一般NISAの購入商品として市場規模の大きい海外ETFを購入したい人もいるだろう。海外ETFは為替リスクや海外のルールも絡んでくるため、投資初心者は特に理解が必要だ。今回は、海外の取引所に上場するETFを海外ETFと定義し、NISAで海外ETFを購入する際のメリットやデメリット、おすすめ銘柄などを紹介する。

1.一般NISAでETFを買うのにおすすめのネット証券ランキングTOP5

まずは一般NISAでETFを購入する場合におすすめのネット証券のTOP5を紹介しよう。国内ETFのみに投資を行う場合、大きな差はないが、海外ETFとなると各社で違いが出てくるので、確認をしておいてほしい。

一般NISAでETF購入がおすすめのネット証券

国内ETFの
NISA取扱い
国内ETF
の売買手数料
海外ETFの
NISA取扱い
米国ETFの
買付手数料
米国ETFの
売却手数料
ポイント
1位 SBI証券
全銘柄

無料

4ヵ国
米国302銘柄
香港30銘柄
韓国2銘柄
シンガポール5銘柄

無料

約定代金×0.495%
・海外ETFの
取扱国数は最多
・海外ETF
(シンガポール
ETF以外
)の買付手数料無料
2位 楽天証券
全銘柄

無料

3ヵ国
米国319銘柄
香港31銘柄
シンガポール12銘柄

無料

約定代金×
0.495%
・海外ETFの
取扱国数は
SBI証券に次ぐ3ヵ国
・SBI証券では
対象外となる
シンガポールETFも
買付手数料無料
3位 マネックス
証券

全銘柄

無料

2ヵ国
米国311銘柄
香港28銘柄

無料

約定代金×0.495%
・米国、香港の
主要海外ETFを
取り揃える
・買付手数料無料
4位 DMM.com
証券

全銘柄

無料

1ヵ国
米国93銘柄

無料

無料
・海外ETFの
取扱いは米国のみだが、
売却時も手数料が無料
5位 松井証券
全銘柄

無料
×
取扱いなし
× × ・国内ETFへ
投資する場合は
上位4社と遜色ない
・海外ETFの取扱いはない
※SBI証券、楽天証券、マネックス証券、DMM.com証券、松井証券のホームページより引用、2021年6月7日時点

海外ETFの売買手数料体系は各社とも国によって異なる。表内ではもっとも取扱いの多い米国ETFの売買手数料率のみ記載した。その他の国の手数料率については、各社のホームページで確認してほしい。

楽天証券やマネックス証券の米国ETFの買付手数料無料はキャッシュバック方式であり、一旦買付手数料を支払った後でキャッシュバックされる。

なお、国内ETFは東京証券取引所に上場する国内籍のETFであれば各社とも全銘柄が対象だ。

2.一般NISAではどんなETFが買えるのか

一般NISAとは?
NISAは投資にかかる税金を非課税にする制度であり、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類がある。一般NISAは年間120万円の投資枠の中であれば、上場株式などの対象商品から得られる配当金や分配金、譲渡益にかかる税金が5年間非課税になる。

一般NISAの対象になる商品
・国内上場株式(REIT含む)
・投資信託
・国内ETF
・海外上場株式(REIT含む)
・海外ETF

ETFとは?
ETFは「Exchange Traded Funds」の略で、日本語で「上場投資信託」と訳される、投資信託の種類の一つ。 出典:投資信託協会『ETFってなんだろう?』

ETFと投資信託は、複数の投資家から資金を集めて運用会社が運用を行い、投資の成果が投資家に直接還元されるという仕組みは変わらない。ETFと一般的な投資信託の違いは、ETFが上場している点だ。

ETFと投資信託の違い

ETFと投資信託の2つの違い
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

ETFと投資信託の違い
・⑴ETFはリアルタイムで売買できるが投資信託は注文後に決まる単価でしか売買できない
・⑵一般的にETFのほうが投資信託よりも信託報酬が安い傾向にある
・⑶ETFは株式と同様の売買手数料が発生し、投資信託は銘柄によって手数料体系が異なる

