多くの富裕層が知らない「バランスシートにレバレッジをかける方法」
(画像=PIXTA、ZUU online)

資産を効率よく増やすためのキーワードの1つが「レバレッジ」であることは多くの人が賛同することだろう。資産運用において、レバレッジをかける方法として一般的なのが「不動産担保ローンの活用」「株式投資における信用取引」「証拠金の何倍もの外国為替取引が可能になるFX」の3つだ。

一方、富裕層にとって資産を増やす有益な方法となりえるにもかかわらず、あまり知名度が高くない方法がある。保有している有価証券を担保に資金を借りることができる「証券担保ローン」だ。今回は特集『「証券担保ローン」活用術 持ち株でレバレッジをかけよ』と銘打ち、全2回に渡って、証券担保ローンについて考えていこう。

証券担保ローンとは

証券担保ローンとは、文字通り有価証券を担保に差し入れて、資金を借りるローンのことだ。なお本特集は「持ち株でレバレッジをかけよ」を銘打っているが、担保価値があるのは株式だけではない。債券や投資信託を担保に資金を借りることも可能だ。つまり、証券担保ローンは「個人のバランスシート(内の有価証券)にレバレッジをかける」ことができる方法ということだ。

通常、株式や債券、投資信託への投資には長期でレバレッジをかけることができない(株式投資には信用取引があるが、制度信用取引は6ヵ月でポジションを閉じる必要がある)。しかし、証券担保ローンを活用すれば、借り入れた資金で新しく有価証券を購入することで、株式や債券、投資信託にレバレッジをかけて長期運用することが可能だ。

サービス内容は各金融機関によって若干異なるものの、差し入れる有価証券によって担保掛け目(日本国債は時価の80%、国内株式は時価の50%など)が設定されており、その範囲内で借り入れすることができる。たとえば、1億円の有価証券を担保に入れて、掛け目が50%だった場合、最大5,000万円まで借り入れることができるというわけだ(永続ではない)。掛け目は有価証券の流動性、時価総額、投資対象、格付けなどによって変動し、基本的にはリスクが低い有価証券ほど掛け目が高い。

証券担保ローンと他のレバレッジ方法を比較

前述のように、レバレッジをかける一般的な方法には不動産担保ローン、信用取引、FXの3つが挙げられる。これに証券担保ローンを加えて、それぞれの特徴を比較してみよう。