暗号資産(仮想通貨)取引所Bybitが、中国人ユーザーの利用制限を強化することが明らかとなった。25日、公式サイトで発表した。
発表によると、北京時間6月15日16時から中国国内のIPアドレスからのアクセスを制限するという。
さらに、現地ジャーナリストのWu Blockchainによると、中国国内の電話番号で登録されたアカウントについては停止措置が取られるという。
アカウント停止後も資産が凍結されることはないものの、引き出しには1〜2週間の時間を要するため、対象ユーザーに対して早めの引き出しを推奨している。
Bybitは昨年にも中国国内のIPアドレスからのアクセスに対し利用制限を設けているが、Wu Blockchainによれば、今回の措置は「最も厳しい措置」に値するものだという。
このような措置が取られた背景には、21日に中国国務院金融安定発展委員会においてビットコインのマイニングや取引を取り締まる方針が打ち出されたことが挙げられる。
国務院は取り締まりの詳細については明らかにしていないが、今後の見通しが不透明であることから、先行して対応を表明した格好だ。
近頃、中国の暗号資産を取り巻く状況は急激に変化しつつある。特にビットコインに対する風当たりは強く、金融秩序を乱す存在として中国政府では警戒心が高まっている状況だ。
中国では2017年に本土での暗号資産取引所運営や金融機関や決済企業による関連サービスの提供等を禁止している。
そういった状況でも暗号資産マイニングやOTC(店頭)取引などについては寛容な姿勢を見せていたが、電力消費問題や中国を取り巻く社会情勢などを踏まえてか、ここにきて一層規制の圧を強めてきた。
中国政府の方針を受けて対応を発表した取引所はBybitの他にも存在する。
大手取引所のHuobiは24日、中国ユーザーに対してマイニングサービスをはじめとする複数サービスの提供停止を発表。
また、同じく大手取引所のOKExも24日、独自暗号資産であるOKBトークン(OKB)と人民元のペアにおいて取引停止を発表した。(提供:月刊暗号資産)