信託報酬とは?
投資信託やETFは運用会社に運用をお任せする商品だが、その運用や資金の管理などにあてられる費用を信託報酬と呼ぶ。信託報酬は運用資産の中から一定の割合で差し引かれることになるので、信託報酬が高いと運用効率は悪くなる。

・⑴ETFと投資信託の売買方法の違い
ETFは証券取引所に上場しているため、市場の動向を見ながらリアルタイムで売買を行うことができる。株式と同様に指値で発注することもできるので、いくらになったら売買したいといったニーズにも対応可能だ。一般的な投資信託の基準価額は基本的に1日に1回のみ計算され、発注後に決まる基準価額での取引になる。

・⑵ETFと投資信託の信託報酬の違い
ETFは一般的に投資信託よりも信託報酬が安い傾向にある。信託報酬は運用会社のほか、財産を管理する信託銀行や販売会社にも一定率が支払われる。ETFの場合は、市場から直接購入するため、販売会社に支払う信託報酬がかからないことが理由だ。

・⑶ETFと投資信託の売買手数料の違い
ETFの売買手数料は株式へ投資する場合と同じだ。ETFは株式投資と同様に、取引所に注文を取り次ぐ証券会社への売買委託手数料が発生する。投資信託は銘柄ごとに手数料体系が決まっており、買付時に手数料が発生するものや、売却時支払う信託財産留保額というコストがかかる投資信託もある。

ETFは上場しているためリアルタイムで価格が変動するので投資信託よりもややハードルが高く感じるかもしれませんが、ETFへの投資経験は大きな財産になります。特にNISAの場合、ETFの売買手数料がかからないという金融機関も多いので、投資初心者でも積極的にチャレンジしてみましょう。

一般NISAで買えるETFは金融機関ごとに異なる

東京証券取引所に上場するETFは、243銘柄だ(2021年6月3日時点、出典:日本取引所グループ『現在の上場ETF銘柄数』)。これらは、すべて一般NISAの対象になる。

さらに一般NISAの規約では、原則として海外ETFもすべて対象だ。

海外ETFとは?
海外ETFとは海外の証券取引所に上場しているETFである。海外ETFは国内ETFに比べて市場規模や種類が圧倒的に大きく、米国だけでも2,200本以上のETFが上場している(2020年)。

ただし、実際は金融機関ごとに一般NISAで購入できる海外ETFの範囲が設定されています。

主要ネット証券の一般NISAにおける海外ETF取扱い状況は、以下のとおりだ。

取扱国数 取扱国
SBI証券 4ヵ国 米国・香港・韓国・シンガポール
楽天証券 3ヵ国 米国・香港・シンガポール
マネックス証券 2ヵ国 米国・香港
DMM.com証券 1ヵ国 米国
松井証券 取扱いなし 取扱いなし
auカブコム証券 取扱いなし 取扱いなし
岡三オンライン証券 取扱いなし 取扱いなし
※SBI証券、楽天証券、マネックス証券、DMM.com証券、松井証券、auカブコム証券、岡三オンライン証券のホームページより引用、2021年6月3日時点

金融機関によって、取り扱うETFが違うことがわかる。

海外ETFを取り扱っていてもNISA口座での買い付けは認めていない金融機関もあるため、事前に金融機関の方針を確認しておきましょう。

海外ETFを取り扱っている金融機関は限られていますが、国内ETFよりもバラエティに富んでおり、運用面でも魅力的な商品が多いのが特徴です。

3.一般NISAで海外ETFを買う3つのメリット

NISAで海外ETFを買うメリット
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

一般NISAで海外ETFを購入する場合、具体的にどのようなメリットがあるのだろうか。

海外ETFのメリット
1, 市場規模が大きく商品ラインアップも豊富
2, 信託報酬が割安で時価総額が大きい商品が多い
3, 一般NISAで買うと買付手数料が無料になるキャンペーンもある

