貧困から一代で米国一の大富豪にのぼりつめた、鉄道王コーネリアス・ヴァンダービルト。その一族が残した、ため息がでるほど美しい数々の豪邸は、現在、一般にも公開されています。厳選した4つの豪邸をご紹介します。

ヴァンダービルト家の富と名声

金融
(画像= demerzel21/stock.adobe.com)

祖父の世代にオランダから米国に移住したコーネリアス・ヴァンダービルトは、わずか11歳で学業を離れ、父とフェリーで働き始めました。戦争や産業革命を経て、蒸気船の企業家として地位を確立するかたわら、鉄道事業も成功させ、ヴァンダービルト帝国を築き上げました。

1877年、「米国で最も裕福な人物」として他界したコーネリアスが家族に残した資産は、総額9,500万ドル(現在の価値で21億ドル/約2,297億円相当)といわれています。巨額の富のほとんどを相続した長男ウィリアム・ヘンリー・ヴァンダービルトは、ニューヨーク中央鉄道を拡張し、父親が築いた富をほぼ倍増させました。

ヴァンダービルト家の豪邸4選

一般の観光客が訪問できるヴァンダービルト家の優雅な建築物をご紹介しましょう。

1 ヴァンダービルト・マンション・ナショナル・ヒストリック・サイト(ニューヨーク)

1895年から1938年にわたり、フレデリックW.ヴァンダービルトが暮らした邸宅。200エーカーの敷地に建設された重厚なカントリーハウスは、米国の資本主義が急発展を遂げた「金メッキ時代」の象徴です。ハイドパーク国立史跡に指定されており、国立公園局によって保存されています。

2 ブレーカーズ(ニューポート)

大富豪の避暑地として人気が高いニューポート。1893年に建設されたイタリアンルネッサンス様式のサマーハウスであるブレーカーズは、数ある豪邸の中で最も有名な建物の一つです。当地は、他にも、大理石を基調とするマーブルハウスや石炭王エドワード・ジュリアス・バーウィンド夫妻のエルムズなど、見所にあふれた地域です。

3 ビルトモア・エステート(ノースカロライナ)

ジョージ・ワシントン・ヴァンダービルト2世が建設した、フランスルネッサンス様式のシャトー(城)。敷地面積8,000エーカー、部屋数250室という米国最大の豪邸は圧巻のひとこと。長さ90フィートのタペストリー・ギャラリーや著名造園家が設計した印象的な庭園なども人気です。

4 イーグルズ・ネスト・イン・センターポート(ニューヨーク)

ウィリアムK.ヴァンダービルト2世が1910~1936年にわたり建設した、スペイン風の豪邸。現在は、「ヴァンダービルト・ミュージアム・アンド・プラネタリウム」という名称で一般公開されています。邸内のツアーと美術館、プラネタリウムを一緒に楽しめるエンターテイメント施設には、世界中から多くの観光客が訪れています。