2021年12月10日8時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

中国恒大集団は流動性危機の中で初めて、ドル建て債でデフォルトに陥った模様。今週6日(月)に猶予期間を終了したドル建て債の利払い不履行によって、フィッチ・レーティングス(民間格付け会社)が長期発行体デフォルト格付けを「一部債務不履行(RD)」に引き下げた。192億ドルのドル建て債保有者は大幅な債務減免要請に見舞われそうだ。この中国恒大集団の報道は基本的に豪ドルのネガティブ要因。ただ既報のように7日(火)のRBAをきっかけに反発を開始した豪ドルは底堅く推移したまま。

現在の為替相場の戦略やスタンス

先月のRBAをきっかけに豪ドル、株、原油、最後は仮想通貨とリスクアセットが総崩れになった相場だが、今回は7日(火)のRBA後、豪ドルや株、そして仮想通貨も底堅くなっている。7日(火)のRBA後の会見では、ロウRBA総裁は、キャッシュ・レートは据え置き、2月中旬まで週に40億ドルの国債購入を継続するという、おなじみの言葉で進行。ロウ総裁は、インフレ圧力については、上昇したことを認めたが、銀行の目標範囲である2%から3%にはまだ達しておらず、銀行が来年の早い時期に利上げを検討するには、かなりの上昇が必要であることを示唆。しかし、市場ではもっと早い時期に実施されると考えられている。一部のファンドは、早ければ来年3月の利上げを織り込み始めており、豪州の大手4銀行も、固定金利ローンの微調整を始めている。豪州の住宅ローン市場で最大のシェアを持つオーストラリア・コモンウェルス銀行は先月、持ち家向けと投資家向けの住宅ローンの金利をそれぞれ0.30%と0.60%引き上げた。これは6週間で3回目の引き上げとなる。市場では、来年5月頃に15bpベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げが実施され、年内にさらに3回の追加利上げが実施される可能性があるというのが一般的な見方になりつつある。よって戦略としては豪ドル/米ドルと英ポンド/米ドルの押し目買いで臨みたい。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。