メリット1……海外ETFは市場規模が大きく商品ラインナップも豊富

国内ETFと比べて海外ETFは市場規模が非常に大きく、数多くの選択肢の中から投資対象を選べる。海外ETFに投資する最大のメリットは、その大きな市場規模と豊富な商品ラインナップだ。

・ETF市場の7割を占める米国ETFに対し日本のETFはわずか6%しかない
ETFの運用残高は、2020年末時点で約7兆9,920億ドル(約879兆円)(※イギリスの調査会社「ETFGI」による)。内訳は米国ETFが約5兆4,670億ドル(約601兆円)と、実に7割を占める。一方日本のETFは約5,340億ドル(約59兆円)で、世界的なシェアはわずか6%程度しかない。

・米国では2,000本を超えるETFが上場
国内ETFと海外ETFは、銘柄数も大きく異なる。国内ETFの本数は200本程度だが、米国には2,200本を超えるETFがある。欧州市場にも1,800本超のETFがあり、国内ETFの銘柄数は海外ETFと比較すると非常に少ないことがわかる(※2020年末時点)。

一般NISAで国内ETFのみを検討する場合は、世界のETF市場のわずか数%の中から選ぶことになりますが、海外ETFを選択肢に含めれば、選択肢は一気に増えるでしょう。

メリット2……海外ETFは信託報酬が割安で時価総額が大きい商品が多い

海外ETFの市場規模は、非常に大きい。国内ETFと比べて、スケールメリットを活かした特徴的な商品が数多くある。国内ETFにはない特徴を持つ商品があることも、海外ETFに投資するメリットと言えるだろう。

日本のETFの時価総額は全世界のわずか6%程度しかないが海外ETFの中には1つの銘柄で時価総額が数十億円の規模を誇る銘柄もある。規模の違いがスケールメリットとなり、信託報酬の安さにもつながるのである。

海外ではETF投資が日本よりも盛んであり、コスト競争も日本以上に熾烈です。そういった商品へ日本から投資をできるというのが海外ETF投資の大きな魅力です。

メリット3……一般NISAで買うと買付手数料が無料になるキャンペーンもある

原則として海外ETFは海外市場で購入する。そのため売買手数料が国内のETFや株式を購入する場合と比べ、割高になるケースが多い。

しかし一般NISAで海外ETFを購入する場合、ネット証券会社などを中心に買付手数料を無料とするキャンペーンを行っているところがある。

2021年6月時点で一般NISAによる海外ETFの購入にキャンペーンを行っている主要ネット証券は次の4社だ。

キャンペーン内容 備考
SBI証券 一般NISAでの海外ETFの
買付手数料無料
売却手数料は発生
シンガポールETFは対象外
楽天証券 一般NISAでの海外ETFの
買付手数料無料
(全額キャッシュバック)
売却手数料は発生
マネックス証券 一般NISAでの海外ETFの
買付手数料無料
(全額キャッシュバック)
売却手数料は発生
DMM.com証券 買付・売却手数料共に無料 取引は円貨決済のみとなるため、
為替手数料は必要
※SBI証券、楽天証券、マネックス証券、DMM.com証券ホームページより引用、2021年6月3日時点

こうしたキャンペーンを活用すれば本来よりも低コストで海外ETFを購入できる。ただし売却手数料や為替手数料がかかってしまうのには注意が必要だ。

4.一般NISAで購入できるおすすめETF5選

一般NISAで購入できるおすすめの海外ETFを5銘柄紹介しよう。国内ETFにはない規模感やコストの低さを確認してほしい。(※データはすべて2021年6月2日時点)

