2021年8月5日11時時点に神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日4日(水)の米ドル/円は安値更新後に急反発。米7月ADP全国雇用者数が予想を大幅に下回った事から108.72円前後まで下落して5月後半以来の安値を付けたが、米7月ISM製造業景況指数が過去最高水準を記録した上に、クラリダFRB副議長が「2023年に利上げを開始できる状況にある」との認識を示した事で109.67円前後まで1円近く急反発した。本日5日(木)の仲値公示前後には109.69円前後まで上昇する場面もあった。

現在の為替相場の戦略やスタンス

前日にはウォラーFRB理事も「9月までにテーパリングを発表する準備は整いうる」などと発言しており、ここにきてFRB高官からタカ派発言が増えている。FRBは米長期金利の「下げ過ぎ」をけん制しているのではないだろうか。今月26(木)~28日(土)のジャクソンホール・シンポジウムでのパウエルFRB議長によるテーパリング宣言に向けた地ならしと見る事もできる。いずれにしても、早期テーパリングや早期利上げへの期待が再燃した事で、米長期金利とドルの低下余地は縮小したと考えられる。明日6日(金)の米7月雇用統計が市場予想に沿った良好な結果となれば(7月ADP全国雇用者数の下振れを受けて不安はくすぶるものの)、米ドル/円は110円台を回復する可能性が高まるだろう。なお、本日5日(木)は米新規失業保険申請件数の結果にも注目が集まりそうだ。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。