近年、会社でお金を稼ぐだけでなく、副業や投資で収入を増やす、老後も安心できる資産を形成することが当たり前になってきた。

中でも株式投資は、自分にとって身近な企業への応援にもなり、株主優待が得られるなどのメリットもあるため、資産形成の有力な選択肢の一つになるだろう。株式投資を始めるにあたり「まずは株の買い方が知りたい」といった初心者のために、株の買い方も含めた株式投資の基本を解説する。

株はどこで買えるのか?

株,買い方
(画像=PIXTA)

株式投資は、まず株を購入しないことには始まらない。まずは株を買う方法を理解しておこう。

株は証券会社で買える

株は証券会社で購入することができる。証券会社が注文を取り次ぎ、証券取引所で株の売買が行われる仕組みになっている。

証券会社の種類は2種類

証券会社そのものは、300社以上あるといわれている。初心者がいきなり株を買おうと思っても、どの証券会社で買うべきか悩んでしまうだろう。

証券会社は、大きく分けて2つの種類がある。ネット上でやりとり可能な「ネット証券会社」と、対面での取引も可能な「総合証券会社」だ。

証券会社の選び方

数ある証券会社の中から自分にあった証券会社を選ぶためには、いくつかのポイントを理解しておくことが重要だ。証券会社を選ぶときのポイントをまとめた。

証券会社を選ぶポイント3つ

証券会社を選ぶときのポイントは以下の3つだ。

オリジナル画像

1つ目は、手数料が低いことだ。株は売買するたびに手数料がかかる仕組みとなっている。一度にかかる手数料が低ければ、総合的にコストを抑えることができる。一方で、「証券会社の手数料は、事務手数料だけでなく専門家のアドバイス料も含まれる」と考えることもできる。自分の知識や取引手法なども考慮して、手数料の低さだけで選ばないように注意した方がよいだろう。

2つ目は、投資情報の有無です。証券会社によっては無料で投資情報を展開しているところもあるが、より価値のある投資情報は有料にしている場合もある。株式投資で利益を生み出すためには、投資情報は必要不可欠だ。しかし初心者が自分で取りに行ける情報には限界があり、最適な情報を提供してくれる証券会社の力を借りない手はないだろう。なるべくコストを抑えたいのであれば、無料でも投資情報を多く展開している証券会社を選ぶのが得策といえるだろう。

3つ目は、取り扱っている金融商品の数だ。株式投資をスタートさせるには証券口座を開設する必要がある。証券会社で開設する口座は銀行口座のような貯金や振替入金、デビット機能などは使えないが、投資用口座として他の金融商品の運用にも活用できる。扱っている金融商品の数が豊富な証券会社であれば、選択肢が広がるだけでなく、他の金融商品へのチャレンジがしやすくなるだろう。

ネット証券会社

ネット証券会社は、取引が全てネット上で完結するタイプの証券会社だ。スマートフォンやPCから、いつでもどこでも手軽に取引が可能という点に加え、手数料が安いことは最大のメリットといえるだろう。会社によっては24時間営業しているところもある。

デメリットとしては、インターネットに不慣れだと使いにくい点だろう。また、株式投資の専門家から直接アドバイスしてもらいにくい、というのも初心者にとってはデメリットといえるかもしれない。

総合証券会社

対面型で株の売買取引が可能な総合証券会社は、基本的に営業担当がついてアドバイスをもらいながら取引することができる。対面ではもちろん、コールセンターが設けられており相談にのってくれるところもある点は、初心者には嬉しいポイントだ。

デメリットとしては、ネット証券に比べて手数料が高めに設定されているという点が挙げられる。また対面での相談や取引が平日の日中と時間が限られてしまうので、自分で取引時間を自由に選びにくいという点もある。

株初心者におすすめのネット証券ランキング

初心者にとって扱いやすい、手数料の安さやサポートの手厚さに注目してピックアップしました。初めて株式投資をスタートする人は、まずここから選んでみてください。

証券会社 手数料 少額投資 おすすめポイント
10万円 50万円 100万円
初心者におすすめネット証券1位1位
SBI証券
◎
無料
※1
◎ 手数料、IPO、外国株
全てトップクラス
初心者におすすめネット証券2位2位
楽天証券
◎
無料
※2
◯
943円
※2
× 楽天ならではの
ポイント制度が充実
初心者におすすめネット証券3位3位
松井証券
◎
無料
△
1100円
× 手厚いサポートで
初心者でも安心
4位
マネックス証券
△
110円
△
495円
△
1100円
◎ 米国株取扱数No.1
IPOの実績も◎
5位 ライブスター証券(新:SBIネオトレード証券) ○
96円
○
265円
◎
479円
× 高額取引の手数料でも
手数料上限880円
(PR) LINE証券 △
176円
※3
△
484円
※3
○
869円
※3
◎ LINEアプリから
株の売買ができる
  1. ※2020年10月現在
  2. ※1. アクティブプランの場合
  3. ※2. いちにち定額コースの場合
  4. ※3. 買付は無料、売却のみ手数料がかかる。

