ビットコイン(BTC)で長期ホルダーの利確者が続出し始め調整状態であるのを傍目に、イーサリアム(ETH)が着々と上昇している。日本時間29日午前には約4404ドル(約50万円)を突破し、史上最高値を更新した。

イーサリアム、節目の50万円突破し史上最高値更新
(画像=月刊暗号資産)

背景には、先日27日に行われた大型アップグレード(Altair)が行われたことがある。イーサリアムはアップグレードが行われるたびに価格が上昇する傾向が強い。暗号資産の主軸とも言えるビットコインは、日本円などの法定通貨と同じ、決済や、価値の保存手段としての役割がメインだ。

対して、イーサリアムは「スマートコントラクト」という技術を用いて、分散型アプリケーション(dApps)の開発を行うために発案された。アプリケーションシステム開発のプラットフォームであり、その中で使われる通貨をイーサリアム(ETH)と呼んでいる。

イーサリアムの技術は金融だけではなく、不動産取引や電力、登記など、多岐に渡る利用が考えられている。イーサリアムのdAppsでは、統治する管理者が存在しない「非中央集権型システム」で運用可能だ。ブロックチェーン技術を利用し「非中央集権」アプリを利用することで、人為的なミスや内部不正を防ぐことができる。分散型取引所(DEX)や、ゲームなど約1,000個以上のdAppsがリリースされている。

dAppsが多くリリースされれば、イーサリアムの実需要も高まっていく。アップグレードで進化するたびに安全性や機能性が増し、より需要が高まる。このサイクルを経ることで、イーサリアムの価格もますます高まっていく。このような理由も要因の1つとなり、暗号資産の中ではビットコインに次ぐ支持を受けている。

記事執筆現在の時価総額は約59兆円。高値更新を受け、ますます需要が高まっていく可能性が高い。連日の高騰に沸くシバイヌコイン(SHIB)のような一時的なものではなく、イーサリアムは実需要を重要視されて上昇していることから、暗号資産の中でも非常に堅実な通貨の1つであると言えるだろう。

現在の価格より上値は売りも入りやすいため、一時的には揉み合いになることも予想される。しかし、実需要分は手放されることもなく、大きな下落は考えづらい。サポートが4300ドル(約48万8,000円)と4100ドル(約46万5,000円)にできているため、もし下落したとしても下値で踏みとどまる傾向が強い。そして価格が落ちなければ上値を試していく展開になることが予想される。(提供:月刊暗号資産

イーサリアム、節目の50万円突破し史上最高値更新
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