ロジハラを防ぐ3つの観点

事業主は、パワハラ防止措置として会社の方針・規定の策定や労働者への周知・徹底が求められる。そもそもロジハラによって被害者および組織全体に悪影響が及ぶことは、避けなければならない。ロジハラは、相手のミスや業務態度、考え方の相違などに対して正論による戒めがきっかけとなることも多い。

そのため立場や人間関係によって誰でもロジハラをしてしまう危険性がある。労働者への指導の際にどのような点に気をつけるべきかを確認しよう。

1.相手に受け入れてもらうような言い方が大切

自分が正しいと思っていても周りの人が必ず受け入れてくれるとはかぎらない。自分が正しいと思うときこそ相手に受け入れてもらえるような言い方をすべきである。上から目線の威圧的な言い方ではなく丁寧に順を追って相手が理解できるように説明することが大切なのだ。相手が「なるほど」と思うような言い方となるよう気をつけたい。

2.「正論」が正しいとは限らない

自分が正しいとは絶対に思わず謙虚な姿勢で相手の意見を傾聴することも大切だ。「相手の意見に共感ができるところ」「自分の考えと違うところ」をしっかりと分けて整理し自分の考えに不足している部分を取り入れるようにしよう。「正論ばかりを振りかざして相手の意見を取り入れない」ということだけは絶対に避けたい。

3.相手の立場を理解する

ロジハラを防ぐためには、何よりも相手の立場を理解することが大切だ。相手の立場に立って今一度自分の考えを再考し自分の言葉によって相手がどのような気持ちになるのかを考えるようにしたい。自分がよかれと思って言ったことでも相手を気がつかないうちに追い詰めてしまうこともある。組織の中では、自分の考えに固執せず相手を尊重する気持ちがないと人の気持ちを動かすことは難しい。

ロジハラから身を守る3つの方法

なかには、自分の職場にロジハラをするタイプの人がいるため自分がロジハラを受けないか不安を感じている従業員もいるかもしれない。ロジハラ防止措置として規定を文書化するだけでなく、従業員研修などでロジハラから身を守るにはどうすべきか、その対処方法を周知することも必要だろう。

社内でのロジハラ防止啓発のためにも経営者や相談窓口担当者はロジハラからの身の守り方を正しく知っておこう。

1.傾聴する

ロジハラをする人は、話し合いの場面で周りから避けられていることも少なくない。しかも自分の意見が正しいと思っている人が多い傾向のため、対立する意見を出すと自分の考えに固執して他人の考えに耳を貸さなくなることもあるだろう。そのような人でも、傾聴し意見をある程度取り入れることで満足する場合もある。

ただし傾聴するほど精神的に余裕がない場合には、他の方法を考えるのがよいだろう。

2.上司に相談する

職場のハラスメントすべてに共通することだが上司や周りの人に相談することは重要だ。就業環境を害するような威圧的で相手を追い詰めるようなロジハラは、一人で抱え込んでも解決することは難しいだろう。ストレスが大きくなりすぎると体調不良や病気の原因にもなりかねない。ハラスメントと感じるようであれば職場の上司や同僚に相談し「対処を任せる」という選択肢もある。

3.距離をあける

対処法を実行するほど精神的に余裕がない場合には、一定の距離をとって関係を必要最小限にせざるを得ない。ロジハラをするのが直属の上司の場合には難しいケースもあるが必要以上に関わらないように距離をあけることも適切な方法の一つだ。