本記事は、飯村久美氏の著書『お金の先生! できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています

キャッシュレスはひと手間かけると強力な節約ツールになる

キャッシュレス
(画像=ratmaner/PIXTA)

●履歴を見たことがない人は要注意!

1つ質問させてください。

今月、○○Payなどの電子マネーでいくら使いましたか?

この質問に即答できたあなたは、非常に素晴らしい。電子マネーを十分に活用できている人です。

即答できなかった人はぜひ、履歴を調べてみてください。

今まで履歴を見たことがない人、履歴の調べ方がわからなかった人は要注意です。お金が貯まらない原因は電子マネーの使い方にあるかもしれません。

お金が貯まる人は共通して、自分の財布にいくら入っているか把握しています。家計簿をつけていなくても、「財布から1万円札を取り出したのはあのときだから……」と感覚的にいくら使ったのか、いくら持っているのかを把握しているのです。

クレジットカードがはやりだしたころ、その手軽さから、必要以上の買い物をして家計が苦しくなる人たちがあとを絶ちませんでした。

家計相談の専門家に現金払いを勧める人が多いのは、現金だと支払った印象が強く残りやすく、ムダづかいを本能的に抑制できるようになるからです。

電子マネーはとても便利です。出かけるときもスマホ1つで電車やバスにも乗れて、コンビニやレストランでもキャッシュレスで支払いが可能。便利な反面、お金を使った感覚が薄れてしまい、今月いくら使ったのか把握できなくなってしまうのです。

では、電子マネーを使いこなすにはどうすればいいのでしょうか?

それは、現金払いと同じように、支払いのたびにお金が減っていくことを感じられるようにすればよいのです。

やり方は以下の通りです。

まずはオートチャージをオフにします。そして毎週月曜日に決まった金額をチャージして、その範囲で電子マネーを使うようにする。

こうすると、レジに並んで買い物をしたとき、残高が足りずに焦る思いをする場面も出てくることでしょう。後ろの列を気にしながらチャージするのはとても気が引けますが、この焦る体験がとても重要なのです。つまり、予算オーバーしていることを実感できるのです。

このような場面に遭遇すると、決済前にチャージ金額を確認する癖もついてくることでしょう。そのうち、「今日は木曜日なのにあと3000円しか残高がない。週末乗り越えられるかな?」「今週は先週よりもお金が余っているぞ」などと考えるようになると思います。

このようなことは手書きの家計簿だとひと苦労もふた苦労も必要ですが、電子マネーならば履歴を見れば一目瞭然です。

電子マネーの残高をゲーム感覚で確認できるようになれば、あなたは立派な電子マネー上級者です。

●SuicaやICOCAなど交通系電子マネー活用法

ここで少し厄介なのが交通系電子マネーです。

仕事で電車に乗る人が交通系電子マネーを使ってしまうと、自分のために使った金額なのか仕事のために使ったお金なのかが把握できなくなってしまうデメリットがあります。

せっかく週に一度、月曜日にお金をチャージすることが習慣化できたとしても、仕事で電車に乗るためにチャージしたお金を使わなくてはならなくなってしまったら、管理が難しくなってしまいます。

仕事でも交通系電子マネーを使うような場合は、定期的にチャージするときに、会社で精算した金額を一緒に加えてチャージするというような工夫が必要になってきます。

お金の先生! できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。
飯村久美(いいむら・くみ)
FP事務所アイプランニング代表。日本FP協会認定ファイナンシャル・プランナー。 学習院大学卒業後、安田火災海上保険(現・損害保険ジャパン)に入社。在籍中にファイナンシャル・プランナー(FP)資格を取得。退職後、自らの経験から、ファイナンシャルプランは「生活を守る手段」であるとともに、「やりたいことや夢を叶えるために必要なツール」と痛感。「個人の夢を応援し、家計から日本を元気に」という想いで、2006年FP事務所を開業。これまで手がけた家計相談は1000世帯を超える。 わかりやすく親しみやすい話しぶりから、テレビやラジオ出演、セミナー講師として幅広く活動中。著書に『子どもを持ったら知っておきたいお金の話』(KADOKAWA/中経出版)、『シングル女子の今日からはじめる貯蓄術』(成美堂出版)。監修に『一生お金に困らない! 貯め方・増やし方』(ナツメ社)がある。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)