証券会社 手数料 少
額
投
資
おすすめポイント
10
万円
50
万円
100
万円
初心者におすすめネット証券1位1位
SBI証券
◎
無料
※1
◎ 手数料、IPO、外国株 全てトップクラス
初心者におすすめネット証券2位2位
楽天証券
◎
無料
※2
◯
943円
※2
× 楽天ならではのポイント制度が充実
初心者におすすめネット証券3位3位
松井証券
◎
無料
△
1100円
× 手厚いサポートで初心者でも安心
4位 マネックス証券 △
110円
△
495円
△
1100円
◎ 米国株取扱数No.1、IPOの実績も◎
5位 ライブスター証券(新:SBIネオトレード証券) ○
96円
○
265円
◎
479円
× 高額取引の手数料が格安!
(PR) LINE証券 △
176円
※3
△
484円
※3
○
869円
※3
◎ LINEアプリから株の売買ができる
  1. ※2020年10月現在
  2. ※1. アクティブプランの場合
  3. ※2. いちにち定額コースの場合
  4. ※3. 買付は無料、売却のみ手数料がかかる。

株投資家のコメント

証券口座を開設するまでの流れ

株式投資をスタートするには、口座開設が必要不可欠だ。具体的な方法を確認しておこう。

基本的な手順

初めての口座開設で不安があるようなら、総合証券会社の窓口で相談しながら口座開設を進めるのがよいだろう。電話で申し込みを受け付けているところもある。しかし窓口に行く余裕がないということであれば、大半がネット上で完結できるネット証券会社が便利だろう。

口座を作りたい証券会社のホームページから、手順にしたがって必要事項を記載する。後日口座開設書類が送られてくるので、本人確認書類などの必要書類を合わせて郵送、数日後に口座が開設され、必要なIDとパスワードが送られてくるのが基本的な流れだ。

ネット証券の申し込みの場合、近年では本人確認書類などもデータをアップロードするだけで提出できるところも増えてきている。最短で即日に口座開設、取引をスタートさせることも可能となっている。

必要書類

口座開設に必要なのは、基本的に下記の4点だ。

①マイナンバー(個人番号)確認書類
②本人確認書類(運転免許証、各種健康保険証、各種年金手帳、パスポート等)
③印鑑
④金融機関口座

会社によっては、顔写真がついているマイナンバーカードのみ提出でも口座開設が可能としているところもある。特に①と②は会社によって若干異なることもあるので、事前にきちんと確認しておいた方がよいだろう。

株式市場は24時間営業ではない

株式市場は営業時間が決まっており、株の売買ができる時間は限られている。

取引所によって異なる

東京証券取引所の取引時間は、月曜から金曜日の午前9時から11時半まで、12時半から15時までの2回に分かれている。これ以外の時間帯は市場も閉まっているので、注文することはできない。ネット証券であれば注文だけはできるが、実際に取引が実行されるのは市場が開いている時間帯になる。たとえば、金曜日の16時に注文をすれば、翌週月曜の午前9時になってようやく取引が実行される。

証券取引所は東京のほかに名古屋と福岡と札幌にあるが、東京以外の3ヵ所は15時半まで市場がオープンしている。また、アメリカの株式市場はお昼休みを挟まずオープンしているなど、取引所によって取引できる時間帯は若干異なっている。

ネット証券は24時間営業のところも

証券取引所は営業時間が決まっているが、ネット証券を扱う証券会社の場合、24時間営業しているところもある。取引所の営業時間外でも注文でき、サポートスタッフの対応もある。ただし、あくまでも注文が成立するのは市場がオープンしている時間帯になるので、注意が必要だ。

株の選び方

株を買う前に、基本的な株の選び方を知っておいた方がよいだろう。株式には種類があり、それぞれ異なる投資スタイルに適している。

株式投資のスタイルを決めよう

まずは株式投資のスタイルを決めた方がよいだろう。株の購入の仕方によって得られるメリットは異なるため、どれを狙うのか決めるということだ。株の購入で利益を得る方法は、大きく分けて3つある。

