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株式投資の経験がある人はもちろん、そうでない人でも「株主優待」という名称や簡単な知識を持っている人は多いのではないでしょうか。おそらく多くの人が持っているイメージは、「株式を持っていると優待券や特典がもらえる」といったものでしょう。事実、株主優待を実施している企業の株式を保有すると、企業の商品やサービス、そのほかにもさまざまな特典を受け取ることが可能です。
株主優待が生活に密着したものであったり、自分ではなかなか買わないようなものであったりするなど種類も豊富であることから、株主優待を目当てに株式投資をしている人もいます。そこで本記事では、株主優待の仕組みや基礎知識を解説しつつ「どんな株主優待があるのか」「魅力ある株主優待は何か」といった内容を紹介します。
目次
株主優待の特典には、どんなものがあるのでしょうか。ここでは株主優待の中でも人気のジャンルを5つピックアップして、どんな特典がもらえるのかを紹介します。
- 株主優待の王道、自社商品詰め合わせ
- 日々の買い物がオトクになる株主優待
- 飲食代金がオトクになる株主優待
- 移動がオトクになる株主優待
- 事実上の配当に近い株主優待
株主優待の王道、自社商品詰め合わせ
お中元やお歳暮のように、定期的に自社製品が詰め合わせで届く株主優待があります。主に食品や飲料、酒類メーカーなどが出している特典で数ある株主優待の中でも定番といえるジャンルです。例えばビールが好きな人であればビールメーカーの株式を保有していると、年に1~2回などで定期的にビールの詰め合わせが届きます。
さらにメーカーにとっては新製品をPRする機会でもあるため、株主優待の特典として送られてくる商品詰め合わせの中に新製品が含まれていることもあるでしょう。いつもは自分では買わないような商品でも、新製品を試すよいきっかけにもなりそうです。
日々の買い物がオトクになる株主優待
流通系や家電量販店などの企業によく見られるのは、買い物がオトクになる株主優待です。例えば株主専用の割引カードが発行され、提示することで常に一定の割引が適用される優待もあるため、うまく活用すると年間では結構な節約効果が期待できます。スーパーマーケットを運営している企業の優待は利用頻度を高くすることで、また家電量販店の優待は価格の高い商品を購入することで、それぞれに株主優待のメリットを最大化することができるでしょう。
飲食代金がオトクになる株主優待
外食チェーンの株主優待によく見られるのが、飲食代金に充当できる金券やポイント、割引チケットの特典です。全国に店舗を構える大手外食チェーンであれば近隣で店舗を見つけやすいため、特典を使って飲食を楽しむことができます。家族でよく行く外食チェーン店の株主優待なら、自分だけでなく家族全体でメリットを享受することができるでしょう。
移動がオトクになる株主優待
出張や旅行などが多い人には、移動で利用できる株主優待がいいかもしれません。旅行会社の旅行クーポン券や航空会社の割引制度、レンタカーの優待、鉄道会社のクーポン券などが挙げられます。新幹線や飛行機などをよく利用する人は、株主優待券の割引制度を利用すればメリットもより大きくなるでしょう。
事実上の配当に近い株主優待
株式投資の世界には、配当という概念があります。出資者の株主に対して利益を分配するために現金を支払うのが配当金で、株式投資の重要な収入源です。ここまで解説した株主優待は自社商品やサービスを提供するため、基本的に現金ではありません。しかし商品券やQUOカード、大手ポイントシステムでのポイント付与など、自社の商品やサービスとは直接関係のない特典を提供する株主優待もあります。
こうした優待は換金性が高いため、事実上の配当金という見方をすることもできるでしょう。
株主優待の基礎知識
オトクな株主優待のジャンルはたくさんあることが分かりましたが、「そもそも株主優待がよくわかっていない」という人もいるかもしれません。そこでここでは株主優待の基礎知識について4つに分けて解説していきます。
- そもそも株主優待とは?
- 株主優待は日本独自の制度
- 権利確定日と権利落ち日
- 配当利回りと優待利回り
そもそも株主優待とは?