一般NISAで購入できるおすすめETF5選
・バンガード®️・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
・バンガード®️・S&P500 ETF(VOO)
・バンガード®️・トータル・ストック・マーケット ETF(VTI)
・SPDR®️ S&P 500®️ ETF(SPY)
・iシェアーズ・コア米国総合債券 ETF(AGG)

バンガード®️・トータル・ワールド・ストック ETF(VT)……約8,000銘柄に投資しながら信託報酬がわずか0.08%のETF

・純資産総額……214億ドル(約2兆3,540億円)
・信託報酬……0.08%

米国の「バンガード®️・トータル・ワールド・ストック ETF(VT)」は先進国、新興国を問わず世界中の株式に投資しており、投資対象は約47ヵ国、銘柄数は約8,000銘柄に上る。投資銘柄数もさることながら信託報酬に当たる経費率はわずか0.08%と非常に低い。

たった0.08%のコストで世界中の株式に投資できるという、非常に魅力的な商品です。

バンガード®️・S&P500 ETF(VOO)……米国主要企業へ0.03%のコストで投資できる

・純資産総額……2,259億ドル(約24兆8,490億円)
・信託報酬……0.03%

米国の「バンガード®️・S&P500 ETF(VOO)」は米国の主要株価指数S&P500へ投資を行うシンプルなETFである。注目すべきは信託報酬の低さだ。わずか0.03%のコストで投資ができる。時価総額も25兆円に迫る規模であり、海外ETFの代名詞と言える。

信託報酬0.03%、100万円あたり300円のコストで米国主要企業へ投資ができるすばらしいETFです。

バンガード®️ ・トータル・ストック・マーケット ETF(VTI)……米国の中小型株も含めて0.03%のコストで投資できる

・純資産総額……2,446億ドル(約26兆9,060億円)
・信託報酬……0.03%

米国の「バンガード®️・トータル・ストック・マーケット ETF(VTI)」は先ほどのVOOに加え、米国内の中小型まで投資対象を広げたETFだ。投資銘柄数は3,000銘柄を超えており、米国中へ投資が行える。信託報酬もVOOと同じ0.03%と極めて低い。

VOOが大型株専門ならVTIは中小型まで含めて分散効果が高い点が特徴です。リスクを取りたい人はVTIを選択肢に入れてみてもよいでしょう。

SPDR®️S&P 500®️ETF(SPY)……時価総額40兆円に迫る巨艦海外ETF

・純資産総額……3,596億ドル(約39兆5,560億円)
・信託報酬……0.09%

米国の「SPDR®️ S&P 500®️ETF(SPY)」は純資産総額が40兆円に迫る米国第1位のETFだ。投資対象はS&P500である。1993年から運用を続けており、米国で上場された最初のETFでもある。

国内ETF市場の純資産総額は約59兆円なので、このETFは日本のETF市場の6割超にあたる純資産総額をたった1本抱えていることになります。

iシェアーズ・コア米国総合債券 ETF(AGG)……債券ETFの代表格

・純資産総額……874億ドル(約9兆6,140億円)
・信託報酬……0.04%

米国の「iシェアーズ・コア米国総合債券 ETF」は知名度の高い債券ETFだ。投資対象は米国の投資適格債券であり、米国の国債や社債へ分散投資を行う。信託報酬も0.04%と極めて低く、リスクを抑えたい時には重宝する海外ETFだ。

海外ETFの特徴の一つに債券ETFの選択肢が多いという点があります。一般NISAで債券ETFへ投資をしたい場合は海外ETFも視野に入れるとよいでしょう。

5.一般NISAで海外ETFを買う4つのデメリット

NISAで海外ETFを買デメリット
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

海外ETFには国内ETFにはないメリットがあり、一般NISAで海外ETFに投資すれば、手数料が優遇されるケースもある。一方で、海外ETFを一般NISAで購入する際のデメリットもあるので注意したい。

