2021年12月15日11時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

市場の注目は、日本時間明日16日(木)日本時間早朝に予定されているFOMC。FOMCではテーパリングのペース加速を決定し、利上げに向けてより積極的な姿勢を示すことがほぼ確実視されていると、ブルームバーグが報道している(表現を変えれば、タカ派なスタンスになるのは織り込み済みともいえる)。パウエルFRB議長が先月、タカ派寄りに傾斜して以降に発表された経済指標は、インフレ懸念をあおる内容となっていることが要因。ブルームバーグ・エコノミクスはFOMCが債券購入の縮小額を月300億ドルと、これまでの2倍にし、購入を来年3月に停止することを表明すると予想。声明については、物価圧力を「一時的」とは表現しない、との見方を示す。金利予測分布図に基づく2022年の利上げ予想回数は3回になるとみているようだ。呼応して、ドルインデックスは上昇。繰り返しになるが、今回のFOMCはタカ派なスタンスになるのは織り込み済みともいえるため、一時的な上昇は別として、ドル金利があまり上がらず、ドルが反落するリスクも想定しておいたほうがいいと考えている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

FOMCとは別に米銀のストラトジストが中国株に対して、強気のスタンスであることに、個人的には注目している。クリスチャン・ミュラーグリスマン氏率いるゴールドマン・サックスのストラテジストは、規制強化やコロナ政策など中国経済への逆風の大半は既に相場に織り込まれているとして中国株は買いの好機を提供していると指摘しているようだ。JPモルガンのストラテジストらも今週、中国株の投資判断を引き上げた模様。MSCI中国指数は今年これまでに21%下落しており、強気スタンスの参加者にとってはいい買い場にみえるといえる。個人的には恒大集団のネガティブな情報が徐々に明らかになってきているため、中国株に対してはニュートラルだが、前述のように一部の米銀は中国株に対して強気にみていることを紹介しておく。彼らの視点が正しければ、中国株の反発に連れ、年末に向け、マーケットはリスクオンに傾斜する可能性もあるだろう。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。