株主優待とは、株式を発行している企業が出資者の株主に対して商品や特典などを提供するサービスのことです。文字どおり株主を優待することが目的で、株主優待を実施する企業にとっては主に以下のような意味があります。
- 自社に対する出資への謝礼的な意味
- 自社株の魅力をアップさせることで株価を上昇させる意図
- 自社株を安定的に保有し続けてもらうための動機付け
野村インベスター・リレーションズ株式会社の調査によると、2019年10月末時点での株主優待実施企業は1,536社と過去最高でした。すべての上場企業の約37.2%が株主優待を実施している状態です。
株主優待は日本独自の制度
日本では広く知られている株主優待制度ですが、実は日本独自のものです。配当金で株主還元する企業が多い海外の企業にはほとんどありません。株式投資が活発な欧米では、「優待を実施する予算があるなら配当に回すべき」という考え方があります。そのため優待ではなく、配当という形で株主に還元されています。
権利確定日と権利落ち日
株主優待を受けるために必ず覚えておきたいのが「権利確定日」「権利付最終日」「権利落ち日」の3つです。
・権利確定日
株主優待を誰に提供するかを確定する日のことです。権利確定日の時点で株主となっている人が優待の対象になるのですが、制度上その2営業日前までに株主になっておく必要があります。
・権利付最終日
権利確定日2営業日前の日のことを権利付最終日といいます。権利付最終日時点で株主優待を実施する銘柄を保有していないと株主優待はもらえません。初心者の場合、「権利確定日に優待銘柄を保有しておけばいい」と勘違いしてしまうことが多いため注意しましょう。また株主優待実施企業によっては「1年以上保有していないと対象にならない」など条件がある場合もあります。
・権利落ち日
権利付最終日の翌日のことを権利落ち日といいます。権利付最終日を過ぎたことが確定する日なので、権利落ち日から株主になったとしても今回の株主優待を受けることはできないのです。
配当利回りと優待利回り
株式投資では購入する銘柄を選ぶ際に、多くの投資家が配当利回りを意識します。年間の配当額を購入時の1株あたりの株価で割ることで求めることができる数値です。例えば、1株あたりの配当が50円の株式で株価が2,000円の場合、配当利回りは2.5%(50円÷2,000円×100)となります。配当狙いで株式を長期保有する投資家もいるため、配当利回りの高い銘柄は好まれやすい傾向です。
優待利回りとは、株主優待を配当金のように見立て、優待相当額を購入時株価で割ると求めることができます。例えば3,000円相当の優待品で株式購入価格が20万円の場合、優待利回りは1.5%(3,000円÷20万円×100)です。株主優待も株主にとっては収入源の1つのため、優待利回りが高いほど価値のある銘柄といえるでしょう。
株主優待を受ける方法と使う方法
「実際に株主優待を受けてみたい」と考えている人に向けて、株主優待を受ける方法を解説します。現在証券会社の口座を持っていない人を想定して解説しているため、すでに証券会社に口座を持っている人は1つめを飛ばして確認してください。
- 証券会社に口座を開設する
- 口座に入金して株式を買う
- 株主優待の探し方
- より有利に株主優待を受ける方法
証券会社に口座を開設する
株式の売買をするためには、証券会社の口座を経由することが必要です。現代は株式投資もネット取引が主流になっているため、ネット上での取引が充実している証券会社に口座を開設すると利便性も高いでしょう。例えば「SBI証券」「楽天証券」といったネット専業の証券会社やネット取引に強い証券会社などから選び、口座開設を申し込むことも選択肢の1つです。
いずれも各証券会社の公式サイトから簡単に申請ができるようになっています。
口座に入金して株式を買う
口座開設申し込みをしてから審査が行われ問題がなければ数日~1週間程度で口座開設書類が届きます。口座開設書類にはログインIDや仮パスワードなどが記載されているため、初回ログインをしてネット上の管理画面を利用可能な状態にしましょう。次に証券口座へ株式を購入するための資金を入金することが必要です。
多くのネット証券会社では「クイック入金」(証券会社によって名称は異なります)など、リアルタイムで証券口座へ資金移動する方法があります。「自分が利用する証券会社で取り扱っている銀行がある」「対象銀行でインターネットバンキング契約をしている」という状態なら利用可能です。ネット上の操作だけで瞬時に無料で入金処理をすることができます。
お目当ての株主優待を実施している株式を購入するために、最低限必要な金額以上の資金を移動しておけばいつでも対象銘柄を購入できるでしょう。ただし前述したように、購入の際は株主優待が欲しい銘柄の権利付最終日時点で株主になっていることが必要です。権利確定日や権利落ち日と勘違いしないように注意をして買い注文を出しましょう。