株式投資,利益
(画像=編集部作成)

1つ目は売却益を狙う方法だ。通常の小売店のように、保有している株を購入したときより高い金額で売ることができれば、差益を得ることが可能となる。「キャピタルゲイン」「譲渡益」ともいう。

2つ目が株主優待だ。株式会社が株主に対し、保有する株数や保有する年数に応じて、自社の割引券や特産品を贈呈することをいう。自分の好きなブランドや商品を扱っている会社の株式を持っておけば、自分の好きな商品を格安で入手することもできるだろう。株主優待制度は任意なので、実施している会社と実施していない会社がある。

3つ目は配当金だ。株式会社が事業で得た利益の一部を株主に還元するお金のことだが、基本的に金額は一定ではない事業が好調なときや会社設立記念で増額されることもあれば、業績不振だと配当金もまったく出ないということもある。

売却益を狙うなら「割安株」を探す

売却益を狙いたい人は、割安株を選ぶのがおすすめだ。

「バリュー株」とも呼ばれる割安株は、業績が好調なのにもかかわらず株価に反映されておらず、割安な銘柄の株のことをいう。将来的に株価が上がることを見込んで購入するので、ゆくゆくは売却益を狙える中長期的な投資スタイルといえるだろう。

会社の財務状態や業績を注視しておく必要があるが、具体的には「株価収益率(PER)が同業他社に比べて低い」「株価純資産倍率(PBR)が1倍より低い」といった特徴を見極めるのがポイントだ。

将来的な成長が見込める「成長株」

比較的株価は高くなるが、その分将来的な成長が見込める成長株「グロース株」だ。景気動向に左右されにくい最先端の技術や独自の技術、特許などを持っている企業であることが多い。見分け方としてはPERが市場平均に比べて高めであることや、投資効率をあらわすROEが高いこと。さらに、よく見かける商品やサービスを扱っている企業であるという点を押さえておくとわかりやすいだろう。

少額から始めるなら「低位株」

少額投資でスタートしたい人には、低位株がおすすめだ。明確な定義はありませんが、1株500円未満、100株あたりの投資金額5万円以下といった投資水準の低い企業は低位株といえるだろう。

あまり注目されていない企業であることが多いため取引量は少なく値動きも少ないため、初心者がスタートする上で扱いやすいというメリットがある。しかし上場廃止のニュースが流れるなどすれば一気に株価が暴落する可能性も高いので、注意が必要だ。

買う数、金額を決める

購入する株を選んだら、購入する株数と金額を決める。

原則として、日本株の売買単位は100株からと決まっている。1株1,000円の株式の場合は、10万円が必要になる計算だ。

しかし近年では、単元未満でも購入できる証券サービスが増えてきており、1株から購入できたり、金額を指定して購入したりすることができる。500円や3,000円といった金額でもスタートできるので、まずはお試しでやってみたいという人にも取り組みやすくなってきている。

注文の出し方~成行注文と指値注文の違い~

株式の注文方法には、大きく分けて成行注文と指値注文がある。

成行注文

値段を指定せずに決済する注文方法を成行注文という。成行買い注文を出すと、その時の相場でもっとも低い価格の売り注文に対応し、即注文が決まる仕組みだ。逆に成行の売り注文を出すと、その場でもっとも高い金額で決済が完了します。ただし決済のタイミングがずれると、株価が変動して最適な金額にならないこともある。

指値注文

自分で売買の金額を決めて取引する方法です。買い注文であれば指値の金額以下、売り注文であれば指値の金額以上の株価のとき、取引が成立するのが特徴だ。自分の希望した金額で取引できるのがメリットである一方で「売買のタイミングを逃してしまう可能性がある」というデメリットもある。

買い注文の成立までが株の購入

買い注文が成立することで、ようやく株の購入が完了したといえる。注文が成立するための条件を確認しておこう。

時間優先の法則

株式売買の成立を約定(やくじょう)という。約定には優先順位があり、「買い方」「価格」「時間」となっている。

買い方については、指値注文であれば当然指定した金額以下でなければ取引は成立しない。一方、成行注文は金額を指定せず、安く発注されている売り注文があれば約定されるので、同時期に注文があった場合は指値注文より成行注文が優先されることになる。価格についても、当然買い注文では安い方が優先的に約定される。

時間に関しては「時間優先の法則」がある。これは同時に同額の注文が入った場合は先に入った注文のほうが優先される法則だ。株式投資のプロはうまく活用し、自分が約定したくないときは注文を出し直して、敢えて時間の優先順位を下げるといったテクニックを使うこともあるという。

オークション方式

文字通り、オークションのように株価が上がっていく方式。お互いの注文金額を見ながら、今注文している金額より高値で約定したいのかを見定めて、適当な株価になったところで約定される。注文を出してくるほかの人の心理を読みながらすすめるため、根気が要るが、時間優先の法則と組み合わせれば自分の希望通りの価格で約定することも不可能ではない

ストップ高で不成立に?

