米資産運用会社Wisdom Tree(ウィズダムツリー)が27日、米証券取引委員会(SEC)に対し、イーサリアムETF(上場投資信託)の申請を行なったことがわかった。
米国におけるイーサリアムETFの申請は、今月7日に提出された米資産運用会社VanEck(ヴァンエック)のイーサリアムETFに続き2例目となる。
SECに提出された目論見書によると、WisdomTreeのイーサリアムETFはシカゴ・オプション取引所(Cboe)傘下のBZX取引所へ上場することを目指しているようだ。
また、このETFの名称は「WisdomTree Ethereum Trust」となっている。なお、同社はすでにビットコインETFをSECに申請している。
米国ではこれまで複数の企業がビットコインETFをSECに申請を行ってきたが、承認されたケースは1度もない。
しかし、カナダなどでは暗号資産ETFの承認事例が相次いでおり、米国においても取扱いを目指し、ビットコインETFやイーサリアムETFの申請事例が続出している状況だ。
そのような状況で、SECはSkybridge(スカイブリッジ)とFidelity(フィリディティ)の両社が提出したビットコインETFの審査を開始した。
両ETFの申請は今年3月に提出され、Anthony Scaramucci氏率いるSkybridgeは投資顧問のFirst Trust Advisorsと提携し、New York Stock Exchange Arca(NYSE Arca)への上場を目指している。一方のFidelity は、Wisdom Treeと同様BZX取引所への上場を目指す。
審査は45日間における最初の可否判断があり、最大240日まで延長することができる。
Skybridgeの最初判断は7月5日前後までとし、最終判断は2022年1月16日前後まで。Fidelityは最初判断が7月9日前後までで、最終判断が2022年1月20日前後までとなっている。
SECは現在、上記2つを含む計6つのビットコインETFの審査を行っている。
しかし、米国で暗号資産ETFが承認された例がないため、最終判断が延期される可能性も十分に考えられる。
ETFはビットコインを直接購入するよりも資産管理の手間が小さく、通常の投資信託よりも取引コストは低くなる。
米国でのビットコインETFおよびイーサリアムETFの上場が実現すれば、機関投資家や個人投資家が暗号資産市場に参入しやすくなり、資金流入の期待も大きくなることから、その動向には兼ねてより注目が集まっている。(提供:月刊暗号資産)