デメリット1……一般NISAで購入しているにもかかわらず海外ETFの分配金に税金がかかる

一般NISAで海外ETFへ投資を行う際のデメリットに、NISA口座で購入したにもかかわらず分配金には税金がかかってしまう点がある。

海外ETFの場合、分配金には海外で源泉徴収による課税が行われた後、国内で源泉徴収される。いわゆる二重課税と呼ばれるものが発生する。

二重課税とは?
二重課税は海外の金融商品へ投資する際に、現地の法律に基づく税金と日本の法律に基づく税金を二重に課税されてしまうこと。金融商品の税金は源泉徴収されるケースもあり、海外で源泉徴収された分配金などに対して日本でも税金が発生してしまうと二重課税になる。

NISAで非課税となる税金はあくまでも日本の法律に基づく税金のみである。海外の源泉徴収分については、日本のNISAのルールは適用されない。

そのため、NISA口座で購入しているにもかかわらず、海外の法律に基づく税金は源泉徴収されてしまうことになります。米国ETFであれば、その税率は10%です。

本来であれば、二重課税になる外国での源泉徴収額分については、「外国税額控除」という制度に基づき、確定申告を経て、日本の所得税や住民税から控除することが可能だ。

外国税額控除とは?
二重課税となってしまった場合に、海外での源泉徴収された税額に基づく一定の金額を所得から差し引くことで国内での課税を減らし、二重課税を是正する制度。確定申告を通じて手続きを行う必要がある。

譲渡益については、そもそも海外での源泉徴収はされないため、一般NISAで購入した場合は税金がかかることはない。

しかし、NISA口座で購入している商品の損益は確定申告の対象外になるため、NISAでは「外国税額控除」の適用を受けられず、外国で源泉徴収された税金が必ずかかります。

NISA口座で海外ETFを購入する場合には、このようにやや複雑な処理が行われ、分配金に税金がかかるので注意しましょう。

デメリット2……外貨取引のため為替リスクとコストがかかる

海外ETFは海外市場で外貨での取引を行うため、一般NISAで海外ETFを購入する際には為替リスクが必ず絡むので注意したい。

外貨を購入する際には、為替手数料も発生します。

例えば、買付手数料が無料の海外ETFを100ドル購入する場合、既に100ドルを持っている人であれば手数料はかからない。しかし、日本円しか持っていない人は日本円を100ドルに両替しなければならず、その際に為替手数料が発生する。

為替手数料はスプレッドという形で示され、基準の為替相場よりもスプレッド分、不利な条件で両替を行う必要がある。

基準の為替相場が1ドル=110円、スプレッドが1円だとすると、100ドルを得るには1ドル=111円で取引を行うことになり、1万1,100円必要だ。このスプレッド分多く支払った100円が為替手数料となる。

海外ETFを一般NISAで購入した際に発生する為替差益も外国税額控除の対象外です。

為替差益は雑所得になるため、条件や金額によっては確定申告が必要になる可能性もあります。海外ETFでは、そういったコストを念頭においておきましょう。

デメリット3……国内ETFと比べ情報を得るのが難しい

海外ETFは海外市場に上場しているETFであるため、国内ETFや国内株式と比べ、情報を得るにも労力が必要だ。

証券会社では海外ETFの取扱銘柄ごとにファクトシートと呼ばれる簡単な情報提供資料を用意している。しかし詳しい商品の中身等を調べる場合は、海外の運用会社のホームページへアクセスする必要がある。

取引時間についても注意が必要だ。海外取引は、海外市場が開いている時間に取引を行う必要がある。主な海外市場の取引時間(日本時間)は次のとおりだ。

・米国(ニューヨーク証券取引所)……夏22:30~5:00、冬23:30~6:00
・米国(NASDAQ)……夏22:30~5:00、冬23:30~6:00
・香港(香港証券取引所)……10:30~13:00、14:00~17:00 1v2