株主優待の探し方
お目当ての株主優待を探すには、証券会社が提供している優待検索サイトや株主優待の情報に特化した以下のようなサイトなどが便利です。
・株主優待検索(楽天証券)
優待内容をかなり細かく分類して検索ができることや、「つなぎモード」での検索ができる点が証券会社らしいサービスであると言えます。なお、つなぎ売りとは株主優待狙いで株を購入したものの、その後の権利落ち後に株価が下落してしまうリスクを、信用売りを活用して軽減する手法のことです。
・株主優待検索(マネックス証券)
楽天証券と同様、証券会社の検索サービスなのでつなぎ売りでのクイック検索が可能で、さらに直近の権利確定月からワンクリックで検索できる操作性が特徴です。
・優待情報(みんなの株式)
株式情報のポータルサイトが運営している優待検索サービスです。人気ランキングが充実しており、どの優待を選べば良いのかわからない方にも優しい設計になっています。また、ポータルサイトらしくコラムも充実しているので、株式投資全体の入門者にも役に立ちそうです。
ほかにも株主優待の情報を提供しているサイトはたくさんあります。ご興味のある方はいろいろ調べてみましょう。
より有利に株主優待を受ける方法
せっかく証券会社を利用して株式を購入するなら、株主優待だけでなく証券会社が集客活動の一環として行っているキャンペーンを利用することも方法の1つです。もちろん株主優待狙いで株式を購入する場合であっても、ポイントやキャッシュバックなどの対象になるため、より一層有利に優待を受けることができるでしょう。
例えばSBI証券の「Tポイントサービス」や楽天証券の「ポイントプログラム」など、多くの証券会社でさまざまなサービスを競っています。自分がよく使うポイントシステムを採用している証券会社を選んでみるのもよいでしょう。
株主優待を受ける際の3つの注意点
株主優待が目的で株式を購入したにもかかわらず、「調査不足でかえって損をしてしまった」といったことのないようにしたいものです。そこでここでは、株主優待を受ける際に注意したいポイントを3つ解説します。
- ギリギリに購入すると対象外になってしまうリスクがある
- 株主優待だけで銘柄を選ぶと失敗しやすい
- 株主優待は廃止されることがある
注意点1:ギリギリに購入すると対象外になってしまうリスクがある
権利確定日と権利落ち日に株主優待銘柄を保有していても優待の対象にはなりません。現物株を購入できるのは、証券取引所の取引時間である15時までです。あまりギリギリになるとうっかりミスや勘違いも起こり、その時になってはじめて、すでに間に合わないことに気づくといったことも考えられます。こういった不利益がないよう少し余裕を持って株を購入するようにしましょう。
注意点2:株主優待だけで銘柄を選ぶと失敗しやすい
株主優待を目的に株式を購入するとはいっても、株式は価格の上下変動がある投資商品です。例えば株主優待で5,000円分の特典が得られたとしても、株価の下落で1万円の損を出してしまってはトータルで損失になりかねません。「優待利回りが高い」ということだけを基準に銘柄を選定してしまうと、失敗してしまう可能性があります。
なぜなら優待利回りは、分母である株価が低迷すると数値が上昇するからです。株主優待の内容だけを見て株式を選ぶのではなく、「銘柄に株式そのものの購入価値があるか」についてもしっかりと考慮するようにしましょう。
注意点3:株主優待は廃止されることがある
2019年10月末時点で株主優待を実施している企業は過去最高と述べましたが、その一方で株主優待を廃止する企業もあります。また廃止されないまでも「特典の内容が薄くなる」「100株→200株など条件が変わる」など条件が変更されてしまう可能性もあるのです。株主優待は配当金と同じく企業の業績と密接に関わっているため、企業の業績が悪化すれば配当だけでなく株主優待に影響がでる可能性はあります。
本記事で紹介する株主優待は、いずれも長期間にわたって安定的に提供されているため、突然の廃止や改悪の可能性は低いといえるでしょう。しかし各社の業績によっては、株主優待の内容も変更になるかもしれません。
買い物、外食、レジャー……。ジャンル別、魅力ある株主優待
最後に4つのジャンル別に注目したい株主優待を紹介します。これらの株主優待は同一ジャンルの中で「優待の内容が魅力的なもの」「利回りが高いもの」を中心に選びました。
- 日々の買い物をオトクにしたい人のための株主優待
- 自社商品詰め合わせを楽しみたい人のための株主優待
- 外食チェーンをよく利用する人のための株主優待
- レジャーやおでかけで使いたい人のための株主優待
日々の買い物をオトクにしたい人のための株主優待
