2021年11月12日8時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
昨日11日(木)のNY市場ではドルが続伸。ユーロ/米ドルは約16カ月ぶりの安値を更新。安値は1.1443ドル付近。一昨日10日(水)に発表された米消費者物価指数(CPI)が約31年ぶりの大幅な伸びを記録したことが引き続き材料視されている展開。一方、先週RBAがYCC(イールドカーブ・コントロール)から撤退したことは、マーケットで引き続き話題になっている。JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーのエコノミストのベン・ジャーマン氏は「YCCを中止したことで、RBAの信頼性は大きく損なわれた。なぜなら市場は中央銀行の発表を信用するよりも、データの期待値で値踏みするように変わってしまったからだ。」と批判している。これに対し豪州のローカルのトレーダーなどは全く気にしていない。高騰しているインフレに対し、RBAが金融政策のスタンスを変更するのは当然というわけだ。RBAのYCC撤退に関しては、賛否両論だが、先週のRBAのYCC撤退報道から、AUDが続落していることは変わらず。
現在の為替相場の戦略やスタンス
個人的には、先週2日(火)のRBAの決定が豪ドルの方向を変えたことに加え、米国の金利が底堅いことも相まって豪ドル/米ドルの下値余地が拡大していると想定している。一方、鉄鉱石も下げ止まらず、現在1トン当たり84.50ドルと軟調に推移したまま。振り返れば、5月には220ドルレベルまで高騰していたので、かなりの暴落。これも豪ドルに対してネガティブ。戦略的には豪ドル/米ドル、豪ドル/円の戻り売りで臨みたい。
西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。