本記事は、飯村久美氏の著書『お金の先生! できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています

貯金はマラソンと同じ。全力疾走してはいけない

貯金
(画像=masa/PIXTA)

●貯金とダイエットは似ている

節約もダイエットも、計算式は同じです。

〇節約【収入-支出=黒字(赤字)】
〇ダイエット【摂取カロリー-消費カロリー=体重増(体重減)】

計算式は単純でも、そう簡単にいかないのがこの2つの悩ましいところです。

でも、この2つを解決する答えは、ほぼ明らかになっています。

それは、「無理をしないこと」に尽きるのです。

つまり、ストイックにがんばらず、ストレスをためないこと。貯金は人生のある一時のためのものではなく、老後を送るそのときまで必要になってくるものです。

スポーツにたとえるなら、マラソンと同じ。

多くの人が勘違いをしているのが、ここなのです。貯金生活を始めると、「さあ、がんばるぞ」と短距離走のようなスタートダッシュをしてしまいがちです。

でも、マラソンで最初からそんなにがんばってしまえば、当然のように途中で息切れしてしまいます。

●ストレスがかかる方法はほぼ失敗する

お金を貯めようとがんばるストレスでありがちなのがこれです。

〇お金を貯めるために、毎日家計簿をつける
〇日用品を1円でも安く買うために、遠方のお店まで行く

といったことが続くのは、根性がある人だけ。運動部員のように、コツコツと練習を積み上げて得られる達成感に喜びを感じる人にとって、それは最適な方法です。

でも、それ以外の人がやると、途中でリタイアするはめになります。

そもそも、現代人がこのような細かいことをする余裕なんてほとんどないでしょう。

食事も買い物も切りつめた結果、ストレスでリバウンドする。これが失敗のパターンです。実際、私は相談者にまずは常識的な節約をすすめます。でも、多くの人は途中で脱落してしまうのです。

であれば、手間がかからず、楽しくて疲れない方法を長く続けたほうが確実に貯まります。

本書を読んで、まずは「これなら自分に合っている」「面白そう」と感じるものを1つ始めましょう。

それをとりあえず1ヵ月続けてください。

貯金成功の鍵は、楽しく続けることです。

1つ、また1つとクリアしていくと、あなたの貯めるエンジンは回転数を上げていきます。それがある一定のラインを超えると、マラソンランナーが走っているときに快感を覚える、「ランナーズハイ」のような現象が起こります。

要は、お金が貯まっていくことで気分がよくなっていくのです。「セービングズハイ」と言ってもいいでしょうか。

お金を貯める際に最も大切なことは、気持ちに働きかけることなんです。

お金の先生! できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。
飯村久美(いいむら・くみ)
FP事務所アイプランニング代表。日本FP協会認定ファイナンシャル・プランナー。 学習院大学卒業後、安田火災海上保険(現・損害保険ジャパン)に入社。在籍中にファイナンシャル・プランナー(FP)資格を取得。退職後、自らの経験から、ファイナンシャルプランは「生活を守る手段」であるとともに、「やりたいことや夢を叶えるために必要なツール」と痛感。「個人の夢を応援し、家計から日本を元気に」という想いで、2006年FP事務所を開業。これまで手がけた家計相談は1000世帯を超える。 わかりやすく親しみやすい話しぶりから、テレビやラジオ出演、セミナー講師として幅広く活動中。著書に『子どもを持ったら知っておきたいお金の話』(KADOKAWA/中経出版)、『シングル女子の今日からはじめる貯蓄術』(成美堂出版)。監修に『一生お金に困らない! 貯め方・増やし方』(ナツメ社)がある。

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