日々の買い物をオトクにすることで、ふだんの生活に密着したメリットが欲しい人は、流通系の株主優待に注目しましょう。日常的な買い物で利用する店舗であれば優待の利用価値はより高くなりますし、オンラインショップで使える優待であれば居住地にかかわらずメリットを享受できるので、日常的にオンラインでの買い物をよく利用する方には注目の優待です。
銘柄 | 証券コード | 優待内容(一部抜粋) | 株価(2020年5月26日時点) | 権利月 |
イオン | 8267 | ・100~499株:3%返金 ・500~999株:4%返金 ・1,000~2,999株:5%返金 ・3,000株以上:7%返金 |
2,340円 | 2月、8月 |
キャンドゥ | 2698 | ・100株:2,000円相当の優待券 ・300株:4,000円相当の優待券 ・500株:6,000円相当の優待券 ・1,000株:1万円相当の優待券 |
1,921円 | 5月 |
楽天 | 4755 | 5年未満の場合 ・100株:楽天キャッシュ500円 ・1,000株:楽天キャッシュ1,000円 ・5,000株:楽天キャッシュ1,500円 ・1万株:楽天キャッシュ2,000円 ほか |
969円 | 12月 |
自社商品詰め合わせを楽しみたい人のための株主優待
お中元やお歳暮の感覚で、株主優待が届くのを楽しみにしている投資家は多い傾向です。冷凍食品やビール、調味料、お取り寄せグルメなど、人気ジャンルだけにその幅はとても広く、好きな食べ物や飲み物がある人に向いています。
銘柄 | 証券コード | 優待内容(一部抜粋) | 株価(2020年5月26日時点) | 権利月 |
キリンホールディングス | 2503 | ・100~999株:キリンビバレッジ詰め合わせセット7本 ・1,000株以上:キリンビバレッジ詰め合わせセット18本 など |
2,129円 | 12月 |
オリックス | 8591 | ・100株3年以上:Aコースカタログより1点 ・100株3年未満:Bコースカタログより1点 ・株主カード進呈(株主全員) |
1,412円 | 3月 |
くら寿司 | 2695 | ・100株:食事券2,500円分 ・200株:食事券5,000円分 ・500株:食事券1万円分 ※5,000円以上の優待券で別の株主優待と交換可能 |
5,080円 | 4月 |
外食チェーンをよく利用する人のための株主優待
外食チェーンの株主優待も人気のジャンルです。各社ともに自社が運営する飲食店でのクーポン券やポイントなどを提供しており、保有株数によっては優待だけで飲食をすることもできます。
銘柄 | 証券コード | 優待内容(一部抜粋) | 株価(2020年5月26日時点) | 権利月 |
日本マクドナルドホールディングス | 2702 | ・100~299株:優待食事券1冊 ・300~499株:優待食事券3冊 ・500株以上:優待食事券5冊 |
5,680円 | 6月、12月 |
吉野家ホールディングス | 9861 | ・100~999株:3,000円分の優待券 ・1,000~1,999株:6,000円分の優待券 ・2,000株以上:1万2,000円分の優待券 |
2,464円 | 2月、8月 |
ドトール・日レスホールディングス | 3087 | ・100~299株:1,000円の優待カード ・300~499株:3,000円の優待カード ・500株以上:5,000円の優待カード |
1,805円 | 2月 |
レジャーやおでかけで使いたい人のための株主優待
レジャーや旅行などを家族やカップルなどで楽しみたいという人には、レジャー系、交通系の株主優待がおすすめです。
銘柄 |
証券コード | 優待内容(一部抜粋) | 株価(2020年5月26日時点) | 権利月 |
オリエンタルランド | 4661 | 3月末の場合(株主用パスポート) ・100株以上:1枚 ・400株以上:1枚 ・800株以上:2枚 ・1,200株以上:3枚 ・1,600株以上:4枚 ・2,000株以上:5枚 ・2,400株以上:6枚 |
1万5,890円 | 3月、9月 |
エイチ・アイ・エス | 9603 | ・100株:HIS優待券2,000円相当 ・500株以上:HIS優待券4,000円相当 ・1,000株以上:HIS優待券6,000円相当 ・100株以上:ハウステンボス入場割引券500円分相当とラグーナテンボス入場割引券500円相当 |
2,159円 | 4月、10月 |
株主優待をもらいながら中長期投資を楽しもう
株主優待についての基本から受け取り方、魅力的な優待など、株主優待初心者向けに解説しました。株主優待だけで生活をすることで有名人になった人もいるほど、うまく選べば株主優待で日常生活を豊かにすることも期待できそうです。銀行へ預金しているだけで眠らせている資金がある場合は、資産運用もかねて株主優待のメリットも堪能してみてはいかがでしょうか。