オリコ発行のゴールドカードの中で、唯一旅行傷害保険に家族特約が付帯するのが「Orico Card THE GOLD PRIME」だ。還元率も高いカードだが、他にはどんなメリットがあるのだろうか?ここではこのカードのデメリットも含めて、特徴を紹介していこう。

1,カードの基本スペックと審査基準――非接触決済機能が充実

Orico Card THE GOLD PRIMEのメリット・デメリット
(画像=Orico Card THE GOLD PRIME公式サイトより)

「Orico Card THE GOLD PRIME」はオリコ発行のゴールドカードの中で、唯一旅行傷害保険に家族特約が付帯する。ポイントが貯まりやすく、非接触決済にも幅広く対応した使い勝手の良いクレジットカードだ。

カードの特徴の詳細を紹介する前に、まずは基本スペックを確認しておこう。

Orico Card THE GOLD PRIMEの基本スペック……年会費、ポイント還元率、付帯保険など

国際ブランド Mastercard
年会費 1万1,000円(税込)
※ウェブからの申し込みで初年度無料
家族カード無料
ポイントサービス オリコポイント
通常ポイント還元率 1%
ポイント交換対象 Amazonギフト券
Tポイント
JALマイル
ANAマイル など
空港ラウンジサービス 国内33空港+ハワイ・ホノルル+
韓国・仁川
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(利用付帯)
ショッピングガード(利用付帯)
追加カード 家族カード
ETCカード
電子マネー 【カード搭載機能】
iD
QUICPay
【Apple Pay経由】
QUICPay
【おサイフケータイ経由】
iD
QUICPay
【別途カード発行】
QUICPay

カードには、後払い式電子マネーのiDとQUICPayの機能が搭載されている。またMastercardコンタクトレス(非接触決済機能)にも対応しており、レジでのスピーディーな支払いが可能だ。

審査基準・審査難易度……年収300万~400万円以上が目安

申し込み資格は「原則として年齢20歳以上 安定した収入がある方」となっているため、明記されていないがパートやアルバイトでは審査に通りにくいと思われる。正社員でも勤続1年以上、できれば3年以上が望ましい。

審査に通過できる年収の目安は、300万~400万円以上と推測される。

ステータス性……信販系ゴールドの中ではそこまで高くない

信販系のクレジットカードは銀行系に次いでステータス性が高いとされているが、オリコは審査のハードルの低いカードも扱っているため、ゴールドランクといってもそこまで高いステータス性はない。

Orico Card THE POINTカードとの違い……サービス・ポイント面が拡充

オリコは多種多様なクレジットカードを発行しているが、貯まるポイントの種類や還元率から判断して、このカードの一般カードに該当するのは「Orico Card THE POINT」と考えてよいだろう。

「Orico Card THE POINT」との違いをまとめると、以下のようになる。

Orico Card
THE GOLD PRIME
Orico Card
THE POINT
税込年会費 1万1,000円
家族カード無料
無料
家族カード無料
通常ポイント還元率 1% 1%
オリコモール
特別加算ポイント
+1% +0.5%
その他の特別
加算ポイント
iD、QUICPay
利用分特別加算+0.5%
ショッピングリボ払い
分特別加算+0.5%
入会後6ヵ月間は
2%にポイントアップ
空港ラウンジサービス あり なし
付帯保険 海外旅行傷害保険
国内旅行傷害保険
ショッピングガード
なし
Orico Club Off
(各種優待)
あり なし

「Orico Card THE POINT」も十分ポイントが貯まりやすいカードだが、比較すると「Orico Card THE GOLD PRIME」のほうが保険や各種サービスが拡充されており、ポイントもより貯まりやすくなっている。

2,Orico Card THE GOLD PRIMEの5つのメリット――家族特約付き旅行傷害保険、空港ラウンジ、トラベルサービス、国内外20万ヵ所での優待、健康相談ダイヤル

