「投資に興味があるけど、何から始めればいいかわからない……」。そんな人はまず、投資で利益を得る仕組みを理解することが、投資の第一歩になるかも知れません。ここでは利益が出る仕組みや、株式投資と投資信託の違い、NISAやiDeCoの効率的な活用方法など、第一歩を確かなものにするための基礎知識を紹介します。

目次

  1. 「3つの鉄則」で投資リスクを小さく
    1. 投資リスクを抑える鉄則1:「余裕資金」で投資する
    2. 投資リスクを抑える鉄則2:リスク軽減のために分散投資を
    3. 投資リスクを抑える鉄則3:短期売買は避けて中長期でじっくりと
  2. 株式投資を、はじめての投資として考えてみる
    1. そもそも株式とは?
    2. インカムゲインとキャピタルゲイン
    3. 株の分類
    4. 株式投資に向いているのはどんな人?
  3. 投資信託を、はじめての投資として考えてみる
    1. そもそも投資信託とは?
    2. 投資信託の分配金について
    3. 投資信託の種類
    4. 投資信託に向いているのはどんな人?
  4. NISAを、はじめての投資として考えてみる
    1. NISAとは?
    2. NISAのメリット
    3. NISAのデメリット
    4. NISA活用が向いている人は?
  5. iDeCoを、はじめての投資として考えてみる
    1. iDeCoとは?
    2. iDeCoのメリット
    3. iDeCoのデメリット
    4. iDeCoが向いている人は?
  6. 投資を始める4つのステップ
    1. 投資を始めるためのステップ1:証券会社(金融機関)に口座開設
    2. 投資を始めるためのステップ2:証券口座に入金
    3. 投資を始めるためのステップ3:買いたい銘柄を選定
    4. 投資を始めるためのステップ4:株を売買
  7. まとめ:投資を始めるなら、投資の目的はなにかを確認する

「3つの鉄則」で投資リスクを小さく

投資は将来の利益に期待して資金を投じるものである以上、損失が発生するリスクが常につきまといます。まずはリスクを低減するための「3つの鉄則」を見ていきましょう。

投資リスクを抑える鉄則1:「余裕資金」で投資する

投資による利益は約束されたものではありません。運用結果によっては資産が減る可能性があります。また、タイミングによってはすぐに現金化できない可能性もあり、生活費や教育費などを切り崩して投資資金にあてると、生活そのものが崩壊するリスクにさらされることになります。

自分の「余裕資金」がどれくらいあるのかを知るために、現在の資産から「必要資金」を算出してみましょう。

まずは収入の3ヵ月程度を計上します。これには月々の生活費と、医療費や修理費用などの緊急費用が含まれます。次に教育資金、住居や車のローン返済額、旅行費用など、使い道が決まっている預貯金も必要資金に組み入れます。

こうして資産から必要資金を差し引きし、残ったお金が「余裕資金」です。使う予定のないお金だけを投資にあてることで、たとえ損失が出たとしても、使えるお金が明確になっているので、再投資して取り戻す可能性が生まれます。

投資リスクを抑える鉄則2:リスク軽減のために分散投資を

リスク分散を説明するときに、しばしば用いられるのが「卵とかご」の比喩です。1つのかごにすべての卵を入れてしまえば、かごを落としてしまったときに卵はすべて割れてしまいます。しかし複数のかごに卵を分けておけば、かごを1つ落としても他のかごの卵は割れずに残る、というわけです。

投資における分散には主に3つあります。まずは、複数企業の株式や債券を組み合わせることで特定企業や業種の暴落リスクを低減する「資産分散」です。さらに国内株だけでなく、外国株などを組み合わせる「地域分散」、1度にまとめ買いをせず複数回に分けて購入する「時間分散」があります。この3つの分散方法を実行して損失リスクを小さくするのが一般的な手法です。

投資リスクを抑える鉄則3:短期売買は避けて中長期でじっくりと

なるべく長い期間運用することも、投資初心者が失敗しないコツの1つです。そのメリットは3つ挙げられます。

・中長期投資のメリット1:時間分散

価格が変動する金融商品を一度にまとめ買いすると、値下がりですべてが元本割れを起こしてしまうかもしれません。投資タイミングをずらしてリスクを小さくする時間分散を効率的に実現するのが、少額ずつの投資を継続的におこなう「積立投資」です。

