多くの富裕層にとって子育てのゴールは、自身(ファミリー)の事業や資産を継承し、守り、願わくは拡大させて、ファミリーを良い方向に導いてもらうことだ。そのための第一歩として、子どもを名門幼稚園や名門小学校に通わせる富裕層は少なくない。

そのような学校に入るためには、いわゆる「お受験」という難関がある。

本特集では「富裕層のお受験」と題して、お受験の実態、候補となる学校、なぜ富裕層はお受験をはじめ子息子女教育に積極的なのか、などについて見ていく。なお、本特集における「お受験」は、幼稚園受験もしくは小学校受験を指すと定義したい。

第2回はお受験界の最高峰であり、政官財界の重役の子息子女が集まる「慶應義塾幼稚舎」について。

お受験界の最高峰 陸の王者の卵たちが通う「慶應義塾幼稚舎」
(画像=PIXTA、ZUU online)

幼稚舎合格に必要なのは親力、財力、子ども力、運の4つ

「親に経済力、社会的地位、慶應コネクションがあるのは当たり前。そのうえで幼稚舎合格に必要なのは親力、財力、子ども力、運の4つだ。運以外の3つが揃っていても、落ちるときは落ちる」(2人の子どもを幼稚舎に合格させた母親)

大学受験の最高峰が東京大学と認識されているように、お受験界において最高峰と認識されているのが、慶應義塾大学の付属小学校である慶應義塾幼稚舎だ。男子96名、女子48名の合計144名(2021年度1年生の募集人数より)の椅子を毎年1,500名以上が争う。過去3年の志願者数は以下の通りだ。