ここからは、Orico Card THE GOLD PRIMEの主なメリットを5つにまとめて紹介しよう。

メリット1,家族特約付き旅行傷害保険、ショッピング保険が付帯

・旅行傷害保険……海外・国内とも最高5,000万円

オリコは数種類のゴールドカードを発行しているが、その中で唯一旅行傷害保険に家族特約が付いているのが「Orico Card THE GOLD PRIME」だ。

家族特約とは家族カードを持たない家族にも保険が適用されるというもので、このカードでは生計をともにする6親等内の血族および3親等内の姻族が対象。内縁の配偶者の子や、配偶者の子だが会員本人とは親子関係になっていないケースでも対象になるなど、適用範囲はかなり広い。ただし、その家族が仕事をしている場合は家族特約の対象とならない場合もある。

家族特約は、海外・国内両方の旅行傷害保険に付いている。それぞれの保険の内容は以下のとおり。

海外旅行傷害保険(自動付帯)

保険項目 補償内容
本会員・家族会員 家族特約対象者
死亡・後遺障害 5,000万円 1,000万円
傷害治療費用 200万円
疾病治療費用 200万円
携行品損害 100万円
(免責:1事故3,000円)
50万円
(免責:1事故3,000円)
賠償責任 2,000万円 1,000万円
救援者費用等 200万円

国内旅行傷害保険(利用付帯)

保険項目 補償内容
本会員・家族会員 家族特約対象者
死亡 5,000万円 1,000万円
後遺障害 5,000万円 1,000万円
入院保険金 3,000円(日額)
通院保険金(※) 1,500円(日額)
手術保険金(※) 入院中:入院保険金日額の10倍
上記以外:入院保険金日額の5倍
(※)事故日から8日目以降も入院・通院している場合、1日目から遡って支払われる

・ショッピングガード(ショッピング保険)……年間最高300万円

カードで購入した商品が、購入日より90日間破損・盗難・火災などの偶然の事故によって損害を受けた場合、年間最高300万円まで補償される(免責金額:1品につき1万円)。

――旅行傷害保険が海外・国内とも家族特約付きである点は、高く評価できる。年会費を考えると海外の傷害・疾病治療費用保険金が少し物足りない印象もあるが、自動付帯なので他のカードの保険と併用すれば保険金額を底上げできるだろう。

メリット2,空港ラウンジサービスのほか空港サービスの優待も

国内主要33空港と海外2空港(ハワイ・ホノルル、韓国・仁川)の空港ラウンジを本会員・家族会員とも無料で利用できる。対象空港は以下のとおり。なお空港ラウンジのほか、シティラウンジとしてホノルルとシンガポールにあるラウンジも無料で利用可能だ。

新千歳空港 函館空港 旭川空港 青森空港
秋田空港 仙台空港 新潟空港 富山きときと空港
小松空港 成田空港 羽田空港 富士山静岡空港
中部国際空港 関西空港 神戸空港 大阪国際(伊丹)空港
岡山桃太郎空港 米子鬼太郎空港 広島空港 出雲縁結び空港
山口宇部空港 高松空港 徳島空港 松山空港
北九州空港 福岡空港 九州佐賀国際空港 大分空港長崎空港
長崎空港 熊本空港 鹿児島空港 宮崎空港
那覇空港 仁川国際空港
(韓国・ソウル)
ダニエル・K・
イノウエ国際空港
(ハワイ・ホノルル)

この他、空港ではMastercardの特典として、空港クローク(防寒具一時預かり)の優待価格や、国際線利用時の手荷物宅配優待価格(500円)なども利用できる。

――多くのゴールドカードには国内主要空港のラウンジサービスが付帯するが、国内33空港・海外2空港が対象というのはかなり多いほうと考えてよいだろう。

メリット3,無料Wi-Fiサービス&トラベルサポートが充実

オリコカードの特典として旅行者用レンタルWi-Fiのレンタル料が5%オフになるほか、Mastercardの特典でも海外用携帯電話とWi-Fiレンタルが優待料金になる。

さらに、世界100万ヵ所以上のWi-Fiホットスポットを利用できるサービス「Boingo(ボインゴ)」が無料になる。ホットスポットは世界約100ヵ国の空港、ホテル、レストラン、交通要所、航空機内などに設置され、高速インターネットに最大4台まで接続できる。