たとえば毎月の投資金額を一定にすれば、価格が高いときには少量の金融商品を、安いときには多くを購入することになります。このように一定金額で定期的に金融商品を買い続ける方法は「ドル・コスト平均法」と呼ばれ、毎月同じ量を購入する「定量購入法」よりも、平均購入価格を安く抑える効果があります。

・中長期投資のメリット2:複利

最初の元本だけに利息が付く計算方法を「単利」、一定期間ごとに利息を投資元本に組み込む計算方法を「複利」といいます。たとえば100円の元本に1ヵ月ごとに5%の利息が付くとすると、単利なら1年後までの利息は60円ですが、複利であれば80円と、元本に対して20%も利息が大きくなります。収益を投資資金に組み込んでいく投資スタイルは、長期になればなるほど有利になるといえます。

▽複利の例(単位:円)

・10,000円を年利5%で複利運用すると、10年後に単利と比較し1,289円の差額が発生する

  単利 福利 差額
元本

10,000

10,000

0

1年目

10,500

10,500

0

2年目

11,000

11,025

25

3年目

11,500

11,576

76

4年目

12,000

12,155

155

5年目

12,500

12,763

263

6年目

13,000

13,401

401

7年目

13,500

14,071

571

8年目

14,000

14,775

775

9年目

14,500

15,513

1,013

10年目

15,000

16,289

1,289

・中長期投資のメリット3:変動リスクの軽減

株価は日々刻々と変動し、短期的には大きな値崩れを起こすこともあります。しかし長期的に見れば平均株価は少しずつ上昇しているので、短期的な値動きは中長期では収束する傾向にあります。損切りの判断も重要ですが、すぐに結論を出さず、じっくり待つことで回避できるリスクもあります。

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株式投資を、はじめての投資として考えてみる

「投資」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは株式投資かも知れません。「東証」「JASDAQ」「マザーズ」など、株取引にまつわる言葉はしばしばニュースにも登場します。

そもそも株式とは?

投資家が企業に出資をすると、その証明書として発行されるのが「株式」です。企業は株式を発行して活動資金を調達し、投資家は株式を購入して株主となり、企業からの配当や株式の売買により収益を得ます。

インカムゲインとキャピタルゲイン

株式投資の収益は、大きく分けて2種類あります。

・保有中に得られる利益を指す「インカムゲイン」

株式投資で期待できる1つめの収益は、保有していることで得られる利益です。投資先企業から、事業で得た利益の一部が還元される「配当金」や、製品やサービスを提供される「株主優待」などがこれにあたり、「インカムゲイン」と呼ばれます。

・売却時の利益を指す「キャピタルゲイン」

株式投資で期待できるもう1つの収益が、株式を売却したときに得られる利益です。購入時の価格よりも高いタイミングで売却することで、その差額が収益となります。この値上がりによる収益を「キャピタルゲイン」といいます。

株の分類

キャピタルゲインとして期待する株価は企業業績と連動して変動しますが、直接的な価格の決定要因は株式市場での需要と供給です。業績の向上が見込まれるときには、その銘柄を売りたい人よりも買いたい人が多くなるので、需要が高まり株価は上昇します。業績の悪化が予想されるときは売りたい人からの供給が増えるため、供給が過剰となるため株価は下落します。このように株価は業績を先取りして変動するため、対象企業だけでなく景気や市場動向、為替や海外情勢などさまざまな変化に目配りをすることが必要です。この株価の推移によって株はいくつかに分類され、分析されます。

・グロース株

業績が成長し続けている企業の株を「グロース株」といい、グロース株中心に投資する手法は「グロース投資」と呼ばれます。成長期の企業は配当よりも事業費用に資金を回す傾向があるため、一般にグロース株の配当利回りは低くなります。裏返せばグロース投資を行う投資家の多くは、長期的なリターンに期待しているといえるでしょう。

・バリュー株

現在の株価が本来の企業価値(Value)よりも割安と見られる銘柄が「バリュー株」です。企業の成長性を見る点ではグロース投資と共通していますが、購入時点では安値でも業績は安定している銘柄が多いため、グロース株よりも配当利回りが良くなる傾向があります。

