日本円に連動したステーブルコイン「JPYC(JPY Coin)」を取り扱うJPYCは10日、Headline Asiaをリード投資家として、Circle Venturesなど国内外の投資家から約5億円のシリーズA資金調達を実施したことを発表した。

JPY
(画像=月刊暗号資産)

Headline Asiaは、アジアを中心に4つのファンドで累計300億円を運用するグローバルな独立系ベンチャーキャピタルファンドだ。

またCircle Venturesは、米ドルに連動したステーブルコイン「USDC」を発行するCircle社のベンチャー・キャピタル部門である。アーリーステージのブロックチェーン企業への投資に特化した新規ファンドとして立ち上げられ、JPYCはCircle Venturesの最初の投資先となった。

今回の資金調達により、JPYCは発行体としての安定化、運営力・開発力の強化、第三者型前払式支払手段の取得を目指すという。

Circleの創業者兼CEOのJeremy Allaire氏は「JPYCはCircle Venturesが求めている革新性と粘り強さを持ち合わせている。JPYCチームは新しい発想で法規制を遵守しつつ、 デジタル通貨の価値・良さを引き出していると思う」とコメントしている。

JPYCは2019年11月に創業し、2021年1月に日本初のERC20規格の日本円連動ステーブルコイン「JPYC」を発行。イーサリアムをはじめ、ポリゴンやxDaiのブロックチェーンにも対応しており、1JPYC=1円で物品の売買等に利用することができる。また、二次流通市場で日本円建てのコインとしても利用可能だ。

なお、JPYCは資金決済法上の「自家型前払い式支払い手段」に属し、正確には暗号資産に分類されない。

日本国内で暗号資産を取得する場合、主な方法としては取引所を介して円を暗号資産に変換するか、保有している暗号資産のプロジェクトによるエアドロップ、またはマイニングを行うことが挙げられる。取引所は手数料がかかり、マイニングであれば個人での参入が難しいなどの課題がある。

一方、JPYCではSuicaなどと同様、前払い式で簡単にアクセスすることが可能だ。また、暗号資産や他のモノ・サービスへのアクセスも比較的簡単であるという特徴がある。(提供:月刊暗号資産