2日、イーサリアム価格は前日比約11%上昇し、40万円台を突破した。イーサリアムが40万円台を突破するのは今年5月以来となる。
イーサリアムの価格上昇に後押しされる形で、ビットコインも価格を上げている。軟調な推移を見せていた1日とは打って変わり、前日比6%上昇して545万円を上抜けた。
ドルベースで見ると約4万9500ドルとなり、先月23日に一時上抜けた5万ドルを見据えた攻防が始まるものとみられる。イーサリアムにおいても、大きな節目である4000ドル(約44万円)を今後意識することになりそうだ。
イーサリアムは8月に大型アップデートを終え、その後順調に価格を伸ばしている。特に手数料モデルを変更とする「EIP-1559」が実装され、ETHの発行ペースがこれまでよりも鈍化することも影響しているものとみられる。
また、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)の市場規模が拡大傾向にあることもイーサリアム価格に影響を及ぼしていると言える。
特にDeFiは今月に入り、今年5月に記録したDeFiプラットフォームへの預入額が過去最高を更新するなど、さらなる需要増が顕著になっている。
NFTにおいても、人気マーケットプレイスであるOpenSeaにおける週間出来高が初めて10億ドル(1,100億円)を突破した。OpenSeaでは8月に入り出来高が急増し、過去最高を更新し続けている。
これらの分野とイーサリアム は非常に密接な関係にある。実際にイーサリアムの技術が活用され、こうした分野が順調に需要を高めていることで、好循環が生まれていると言えそうだ。
主要銘柄の上昇に伴い、2日の暗号資産(仮想通貨)市場は全面高の様相を見せている。近頃、イーサリアムと同様に価格を伸ばしていたソラナ(SOL)やポルカドット (DOT)などのDeFi銘柄は落ち着きつつあるが、その反面、これまで出遅れ感のあった銘柄が反発を見せている状況だ。
今後、直近における暗号資産市場を左右するイベントとしてはエルサルバドルでのビットコイン法施行や、カルダノの大型アップデートなどが挙げられる。
また昨年は秋頃から機関投資家などの参入が相次ぎ、暗号資産市場が活性化した。暗号資産市場は年末にかけて大きく価格が変動する傾向も見受けられるため、引き続き市場動向を注視した方がいいだろう。(提供:月刊暗号資産)