・ディフェンシブ銘柄

電力やガス、鉄道や通信といった社会インフラを担う企業や、生活必需品である食品や医薬品を扱う業種は、他業種よりも景気動向に左右されにくい傾向があり、株価も安定することが一般的です。このような企業の銘柄を「ディフェンシブ銘柄」といいます。

・景気敏感株

「ディフェンシブ銘柄」とは逆に、景気動向によって大きく変動する銘柄を「景気敏感株(景気循環株)」と呼びます。好況だと需要が高まり、不況だと生産が落ち込む傾向にある素材産業(鋼鉄・紙パルプ等)や工作機械などが該当します。景気敏感株の変動は、景気そのものの変動にも先行する傾向があり、取引対象としてだけではなく景気動向の指標としても機能します。

株式投資に向いているのはどんな人?

株式投資の成功には、正確な判断をもたらす知識と情報が求められます。また、一般には「投資(investment)」と「投機(speculative trade)」は混同されがちですが、前者は長期的視野で資金を投じ利益や配当を期待するものであり、後者は短期的な売買で利ざやを狙うギャンブル的な行為です。

株式投資は、企業の価値に対して資金を投じ、その企業が好業績をあげることで、投資家の利益に還元されるという性格のものです。急成長し短期的なリターンをもたらす企業もありますが、通常の株式投資は数年単位の中長期的な経済行為であり、短期での収益を目指すものではありません。知識や情報を得る手間を惜しまず、長いスパンで企業の成長を待てる人が、株式投資に向いているといえそうです。

対照的に、1つの取引を数日から数週間で完結させる「スイングトレード」や、1日で完結させる「デイトレード」などの投機的取引は、株価の値動きにのみ注目しておこなう投機的な取引で、ひたすら利益を追求し投資対象を次々と乗り換えていきます。

トレーダーは株価の動きを示すチャートに張り付き、たとえばチャートの高値同士を結んだ線(上値抵抗ライン)と安値同士を結んだ線(下値指示ライン)の2つが右肩上がりのときは上昇トレンド、右肩下がりのときは下落トレンドと判断します。「動きそう」なときが売買タイミングで、「動いてから」では遅いといわれています。相場についての特殊な知識に加え、取引に集中できる環境が必要で、万人向きとはいえないでしょう。

投資信託を、はじめての投資として考えてみる

投資信託とは、専門家が選定した株式や債券の「パッケージ商品」です。国内外の株式や債券など複数銘柄に分散投資ができるため、リスク軽減が期待できます。

そもそも投資信託とは?

投資信託は、複数の投資家から集めた資金をまとめて、ファンドマネージャーと呼ばれる専門家が運用します。

それだけではなく、「販売」「運用」「保管」のそれぞれを専門の機関が行うので、万が一、販売会社や運用会社が破綻しても、資産は守られます。資産の保管を担う信託銀行が破綻した場合でも、投資者保護基金により1,000万円までの補償があります。

ただし当然ですが、運用による損失は戻りません。すべての投資商品と同様に、元本保証や利益保証はありません。

投資信託の分配金について

資産を保有していることで得る利益と、売却することで得る利益の2つがあることは、株式投資と同じです。

保有していることで得る利益の1つに、「分配金」があります。ただし、名称こそ株式の配当金と似ていますが、性質はまったく異なります。

配当金は、投資先企業から支払われるもので、保有株自体には影響を与えません。しかし分配金は、投資資産の運用益から支払われます。つまり分配金を受け取ると、複利効果は下がってしまうのです。たとえば毎月分配金が支払われる投資信託の場合、運用益が出ない月は元本を取り崩して分配金にあてる商品も多く、元本割れの可能性があります。

将来的な資産形成が目標であれば、分配頻度の少ない商品を選び、複利でじっくり長期運用するスタイルが効率的といえるでしょう。対照的に、定期的なお小遣いが欲しいという人は、頻繁に分配金が出るタイプを選ぶことも有力な選択肢となるかも知れません。

投資信託の種類

投資信託は「ファンド」とも呼ばれ、成長性に注目して銘柄が選定されているものを「グロースファンド」、割安感に注目しているものを「バリューファンド」といいます、

運用方針でも種類があります。日経平均株価指数や東証株価指数などをベンチマーク(指標)とし、連動を目指すファンドを「インデックスファンド」、ベンチマークを上回る成果を目指して積極的に運用するファンドを「アクティブファンド」と呼びます。

各証券会社の投資信託検索ページで、さまざまな条件で絞り込んで検索すると、ファンドごとの性格の違いが見て取れるでしょう。

投資信託に向いているのはどんな人?