株式投資をしていると、ストップ高で取引不成立となることがある。これは値幅が制限されているところに注文が殺到し、時間優先の法則で約定されていった結果、あまった注文が無効になってしまうというパターンだ。そう頻繁におこることではないですが、資金力があれば防ぐことができる。

売り時を逃さないためのポイント

株を買うよりも株を売る方が難しいと言われています。 株を買った後、その株を持ち続けるのか、売るのかを見極める必要があります。 売り時を逃してしまうと、損失を計上してしまう可能性もあります。

株価が上昇傾向にあるときには「まだもう少し上がるのではないか」「もう少し利益を得たい」という心理が働くからだ。しかし待っているうちに株価が下がってしまい後悔することもあるます。 売り時を逃さないようにルールや目安を決めておくとよいでしょう。 実際にどんなルールなどがあるか例を紹介します。

目標株価を決める

「株価がいくら(何%)上がれば売る」「株価がいくら(何%)下がったら損切りする」などのルールを事前に決めておく。この価格の事を「目標価格」と言います。 目標株価を決めていないと心理面から株を売ることが出来なくなったりしてしまうことがあるので注意しましょう。

ツールのアラート機能を使う

証券会社が提供しているアラート機能で事前に売りたい価格を登録しておくことも方法の一つです。目標株価同様に株価を気になってしまいがちですが「アラートがなければ放っておく」「アラートが鳴れば売る」と決めておくことで心理面の影響から左右されることが無くなります。

株価のチェック

株を買った後は、毎日株価のチェックをしましょう。 株価が大きく動く場合などもあるので、売り時を逃さないように定期的にチェックしましょう。 ただ株式投資を始めて、自分の持っている銘柄の動きがきになり、一日何回もチェックしがちです。株価のチェックをしすぎると、少しの変動で一喜一憂しやすくなります。定期的にチェックすることは大事ですがチェックしすぎは気をつけましょう。

最初は資金どれくらいから始めるべきか?

株式投資をはじめるときには、資金は最低でも10万円程度はほしいところだ。前述したように、1株1,000円の株式を購入するには100株購入する必要があるため、10万円程度の金額が必要になる場合が多いからである。

しかし近年では単元未満株の購入ができるサービスもあり、少額からスタートしたいのであれば、3,000円からでもスタートできる。ただ当然のことですが、株式投資でかならず儲かるとは限らない。損失が発生したときのことも考えて、ある程度のまとまった資金を用意しておくべきだろう。

初心者におすすめの投資方法

初心者がと株式投資をはじめるときに、おすすめの投資方法を紹介しよう。

●ミニ株

SMBC日興証券などが実施しているサービス。正式名称は「株式ミニ投資」で、単元株数の10分の1から購入可能。通常の株式投資と同様に、配当金や株主優待を受けることもできる。

単元未満株

ミニ株よりも少ない、100分の1や1000分の1といったより細かい単位での取引が可能。同様に配当金や株主優待を受けることができ、1株からでも購入できる。

るいとう(株式累積投資)

毎月定額で株式を購入し続ける方法。条件は各証券会社によって異なりますが、たとえば1銘柄について1万円以上で1,000円単位で価格を自由に設定でき、毎月自動で購入・積み立てしてくれる。

焦る気持ちを抑えて、まずは基本から

株式投資をはじめれば、利益を得たくて焦ることもあるだろう。しかし、焦らず基本から取り組むことが重要になる。

まず、一度に大金を投資する集中投資や資金を超える取引は避け、最初はコツコツと小さな金額からはじめていくべきだろう。また、ときには損切りする勇気も大切だ。特に初心者は「まだいけるかも」と期待してしまいがちで、損切りのタイミングを逃して大損をしてしまうことも少なくない。コツをつかむまでは大きな利益を狙いすぎず、小さな利益と成功体験を積み重ねていくのが基本となる。