ワラントへの理解を深めてポートフォリオを充実させる
ワラントは、投資初心者には理解が難しいかもしれない。しかし、投資用語への理解を深めることで、広範囲な選択肢から自分に合う投資手法を探すことができるだろう。
成長が見込める企業のワラント債や転換社債を購入すれば、株式を割安に購入できる可能性がある。eワラントでは、少額で大きなリターンを得ることも不可能ではない。
ワラント債や転換社債、eワラントへの理解を深め、さまざまな投資手法に挑戦しながら、ポートフォリオを充実させて投資経験を磨くようにしたい。
ワラントに関するQ&A
Q.「ワラント」とは?
A.「ワラント(warrant)」とは、定められた期間内に「権利行使価格」というあらかじめ決められた一定の価格で、発行会社の新株を購入できる権利のことだ。ワラントの英単語の意味は、「保証・権利」である。
Q.ワラントの特徴は?
A.ワラントは、定められた価格で将来株式を購入できる権利のことだ。役員や従業員を対象としたストックオプションとは違い、投資家を対象にしていることが特徴だ。また、発行済みの株式を売り手が引き渡すコールオプションとは違い、ワラントでは企業が新株を発行することも特徴だ。
Q.ワラントの具体例は?
A.ワラントとは、あらかじめ決められた一定の価格で、発行会社の新株を購入できる権利のことだ。たとえば、現在の株価が5,000円のA社が「行使期間10年、行使価格7,000円」のワラントをつけると、10年後に株価が8,000円になっていても、権利行使すれば7,000円でA社の株式を購入できる。つまり株価が上がった際に割安に株式を購入できるというわけだ。
ただし、10年の間に株価が行使価格の7,000円を超えなければ権利行使しても意味はない。
Q.ワラント行使とは何?
A.ワラントとは定められた価格で将来株式を購入できる権利のことで、権利を使って定められた権利行使価格で株式を購入することをワラント行使という。
Q.ワラントの行使期間は?
A.ワラントとは、定められた価格で将来株式を購入できる権利のことだが、ワラントには行使期間が設定されている。行使期間はいつでも権利行使価格で株式を購入できるが、行使期間を過ぎると権利は失われ、ワラントは無価値となる。かつては法律でワラントの行使期間は10年以内と決められていたが、2002年の改正で制限はなくなった。
Q.ワラントのメリットは?
A.ワラントのメリットは、将来的に成長が期待できる企業の株式を割安で手に入れられることだ。分離型のワラント債であれば、ワラント部分だけを売却して売却益を得ることもできる。
Q.ワラントのデメリットは?
A.ワラントのデメリットは、想定通りに株価が上がらなければ権利行使できないことだ。株価が上がらなければ、ワラント債のワラント部分だけを売却することも難しくなるだろう。
Q.ワラント債の仕組みは?
A.ワラント債とは、通常の社債にワラントをつけた社債のことだ。ワラント債では、社債権者には新たに発行される株式を引き受ける権利が付与される。社債部分は、通常の社債と同様に元利金の支払いが保証されている。同時に、権利行使期間に一定の価格(権利行使価格)で発行会社の新株を購入できる。
ワラント債には、社債からワラント部分を分離できる「分離型」と、分離できない「非分離型」がある。分離型のワラント債なら、ワラント部分だけを売却して売却益を得ることもできる。
Q.ワラント債のメリットは?
A.企業がワラント債を発行するメリットは、将来的に株価が上がるという投資家からの期待感を獲得できれば、低金利で資金調達ができることだ。ワラント債に投資するメリットは、将来的に成長が期待できる企業の株式を割安で手に入れられることである。また、分離型のワラント債ならワラント部分を売却して売却益を得ることもできる。
Q.eワラントの手数料はいくら?
A.手数料は0円だが、売値と買値の差(スプレッド)があるため、売買取引では実質的にスプレッドに応じたコストがかかる。
Q.eワラントの取引時間は?
A.eワラントの取引時間は、取引停止時をのぞき、9時から23時50分だ。株式投資と比べて取引時間が長いのは魅力だが、業者によっては取引時間が異なることもある。
Q.新株予約証券とは何?
A. 新株予約証券は新株予約権証券といい、一定の条件で会社の株式を取得できる権利である新株予約権の付いた証券のことだ。新株予約権のひとつにワラントがある。
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文・木崎涼(フィナンシャルプランナー・M&Aシニアエキスパート)