毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか、迷ってしまう方も多くいるかと思われます。このコーナーでは、読書家が集まる本の要約サイト「flier(フライヤー)」にてアクセスの多かった書籍を、金融業界のユーザーに絞って毎月ランキング形式でご紹介しております。皆様の書籍選びの参考になれば幸いです。

無駄,ゴミ,ゴミ箱
(画像=PIXTA)

目次

  1. 脳の「ゴールデンタイム」
  2. 「それでいい」って言っていませんか?
  3. 結論から話さない?
  4. 99%の「ムダな努力」
  5. スマホや人と距離を取る
  6. 編集後記

第1位:『神・時間術』(樺沢紫苑著、大和書房)
第2位:『気くばりがうまい人のものの言い方』(山﨑武也著、三笠書房)
第3位:『説明の一流、二流、三流』(桐生稔著、明日香出版社)
第4位:『自己肯定感のコツ』(植西聰著、自由国民社)
第5位:『がんばらない戦略』(川下和彦、たむらようこ著、アスコム)
第6位:『「会社がしんどい」をなくす本』(奥田弘美著、日経BP社)
第7位:『アフターコロナのニュービジネス大全』(原田曜平、小祝誉士夫著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第8位:『世界で活躍する人の小さな習慣』(石倉洋子著、日本経済新聞出版社)
第9位:『なぜ、あなたは他人の目が気になるのか?』(根本裕幸著、フォレスト出版)
第10位:『気持ちよく人を動かす』(高橋浩一著、クロスメディア・パブリッシング)

※本の要約サイト「flier(フライヤー)」の有料会員のうち、金融業界に所属するユーザーを対象にした、2021年10月の閲覧数ランキング

脳の「ゴールデンタイム」

10月の第1位は『神・時間術』でした。銀行と保険の関連企業にお勤めの方々に最もよく読まれました。ベストセラーを連発する精神科医で作家の樺沢紫苑氏による2017年の著作です。

日々の仕事には、集中力を要する「集中仕事」と、そうでない「非集中仕事」があるのをご存じですか。集中仕事は「脳のゴールデンタイム」と呼ばれる起床直後の2、3時間のうちにさばくのが効率的だと、樺沢氏は言います。

「そんな朝早くに仕事できないよ」という方もご心配いりません。他に、「休憩した直後」、「就業間際」、「締め切りの前日」なども「集中力の高い時間」とされています。仕事の能率や時間配分に悩んでいた方は必見の一冊です。

神・時間術
神・時間術
樺沢紫苑
出版社:大和出版
発売日:2017年04月25日
ジャンル:自己啓発・マインド、生産性・時間管理、サイエンス、健康・フィットネス

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「それでいい」って言っていませんか?

続いて第2位は『気くばりがうまい人のものの言い方』でした。優れた観察眼に裏打ちされたベストセラー『心を打つちょっとした気の使い方93』などを手掛けたビジネスコンサルタントの山崎武也氏による作品です。

会議や商談で空気を読まない発言をし、微妙な雰囲気が漂ってしまった……。そんな冷や汗ものの経験をしたことがある方も少なくないでしょう。本書は、日常のさりげない言葉遣いのあんばいで、相手に与える印象はぐっと変わると説明します。

「感謝の気持ちを伝えたいときは、お礼だけでなく、自分の感想も加えよう」

「「それでよい」ではなく「それがよい」と言おう」

すぐに取り組めるコツが詰まった一冊。書かれていることを実践すれば、きっと気くばり上手な人に生まれ変わっているはずです。

気くばりがうまい人のものの言い方
気くばりがうまい人のものの言い方
山﨑武也
出版社:三笠書房
発売日:2019年11月20日
ジャンル:自己啓発・マインド

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結論から話さない?

第3位は『説明の一流、二流、三流』でした。第6位だった9月のランキングに引き続き、金融業界全般において幅広く読まれ続けています。

社会人になってから、説明する際は「結論から話すように」と先輩社員などから諭された記憶がある人も多いはずです。しかし、その教えを後生大事に守り、「常に結論から話そう」とするのは二流の考え方だと、本書は言います。状況に応じて結論からでなく、背景から伝えるなど、「相手の頭の中から考えはじめる」。それが一流の説明です。

本書は他にも、「説得力が増す説明」、「プレゼンや人前での説明」など、目的や場面ごとに効果的な説明法を一流、二流、三流に分けて紹介していきます。試して損のない、いずれも納得感のある合理的な流儀が満載です。

説明の一流、二流、三流
説明の一流、二流、三流
桐生稔
出版社:明日香出版社
発売日:2021年07月21日
ジャンル:スキルアップ・キャリア

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99%の「ムダな努力」

ここからは、第4位以下から注目の書籍をピックアップしていきます。

まずご紹介するのは第5位の『がんばらない戦略』です。証券界に携わる方々の間では1位にランクインしました。

物語形式で進む本書は、がんばることが何より大切とされる「ガンバール国」の主人公・ミサキが、がんばることに飽きてしまうところから始まります。そんなミサキが、がんばらない国民ばかりなのに成果を出し続ける「ガンバラン王国」で、飛び込み営業で断られるたびに喜んでいる人など、個性豊かな人々と出会い、がんばらずに成果を出す術を学んでいきます。

本書のタイトルは、一読すると消極的に聞こえるかもしれません。しかし勘所は、サブタイトルにある通り「99%のムダな努力を捨て、1%に集中する」ことにあります。ムダを極力省き、最大限の成果を発揮する。その要諦がスルスルと頭に入ってくる、読みやすい一冊です。

がんばらない戦略
がんばらない戦略
川下和彦、たむらようこ
出版社:アスコム
発売日:2021年02月22日
ジャンル:自己啓発・マインド

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スマホや人と距離を取る

最後は第6位の『「会社がしんどい」をなくす本』です。産業医として日々ビジネスパーソンと向き合っている精神科医の著者が綴った、効果的なストレス対処法を示す一冊です。

ただでさえストレスが多い現代、新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中で、人々の心労は過去に類を見ないほどに鬱積しています。本書はまず、日本のビジネスパーソンが感じるストレスの背景に、「同調圧力」があると分析し、元凶を解きほぐしつつ、対処法を紹介していきます。例えば、メンタルや体調の不良の原因となる「過緊張」を和らげるには、「緩み時間」をつくることを勧めます。「睡眠を優先する日を作る」「帰宅したらスマートフォンから離れる」、「休日は人に会わない、遠出しない」と具体策を提示しています。

「もしかしたら自分も過緊張かも……」と気になった方、語り掛けるような優しい筆致の本書を、ぜひご一読ください。

「会社がしんどい」をなくす本
「会社がしんどい」をなくす本
奥田弘美
出版社:日経BP社
発売日:2021年06月07日
ジャンル:自己啓発・マインド、健康・フィットネス

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編集後記

今回の月間ランキングでは、第2位『気くばりがうまい人のものの言い方』、第3位『説明の一流、二流、三流』、第8位『世界で活躍する人の小さな習慣』のように、上手な話し方をしたり、活躍したりしている人を見習い、やり方を学べる著書が目立ちました。また、最新刊が9月のランキングにも入っている樺沢紫苑さんの『神・時間術』は堂々の第1位で、業界内で幅広く支持されている様子がうかがえます。

11月はどのようなランキングになるのか、引き続き注視してまいります。

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