確定申告は自分ですることもできるが、事務処理が大変だ。いっそのこと、税理士に任せたいという人も多いだろう。
この記事では、確定申告を税理士に任せる場合の費用相場について解説する。あわせて費用を抑えるコツや自分で確定申告をした際に必要なコストも確認していこう。
確定申告の税理士費用に関するQ&A
確定申告の税理士費用に関するQ&Aを3つ紹介する。
自分も確定申告は必要?
確定申告が必要かどうかは、さまざまな判断基準がある。この記事でも確定申告が必要なケースを取り上げるが、自分で判断できない場合は最寄りの税務署に電話で相談すると確実である。
確定申告が必要かどうかは、さまざまな判断基準がある。この記事でも確定申告が必要なケースを取り上げるが、自分で判断できない場合は最寄りの税務署に電話で相談すると確実である。
税理士に頼むと費用が高いのでは?
税理士に頼んだ場合の費用相場は内容にもよるが、自分で事務作業をした場合にかかる時間やコストと比べてそう高いものではないだろう。控除できるものを忘れずに控除してもらえるなど、クオリティが高くなることもメリットなので税理士への依頼も検討してみよう。
税理士に頼んだ場合の費用相場は内容にもよるが、自分で事務作業をした場合にかかる時間やコストと比べてそう高いものではないだろう。控除できるものを忘れずに控除してもらえるなど、クオリティが高くなることもメリットなので税理士への依頼も検討してみよう。
収入が多くなくても税理士に頼めるの?
収入が多くない場合でも税理士に依頼は可能だ。この場合、作業量が少なくなり、作業内容もシンプルになるため税理士費用自体を安くできることがある。費用を決めるのは税理士なので、まずは見積もりを取ってみよう。
収入が多くない場合でも税理士に依頼は可能だ。この場合、作業量が少なくなり、作業内容もシンプルになるため税理士費用自体を安くできることがある。費用を決めるのは税理士なので、まずは見積もりを取ってみよう。
確定申告はフリーランスだけが行うもの?
「確定申告はフリーランスだけが行うもの」と誤解している人も多いようだ。フリーランスや個人事業主などは基本的に確定申告が必要だが、給与所得者でもケースによっては確定申告が必要になる場合がある。
給与所得者でも確定申告が必要な場合とは?
会社に勤めている人や公務員などの給与所得者は年の終わりに勤務先が「年末調整」を行っている。確定申告の代わりになるもので、確定申告を自分で行う必要は基本的にはない。ただしケースによっては給与所得者でも確定申告が必要な場合がある。その一例を確認していこう。
給与の収入金額が2000万円を超える人
まずは「給与の収入金額が2000万円を超える場合」だ。日本では所得に応じて税金の支払い負担分を変えることで経済能力に合わせた負担を目指している。これを「応能負担の原則」というが、結果的に高額所得者に対して適用されない控除もあるため、給与の収入金額が2000万円を超える人については会社で一律に行う年末調整では対応しないことになっている。年末調整を行っていないため、確定申告が必要になるというわけだ。
副業の収入が20万円以上の人
副業の収入が20万円以上の人も確定申告が必要だ。具体的には、「1カ所の勤務先から源泉徴収の対象となる給与を受けていて、給与所得や退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える人」である。
2カ所以上から源泉徴収対象の給与をもらい要件に合う人
2カ所以上から源泉徴収対象の給与をもらっており、確定申告の要件に合う人も申告の必要がある。ここでの要件とは、「年末調整されていない給与の金額と、給与所得や退職所得以外の所得金額とを合計した金額が20万円を超える人」である。
このほか、医療費控除・住宅ローン控除などの所得控除を適用するために確定申告を行う場合もある。自分が確定申告をすべきか迷ったら、最寄りの税務署に相談してみよう。
確定申告における税理士費用相場とは:個人事業主など
実際に確定申告を税理士に依頼した場合の費用相場を紹介する。個人事業主やフリーランスなどの場合は、自分で帳簿を記帳していれば5万円程度が相場となる。自分で記帳をせず、すべてを依頼する場合は10万円ほどが相場だといわれている。これは税理士と顧問契約を交わさずにスポット契約をした場合である。
確定申告における税理士費用相場とは:サラリーマン
サラリーマンが実際に確定申告を税理士に依頼した場合の費用相場は、個人事業主やフリーランスなどに比べると安くなっている。サラリーマンの確定申告の場合、必要な処理が少なくて済むためである。サラリーマンの確定申告の税理士費用の相場は、3万円程度だと言える。
税理士費用はどんなことに左右されるのか
税理士費用はさまざまなことで違いが出る。どんなことに費用が左右されるのか確認してみよう。
記帳代行をするかどうか