投資信託では運用をプロに任せているため、自分で株式投資を行うときほどの知識は不要かもしれません。多くの人の資金をまとめて運用するため、取引単位は小口化されており、少ない投資金額でも始められる投資です。

ただし長期運用が前提となることが多いため、短期的なリターンを求める人には不向きといえるでしょう。

NISAを、はじめての投資として考えてみる

投資運用で得た収益には、復興所得税を含め20.315%の所得税がかかります。しかし「少額投資非課税制度(NISA)」を活用することで、一定の投資額内であればその収益は非課税となります。

NISAとは?

NISAには3種類あります。

・NISA

一般的な「NISA」は、毎年120万円までの新規投資であれば、最長5年間の非課税優遇が受けられます。株式や債券、投資信託などが対象です。

・ジュニアNISA

「ジュニアNISA」は、非課税枠が80万円で期間が最長5年ですが、未成年を対象とした口座で本人が18歳になるまでは払い出し制限が設けられています。これは大学進学費用など、子どもや孫の将来に向けた資産形成が主な目的となっているためです。

・つみたてNISA

「つみたてNISA」は、非課税枠が40万円ですが非課税期間が最長20年で、長期の積立分散投資に適した投資信託を扱っています。

ただしNISAは1人1口座しか開設できないため、NISA口座とつみたてNISA口座を同時に保有することはできません。また、金融機関ごとに扱っている商品が違うため、口座を開設する前に、金融機関で扱っている商品が自分の投資したいものかどうか、よく調べる必要があります。

NISAのメリット

NISAの最大のメリットは税制優遇です。NISA口座での運用益は、売却益も配当金も非課税で受け取ることができます。ただし、非課税期間が終わるタイミングで翌年の非課税投資枠に移すなどの手続きを忘れると、非課税優遇を受けられなくなります。

また、つみたてNISAの対象商品は、販売手数料と信託報酬が低水準で、分配頻度も低い投資信託に限定されているため、低コストで効率のよい老後資金づくりに向いた設計となっています。

NISAのデメリット

NISAでは「損益通算」ができません。損益通算とは、保有する複数の金融商品の、利益と損失を相殺して課税金額を減らすことを指します。NISA口座で保有している金融商品に損失が出たとしても、他の口座で保有している金融商品の利益から差し引くことはできません。

また、新規投資が対象のため、他の取引口座で保有している株式や投資信託をNISA口座へ移すことはできません。

NISA活用が向いている人は?

商品の性質上、長期運用したい人に向いています。「ジュニアNISA」を子どもの名義で開設し、大学進学費用や成人祝金準備として活用したり、「つみたてNISA」で老後資金を準備したりと、明確な目的がある長期投資に適しているといえるでしょう。

逆に、短期売買をしたい人には向きません。たとえばNISA口座で50万円分の金融商品を購入後、短期間で売却した場合、50万円分の非課税枠は消滅します。非課税枠の未使用分を翌年に持ち越すこともできないため、売買を繰り返して収益を大きくする短期投資では、すぐに非課税枠を使いきってしまうことでしょう。

iDeCoを、はじめての投資として考えてみる

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、将来の年金として受け取る資産を自分で運用する私的年金制度です。

iDeCoとは?

iDeCoでは専用口座を開設し、金融商品の選定・運用・管理を自分で行います。投資できる商品は、元本保証のある保険や定期預金から、運用益が期待できる株式や債券、投資信託などさまざまで、金融機関によって扱う商品が異なります。

掛金は月々5,000円から積み立てられますが、国民年金加入者と厚生年金加入者では積立上限額が異なります。また勤務先に年金制度がある場合も、上限額は変化します。引き出しは原則60歳以降で、年金か一時金、あるいは両者の併用を選べます。

iDeCoのメリット

iDeCoでは毎月の積立金額のすべて所得税控除となり、運用益も非課税です。将来給付を受ける際も所得控除を受けられるため、高い節税効果を得られます。

また、積み立てている年金資産は、他の年金制度に移動させることもできます。そのため、転職や退職などで条件が変わっても対応可能です。

iDeCoのデメリット

iDeCoはいったん積立を始めると、原則として途中脱退はできません。掛け金の減額や積立の停止はできますが、資産の引き出しは60歳以降までできません。

iDeCoが向いている人は?

