米国ノースダコタ州・ウィリストン市が、公共料金の支払いに暗号資産(仮想通貨)を利用できるようになったことを発表した。

暗号資産
(画像=月刊暗号資産)

同市の財務部長 であるHercules Cummings氏は「MicrosoftやFacebookなどをパートナーとする大手暗号資産決済プロセッサーであるBitPayと提携した」と説明。また暗号資産決済を導入する自治体はノースダコタ州としては初、全米では3番目の事例であることも併せて発表された。

現在、暗号資産での支払いが可能なのは公共料金の支払いのみとなる。なお、2021年6月からはGoogle Pay、Apple Pay、などでの支払いが可能になるようだ。年末までにはPayPalおよびVenmoによる支払いも可能になる予定としている。

Cummings氏は、「我々は既存の決済手段に遅れをとらないように、また、高まる市民の要望に応えていくために、さらに多くの決済手段を検討している。また、これらのオンライン決済手段を利用することで、セキュリティ、利便性、コスト削減などの多くのメリットがある」と語った。

またGoogle PayやApple Pay、PayPalでの決済では手数料が3%かかるのに対し、BitPayを介した暗号資産決済の手数料は1%となっていると、暗号資産決済の優位性についても説明した。

同氏によれば、暗号資産決済の方がセキュリティなどの面において通常のオンライン決済より安全だという。

近頃、米国では決済手段として暗号資産を導入する自治体が増えている。

今年2月には、フロリダ州マイアミ市が公共料金および市職員の給料の支払い手段にビットコインを導入している。同市は「暗号資産都市」を目指し、財務資金の一部をビットコインで保有することも検討中だ。

また、テネシー州のジャクソン市も今年4月、暗号資産を市の財政に導入しようと計画していることが明らかとなった。ビットコインをマイニングし、市のバランスシートに計上することを検討しているという。

さらに市から郡レベルで暗号資産を導入する動きも見られており、マイアミ市のデイド郡では、2021年4月に暗号資産による税金などの支払いを導入した際の影響やコスト試算などを調査する特別作業部会が提案された。(提供:月刊暗号資産