その他、トラベルサポートとして以下のサービスや優待が提供される。

優待名 優待内容
海外パッケージ
ツアー割引サービス
各旅行会社のパッケージ
ツアーが3~8%オフになる
国内パッケージ
ツアー割引サービス
各旅行会社のパッケージ
ツアーが3~5%オフになる
海外・国内格安
航空券サービス
格安航空券を検索・
予約できるサービス
海外レンタカー優待 ハーツレンタカーが5%オフに、
ダラーレンタカーが15%オフになる
国内レンタカー優待 ニッポンレンタカー、日産レンタカー、
オリックスレンタカー、タイムズカーレンタルが5%オフに、
三菱レンタカーが20%オフになる
海外お土産
宅配サービス
出発前に選んだお土産を帰国日に合わせて
届けてくれるサービスを全品15%オフで利用できる
海外デスク 世界51都市の海外デスクでレストラン・
オプショナルツアー・各種チケットの予約、
現地病院やパスポート紛失時の手続きに
ついてサポートを受けられる
国際電話サービス カード払いで国際電話をかけられる

――海外デスクのサービスやレンタカー優待などを提供するクレジットカードは少なくないが、無料Wi-Fiサービスが付帯するカードはそう多くない。国内にも数多くのWi-Fiホットスポットがあるので、旅行の際はもちろん普段使いにも重宝するサービスといえるだろう。

メリット4,国内外20万ヵ所で優待を提供する「Orico Club Off」が付帯

優待サービス「Orico Club Off」では国内約2万2,000軒の宿泊施設が最大90%オフになるほか、国内外20万ヵ所の施設(ホテル・旅館・テーマパーク・映画館・日帰り湯など)で優待価格が提供される。優待の一部を紹介しよう。

優待対象店舗など 優待内容
ドミノピ 15%オフ
白木屋 10%オフ
牛角 500円オフ
リーガロイヤル
ホテル広島
すべてのレストラン&バーで15%オフ
イオンシネマ 映画鑑賞チケット一般1,800円→1,300円
MOVIX&
松竹系映画館
映画鑑賞チケット一般1,800~1,900円→1,300円
鴨川シーワールド 入園料(高校生以上)3,000円→2,700円など
レゴランド東京 入場券(全日券)2,500円→1,250円など
サンリオピューロランド 休日パスポート(大人)3,900円→3,700円など
富士サファリパーク 入園料(高校生以上)2,700円→2,400円など
東武動物公園 入園料(大人)1,800円→1,500円など
カラオケ
JOYSOUND直営店
室料 JOYSOUND会員料金より30~50%オフ
ビッグエコー 室料20~30%オフ

――このような優待サービスは他のクレジットカードにも見られるが、「Orico Club Off」では割引率が比較的高いようだ。

メリット5,24時間365日対応の健康相談ダイヤルを利用できる

24時間365日対応してくれる健康相談ダイヤル「オリコマイドクター24H」では、保健師や看護師などの医療スタッフが相談に応じてくれる。相談内容によっては、各分野の専門医にも取り次いでもらえるので安心だ。具体的な対応内容は、以下のとおり。

・最寄りの専門医を案内
約16万件の医療機関情報と約22万件の専門医情報から、症状に応じて適切な医療機関を案内してもらえる。

・専門医の電話によるセカンドオピニオン
看護師や保健師の資格をもった医療スタッフが困りごとや症状をヒアリングし、250名の専門医から医師を選出。トリオフォン(3者間通話システム)で専門医から診断や治療法についてのアドバイスを受けられる。

・医療機関への相談情報提供書の発行
医療スタッフがヒアリングした症状や要望を要約した「相談情報提供書」が発行され、それによって病院でのスムーズな受診が可能になる。

――緊急時の相談はできないが、慢性的な症状などがあり病院に行くべきかどうか迷うようなときは、非常に役立つサービスといえるだろう。

3,ポイントサービス、還元率――高還元率カードとして評価が高い

ここからは、このカードのポイントサービスについて見てみよう。ポイントサービスの概要は以下のとおり。

貯まるポイントと還元率……通常1%還元

貯まるポイントは「オリコポイント」で、クレジット支払い100円ごとに1ポイント(1円相当)が貯まる。ポイント還元率は1%。ただし、ポイント有効期限は獲得月を含めて12ヵ月後の月末までと短いので注意が必要だ。