1 プレオープニングセッション10:00~10:30、クロージングオークションセッション17:00~17:10でも株価は変動
2 プレオープニングセッション9:30~10:00、プレクロージングセッション18:00~18:04でも株価は変動

海外ETFの場合、市場価格のブレもあるため、相場を見ながら取引をするには、自身のETFの売買可能時間を十分に確保しておかなければなりません。

デメリット4……一般NISAで海外ETFを購入できる証券会社が限られている

海外ETFを一般NISAで購入する場合、証券会社はかなり限られてしまうのもデメリットである。

海外ETFを一般NISAで購入できる証券会社例
・SBI証券
・楽天証券
・マネックス証券
・DMM.com証券

別の証券会社にNISA口座を保有している場合、そもそも一般NISAで海外ETFを購入することができない点にも注意したい。

6.2024年からの新NISAで海外ETFは買えるのか

現行のNISA制度では、非課税投資可能期間は一般NISAでは2023年まで、つみたてNISAでは2037年までだ。

2019年末に閣議決定された「令和2年度税制改正大綱」で、これらの非課税投資可能期間を5年延長する方針が示された。一般NISAは、投資枠を2階建てとする新NISAへ移行することになる。

新NISAにおいて、ETFはどのような扱いになるのだろうか。

新NISAとは

新NISAの特徴
・2024年から新NISA制度へ移行
・従来のつみたてNISAに近い1階部分(年20万円)と一般NISAに近い2階部分(年102万円)の2階建て制度
・原則として1階部分に投資した人のみが2階部分に投資可能

新NISAは投資枠を2階建てにした制度です。1階部分は年20万円を上限に積立投資枠が設けられ、原則として1階部分を利用した人のみが従来の一般NISAを概ね踏襲した2階部分を利用できます。2階部分の非課税投資枠は、年間102万円です。

すでにNISA口座を開設していた人や投資経験者が上場株式に投資する場合、1階部分を利用していなくても特例として2階部分を利用できます。

非課税期間はこれまでどおり、1階部分、2階部分ともに5年間だ。新NISAの1階部分については、5年間の非課税期間終了後、つみたてNISAへ移行することもできる。
出典:金融庁『新しいNISA制度の概要と改正の狙い』

新NISAの1階部分では海外ETFに投資できない

新NISAの1階部分では、対象商品はつみたてNISAと同様になる見通しだ。したがって海外ETFは対象外で、つみたてNISAの対象商品である一部の国内ETFのみが対象になる可能性が高い。

新NISAの2階部分では海外ETFに投資できる

新NISAの2階部分では、対象商品は従来の一般NISAと同様になる見込みである。

ただし、レバレッジを効かせている投資信託や上場株式のうち、整理銘柄・管理銘柄に指定されている銘柄は対象から除外されます。

このような基準だとすれば、新NISAにおいても2階部分で国内ETFや海外ETFに投資することができるだろう。

海外ETFに投資するためには1階部分を利用しなければならない点に注意しましょう。1階部分を利用していなくても2階部分に投資ができる特例は、投資対象が上場株式の場合のみ有効のようです。

7.海外ETFはやや複雑だが一般NISAでチャレンジする価値がある

海外ETFの購入は、為替リスクや海外のルールが絡んでくるため、やや複雑だ。しかし魅力的な商品が多く、選択肢に含めればポートフォリオの幅は大きく広がるだろう。NISAで投資を行えば購入時手数料が無料になるキャンペーンもあるため、始めやすいだろう。

投資初心者はETFの仕組みを正しく理解した上で、少額からスタートしてみてはいかがだろうか。海外ETFには、チャレンジする価値のある魅力的な商品が多いので、積極的にチャレンジしてほしい。

執筆・樋口壮一(金融ライター)
新卒で証券会社に入社後、10年間リテール営業、ホールセール営業を経験。現在は事業会社の営業企画部門に努める傍ら、個人として投資を行い、マーケットに携わる。

MONEY TIMES

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