないので、まさしく穴場なのです。
一方で、こうした土地に新築RCマンションを建てると、REIT（不動産投資信託）や富裕層が買い手となってくれます。レジデンス（マンション）を投資対象としているREITは、都心・駅近・新築・レジという条件がそろった物件を好みがちです。
これぞと思う物件を見つけたら、私は指値もしません。下手に指値をすると買い逃してしまうような掘り出し物の物件を取得するようにしています。
賃料収入を目当てに長期保有を前提とする不動産投資が主流であるだけに、私のような投資手法はリスキーだと感じるかもしれません。しかしながら、そうやってリスクを取らない投資家が大勢を占めていることで、私のような積極的にリスクを取る投資家が儲かっているという側面があります。
私自身はまだ40代で人生の中では「資産拡大期」に当たりますから、リスクを承知で集中投資を続けていくことが最善だと思っています。所得税や相続税の節税や分散投資は、十分に資産を増やしてから始めればいいのです。もちろん、無防備にリスクを取っているわけではなく、そのマネジメント（コントロール）もきちんと行っています。
不動産投資の「勝ちパターン」と
投資哲学を学ぶスクールも開講！
――本職である弁護士業の傍ら、不動産投資のスクールも開講されたとのことですね。
不動産業者のセールストークに惑わされるとほとんど儲からない物件に手を出しがちですが、きちんと「勝ちパターン」を学んだうえで実践すれば、稼げる投資に変わります。そして、不動産は専門性の高い分野だと思われていますが、こうして基本を学んでおけば、要所要所でプロの力を借りて補うことが可能で、実際に私自身も設計事務所や不動産業者と綿密に連携を取っています。
そこで、不動産投資について体系的に学んでいただくための場として開講したのが「弁護士堀鉄平の不動産投資塾」です。弁護士法人とは別に宅建資格取得者を有するマーシャルアーツキャピタルを運営しており、同法人の事業として取り組んでいます。全6回の基礎講座では、投資哲学から投資戦略・税務対策まで堀鉄平の経験と実践から得られた知見を基に講義を行います。
講師と全塾生が参加できるオンラインサロンでは、具体的な投資案件についての情報交換や、金融機関の情勢や投資の最新情報などの提供が活発に行われています。さらに、優良な物件を仕入れるルートや、融資に積極的な金融機関の担当者、土地の最有効活用が描ける建築士などといった専門家を塾生に紹介しています。
受講料は一般塾生が年間100万円、物件の紹介を受けられるメンタリング塾生が年間200万円、オンライン塾生が年間60万円と高めの設定ですが、現時点で塾生数は210人に達しており、皆さんそれなりに資産をお持ちの方です。約半数は不動産投資の初心者で、経営者が多いのも特徴でしょう。不動産業者がパッケージ化した商品を勧めてきても、目が肥えているので投資妙味がないことを見抜いて無視してきた人たちなのです。単に物件を紹介するのではなく、そういった人たちに投資哲学などをきちんと学んでいただく授業内容となっています。
また、マーシャルアーツキャピタルでは「堀塾ちゃんねる（YouTube）」というコンテンツも配信するとともに、不動産投資家と専門家をつなぐマッチングサイト「不動産投資DOJO」を開設しています。同サイトは不動産投資に関する疑問や悩みを解決するコンテンツを多数そろえていますし、通常なら有料となる弁護士、税理士、司法書士、公認会計士、行政書士などの専門家への相談も、手続きは会員登録のみの完全無料で申し込めます。
「都心・ボロボロ」を「都心・ピカピカ」
にしてキャピタルゲインを得る
――本来なら授業料を払って拝聴すべきところですが、不動産における堀さん流の投資哲学について簡単に教えてください。