貯まるポイント オリコポイント
ポイントの貯まり方 100円ごとに1ポイント
通常還元率 1%
有効期限 獲得月を含めて12ヵ月後の月末

ポイントの交換対象……多種多様なポイント・マイルに交換可能

ポイントは商品券やオンラインギフト券、他社ポイント・マイルなどに500ポイントから交換可能。交換対象と必要ポイント数などは、以下のとおり。

「オリコポイント」の交換対象

ポイント移行・交換対象 交換対象単位 必要ポイント数
ANAマイレージクラブ  600マイル 1,000P
JALマイレージバンク  500マイル
楽天ポイント 700P
Tポイント 1,000P
dポイント
Pontaポイント
auポイントプログラム
WAONポイント
Google Play ギフトコード 1,000円分
nanacoギフト
Amazonギフト券 500円分 500P
iTunesギフトコード
UCギフトカード 5,000円分 5,500P

――交換できる他社ポイントの種類が多く、マイルはJALとANAのどちらにも交換できるので、ポイントやマイルをまとめたい人にとっては便利に使えるポイントサービスといえるだろう。

ポイントアップの3つの方法……ネットショッピングで2.5%還元

通常のポイント還元率が1%なので、それだけでも高還元率カードといえる水準だが、さらなるポイントアップも狙える。

・方法1,「オリコモール」経由のネットショッピング
ネットショッピングの際、ポイントサイト「オリコモール」を経由すると、通常のクレジット利用ポイント1%分のほか、オリコモール特別加算として1%分がプラスされる。さらに、ショップごとに設定されたポイント(0.5%~)が加算される。例えばAmazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどでは2.5%還元となる。

・方法2,カード搭載電子マネー利用分に+0.5%
カード搭載の電子マネーiDやQUICPayを使うと、通常のクレジット利用ポイント1%に加えて0.5%分が特別加算され、合計で1.5%還元となる。

・方法3,リボ払い分に+0.5%
ショッピングリボの利用分は、通常のクレジット利用ポイント1%に加え0.5%分が特別加算され、合計で1.5%還元となる。ただし、リボ払い手数料を考慮すると実質的にはポイントアップとならないので注意したい。あくまでも、他のカードのリボ払いと比較する際の参考にしてほしい。

――このように、ネットショッピングでは「オリコモール」を経由し、電子マネーが使えるところではiDやQUICPayで支払うことで超高還元率を狙える。これも「Orico Card THE GOLD PRIME」の魅力といえるだろう。

4,Orico Card THE GOLD PRIMEの2つのデメリット――国際ブランド、ポイントサービス

「Orico Card THE GOLD PRIME」はスペックと年会費のバランスの良いカードだが、あえてデメリットを挙げるとすれば、以下の2点になるだろう。

デメリット1,国際ブランドはMastercardのみ

Mastercardは世界各地で加盟店数が多く、その点では使い勝手に問題はない。しかし、すでにMastercardブランドのカードを持っており、次は別の国際ブランドのカードを検討していた人にとっては、Mastercardしか選べないことがデメリットになるだろう。

デメリット2,ポイントの有効期限が短い

ポイントの有効期限が1年間と短く、また500ポイントからの交換であるため、年間利用額が少ない場合は500ポイントに達する前にポイントが失効してしまう可能性がある。

500ポイントは年間5万円のクレジット利用で貯まるため、メインカードと使っていればその心配はないが、サブカードとしてたまにしか使わない場合は注意が必要だ。

5,Orico Card THE GOLD PRIMEはどんな人におすすめ?

家族特約付きの旅行傷害保険と無料Wi-Fiサービスが付帯するという特徴から、旅行が多い人におすすめのカードといえるだろう。また、「Orico Club Off」の優待は国内旅行、特に家族での旅行やレジャーがかなりお得になるので、家族で出かける機会の多い人にもおすすめできる。

執筆・モリソウイチロウ(ライター)
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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