2021年12月8日10時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
先月11月2日にRBAがYCC(イールドカーブ・コントロール)から撤退したことをきっかけに、豪ドルが全面安。加えて、オミクロン株の影響もあり、原油も株も反落といった展開。この意味において、西原氏は昨日7日(火)のRBAに注目していた。RBAでは重要な決定はなされなかったが、ロウRBA総裁のコメントからは、来年2022年2月のRBAは、かなりタカ派のものになるのではないかとの意見が増えている。これは豪ドル/米ドルのポジティブなファクター。そして今回もRBA前後に、仮想通貨、日経平均といったリスクアセットが回復基調に入り、豪ドルが反発基調に転じている。
現在の為替相場の戦略やスタンス
もう一つ、上昇したコモディティが原油。上昇のきっかけは、バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領によるビデオ会談。ウクライナ国境にロシア軍が集結する事態を巡り、両首脳が緊張緩和を図った展開。ホワイトハウスの声明によれば、バイデン氏はプーチン氏に対し、ロシアのウクライナに対する動きが軍事的にエスカレートした場合、米国は同盟国と共に経済面などで強力に対応すると伝えた。そしてロシアがウクライナに侵攻した場合、米国は海底ガスパイプライン「ノルドストリーム2」の停止に合意するようドイツに求める方針だと報道されている。ブルームバーグによれば、米政府はドイツ新政権に対し、そうした状況下になればプロジェクトを停止するとの確約を求めているという。これが原油を押し上げた展開となり、WTI原油先物は71.56ドルで引けている。今回もRBA前後からマーケットのセンチメントが一転し、コモディティが堅調。米ドル/カナダドルの戻り売りと、豪ドル/米ドルの押し目買いで臨みたい。
西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。