「記帳の代行を依頼するかどうか」でも税理士の費用は変わってくる。記帳を税理士に依頼すると、もちろん税理士の業務が増える。自分でも行えるが、費用面と作業にかかる労力をはかりに掛けて記帳の代行まで依頼するかを決めるべきだろう。
売上高
「売上高がどれほどだったか」でも税理士の費用は変わる。売上高が多い場合、その分取引が増えて処理しなければならない業務が増えるためである。売上高が増えると納税額も増えるので、税務調査の対応など業務範囲や業務の工数が増えることになる。
必要な業務が増える分、人件費がかかる個人事業主やフリーランスが税理士に依頼した場合、青色申告で年商500万円未満なら5万円から、500万円以上で1000万円未満の場合は7万円からと、その額に応じて変化する。
白色申告か青色申告か
「白色申告なのか青色申告なのか」によっても税理士費用は変わる。白色申告だと申告する内容が簡易的で、青色申告だとさまざまな内容の記載が必要になるためである。
青色申告の税理士費用相場は高いが節税になる
白色申告だと申告する内容が簡易的なため税理士費用だけを見ると安くなるが、それだけで選ぶのはおすすめしない。青色申告にすると税理士費用相場は高いものの、節税効果が高くなるためである。どちらがよいかを選ぶ際は、税理士に「青色申告を選んだ場合に節税になる金額の目安」を確認してから選んだほうがコストパフォーマンスをよくできるだろう。
確定申告の税理士費用を抑えるコツ
このように、確定申告の税理士費用とはさまざまな要素をもとに計算されている。費用を抑えて依頼をするコツを紹介しよう。
費用を抑えるコツは「記帳を自分で行うこと」「顧問契約の場合に訪問回数を減らすこと」「規模が小さめの所に依頼すること」「担当者の質を下げること」などだ。
「記帳を自分で行うこと」はわかりやすいだろう。「顧問契約の場合に訪問回数を減らすこと」もその分税理士の手間を省けるということである。「規模が小さめの所に依頼すること」は、税理士法人よりも税理士事務所に依頼したほうが相場が安いためだ。「担当者の質を下げること」とは、確定申告の手続きを無資格のスタッフや若手の税理士に担当してもらうことである。
費用を抑えるべきなのか、クオリティを保つためにある程度は支払うのかを判断するとよいだろう。
クオリティを保ったまま費用を削減できるやり方として「税理士が忙しい時期を避ける」というものもある。1月末ごろが1年で最も忙しくなるため、その時期を避けて依頼をしたほうが安く請けてもらえる可能性が高い。
税理士と顧問契約をした場合のメリット
税理士と顧問契約をすることもできる。その場合のメリットを見ていこう。
確定申告自体の税理士費用が安くなる
まずは「確定申告自体の税理士費用が安くなること」だ。税理士は継続的な顧問契約を重視していることが多いため、顧問契約を結んだ場合に確定申告の税理士費用を安くしてもらえることが多い。もちろんその分顧問費用は必要になるため、顧問契約をしたほうがよいかは、そのほかのメリットを確認してトータルで決めるようにしよう。
毎月の記帳業務が楽に
「毎月の記帳業務が楽にできること」もメリットの一つだ。顧問契約をしている場合、すべての領収書を税理士に送るだけで対応してもらえる。いつもの事務作業がなくなり、有効に時間を使えるようになるのである。
節税のアドバイスがもらえ、経営戦略の相談もできる
税理士によっては毎月、月次決算を教えてくれ、経営改善に向けたアドバイスがもらえる場合もある。経営戦略の相談もしたい場合は、ぴったりだと言えるだろう。
確定申告を自分でやれば費用は0円?
「税理士費用がもったいないから自分でやろう」と思う人もいるだろう。それも1つの選択肢だが、気をつけるべきポイントがあるので確認していこう。
労力・時間による「見えないコスト」がかかる
自分で確定申告を行う場合は、対応をする時間が必要だ。その間は通常の業務ができないため、仕事が滞ったり、仕事を入れられなかったりというデメリットがある。税理士費用はかからないが、自分でやることで「見えないコスト」がかかることを自覚しよう。
ミスを減らし作業を楽にするための会計用ソフトの料金も
税理士に頼まずに自分で確定申告をすると、慣れないことをしている分ミスが出やすくなり、クオリティが下がることもデメリットの一つだ。ミスを減らし、作業を楽にできる会計用ソフトもあるが、ソフトの料金もかかることを心に留めておこう。
税理士費用が高いと思う前に自作での費用やコストも検討しよう
税理士に依頼した場合の費用だけで見れば、「自分でやったらコストがかからないのに」と思う人もいるだろう。それも1つの案だが、実は自分でやることにも「見えないコスト」がかかることを自覚するべきだ。
自分で行うのか、税理士に依頼してその分の空いた時間で本業の利益を上げるのか、どちらがよいのか検討し、自分に合ったやり方を見つけよう。