本記事は、飯村久美氏の著書『お金の先生! できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています

「銀行口座」は2つ持つ

銀行口座
(画像=C-geo/PIXTA)

●お金が貯まらない理由を年収のせいにしない

お金が貯まらないのは、年収が低いからだけでは決してありません。

年収が高くても、貯まらない人はたくさんいます。

理由の1つは、お金が貯まる入れ物を用意していないことです。

たとえば、天井から水が漏れているとします。水がしたたり落ちるところにバケツがないと、水がだだ漏れになって床一面が水浸しになってしまいます。貯まらない人は、このようにお金がだだ漏れ状態になっているのです。

一方、お金が貯まる人は、お金をしっかり受け止めるバケツを用意しています。そのため、勝手にどんどん貯まっていくのです。

お金を貯めるには、「使う口座」と「貯まる口座」の2つが必要になります。

使う口座は、給料の振込先であり、家賃(住宅ローン)や保険料、水道光熱費、そのほかの生活費をストックしておく口座になります。

貯まる口座は、お金がただ貯まっていく一方の口座です。

2つを用意することで、お金が自動で貯まる第一段階は完了です。

ただ、ここで注意が必要です。

お金を貯める習慣がない人は、少しでもお金が貯まってくると、ついそこに手をつけてしまいがちです。

ですので、貯まる口座は、簡単には引き出せないものにしましょう。

たとえば、勤め先で申し込む、住宅資金や老後資金を蓄えるための「財形貯蓄」や民間の金融機関で申し込む「自動積立定期預金」など、ちょっと手間がかかる手続きが必要で、すぐにはお金を引き出せない仕組みになっている口座を用意してください。

●減っていく口座、増えていく口座

新たに銀行口座を契約するのはちょっと面倒という人には、今持っている口座の中でまったく利用していない口座、いわゆる休眠口座を復活させるのもいいかもしれません。

結婚する前に使っていたとか、アルバイトをしていたときに給与振込のために開設したとか、すっかり忘れてしまっている口座はありませんか?そのままにしていると、口座を維持するための手数料を取られるかもしれません。

この際、これらの口座も整理してみてはいかがでしょうか。

新たに口座をつくるときのポイントは、自分に合う使い方ができるかどうか。

銀行に預けていても、ほとんど金利がつかない時代だからこそ、少しでも金利が高い楽天銀行やSBI銀行などのネット系の銀行にするとか、自宅の近くに有人の窓口がある銀行にするなど、自分の使い勝手を考えて選びましょう。

貯まる口座をつくったときに気をつけるのは、その口座のキャッシュカードは持ち歩かないことです。

使う口座は次の給料日がくるまで、残高はどんどん減っていきます。

一方、貯まる口座は給料日を迎えるたびにどんどん増えていって、減ることがありません。この2つの口座の特性を利用すると、お金はどんどん貯まっていくのです。

口座は2つ。

無理なくお金を貯める基本と覚えておいてください。

お金の先生! できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。
飯村久美(いいむら・くみ)
FP事務所アイプランニング代表。日本FP協会認定ファイナンシャル・プランナー。 学習院大学卒業後、安田火災海上保険(現・損害保険ジャパン)に入社。在籍中にファイナンシャル・プランナー(FP)資格を取得。退職後、自らの経験から、ファイナンシャルプランは「生活を守る手段」であるとともに、「やりたいことや夢を叶えるために必要なツール」と痛感。「個人の夢を応援し、家計から日本を元気に」という想いで、2006年FP事務所を開業。これまで手がけた家計相談は1000世帯を超える。 わかりやすく親しみやすい話しぶりから、テレビやラジオ出演、セミナー講師として幅広く活動中。著書に『子どもを持ったら知っておきたいお金の話』(KADOKAWA/中経出版)、『シングル女子の今日からはじめる貯蓄術』(成美堂出版)。監修に『一生お金に困らない! 貯め方・増やし方』(ナツメ社)がある。

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