公的年金が国民年金のみの自営業やフリーランスの人は、受給額が少なくなるため、iDeCoは心強い老後の備えとなるでしょう。また厚生年金に加入していても、勤め先に退職金制度がない場合はiDeCoをその代わりとして準備しておくこともできます。専業主婦・主夫の人も、退職金代わりに積み立てておけば老後の不安は軽減されるかも知れません。ただし、自分で所得税や住民税を納めていない場合、税制優遇は受けられません。

そして、原則として途中脱退ができないiDeCoは、収入の変動が大きい人には不向きかも知れません。少額であっても毎月の積立を60歳まで続けられる状況にない人は、かえって経済的な足かせとなる可能性があります。

投資を始める4つのステップ

実際に投資を始めるときの手順は、主に以下の4つのステップとなります。

投資を始めるためのステップ1:証券会社(金融機関)に口座開設

口座開設はネットでの申し込みが便利です。ネット証券はもちろん、大手証券会社でもネットで申し込めるところが増えています。マイナンバーの登録と本人確認を行うため、マイナンバーカードを用意しましょう。マイナンバー通知カードを利用する場合は、運転免許証などの写真付き身分証もあわせて必要となります。

証券口座には「一般口座」と「特定口座」の2種類があり、特定口座を選ぶと確定申告に必要な「年間取引報告書」を作成してもらえます。また、特定口座では源泉徴収の有無も選択でき、源泉徴収ありを選ぶと所得税と住民税の納付まで代行してもらえます。特別な事情がない限り、特定口座を選ぶと便利でしょう。

投資を始めるためのステップ2:証券口座に入金

金融機関にもよりますが、数日から1週間程度で口座開設のお知らせが届きます。ネット取引用のIDなども発行されますので、まずはログインしてみましょう。開設した口座に、ある程度の資金を入れておくと、商品を買いたいと思ったときにすぐに取引できます。証券口座への入金は、提携する銀行からのオンラインバンキングであれば手数料がかからなかったり、早く着金できたりするなど、証券会社によってサービスに違いがあります。このサービスの違いも、証券会社を選ぶ際のポイントになります。

投資を始めるためのステップ3:買いたい銘柄を選定

いろいろな銘柄の情報を見比べて、それぞれの特徴を把握します。

株式投資での売買単位を「単元」といい、単元あたり100株単位でしか取引できません。一方「値」として表示されているものは、1株あたりの金額です。「現在値:100円」の銘柄を買うためには、100円×100株=最低10,000円必要だということです。

また、株主優待の権利が確定する株数は、銘柄ごとに異なります。100株以上で一律のものもあれば、保有株数に応じて内容が変わるものもあります。確定時期についても確認が必要です。

投資を始めるためのステップ4:株を売買

株式の売買には取引手数料がかかります。通常は、取引ごとに手数料が発生しますが、1日に何度も取引する場合にお得な「1日定額」を選べる証券会社もあります。

また、外国株式の場合はそれぞれの国ごとに手数料が異なるため、銘柄情報とともにチェックしておくことも重要です。

まとめ:投資を始めるなら、投資の目的はなにかを確認する

投資を始めるなら、まずは投資の目的を確認することから始めましょう。将来の資産形成がしたいのか、配当金や分配金をボーナス感覚で受け取りたいのか、株主優待を楽しみたいのかなど、目的によって選ぶべき金融商品や運用方針が変わります。目的をしっかりと設定した上で、3つの鉄則に則った投資運用を続けることが、成功への近道といえそうです。
 

高井 怜
国内生命保険会社にて生命保険・損害保険の営業職、大手外資保険会社にて顧客相談室を経験。退職後は、保険についての「わからない。めんどうくさい」を少しでも解消できればと、保険・金融記事の執筆を開始。関心分野は、保険や年金など生活に密着した金融サービス。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。