読者のみなさんは、「春の訪れ」をどのようなときに感じるだろうか? 春一番だろうか。道端や公園に芽吹くつくしやタンポポだろうか。やはり日本の春といえば、桜だろうか。
英国で暮らす筆者にとっての春の象徴は「イースター(Easter)」だ。十字架にかけられて処刑されたイエス・キリストが死後3日目に復活したことを祝う、キリスト教の行事であり、日本語では「復活祭」とも呼ばれる。欧州では「春のお祭り」や「家族が集う大切な日」として盛大に祝うスタイルが定着している。春分の日を過ぎて最初の満月の日の次の日曜日が「イースターサンデー」で2022年は4月17日がその日に当たる。例年この時期は学校や仕事が休みとなり、帰省や旅行シーズンが本格化したものだった。この2年間は新型コロナ禍で「おうちイースター」を余儀なくされてきたが、今年は欧州を中心に入国制限を緩和する国が増えていることもあり、筆者の周囲でも「イースター休暇は海外で過ごす」という声が多く聞かれる。
すでに旅行・観光関連の一部企業ではV字型の業績回復を示すところもあり、マーケットでは本格的な復興に向けた期待も高まっているようだ。
今回は「旅行・観光産業の復興(Travel And Tourism Recovery)」をテーマにお届けしよう。