近年、人生の終わりを迎えるための活動という意味で「終活」という言葉が使われるようになりました。定年退職まで10年を切ったときや、子供が経済的に自立したときなど、さまざまなタイミングで人生の最期を意識する人も多いのではないでしょうか。

終活では身辺整理や、遺産相続などやるべきことは多くありますが、亡くなった後の埋葬方法について気になる人もいることでしょう。本記事では、死後に遺族の負担を減らす埋葬の選択肢となる永代供養について、かかる費用やメリット・デメリット、供養を依頼する際の注意点を含めて解説します。

永代供養とは

遺族の負担を減らす永代供養にかかる費用とメリット・デメリット
(画像=kikisora/stock.adobe.com)

永代供養は、遺族に代わって霊園や寺院が期限を設けずに遺骨を管理する埋葬方法です。お墓を管理する子供などの継承者を必要としないため、これまでは身寄りのない人が利用する埋葬方法でした。

しかし、価値観が多様化した近代では、さまざまな理由で永代供養を選ぶ人が増えており、死後のお墓の管理など遺族にかかる負担を減らし、少しでも子供にお金を遺すためにこちらの埋葬方法を選ぶ人もいます。

永代供養の種類

永代供養には主に3つの種類があります。

合祀墓

合祀墓は、永代供養墓や合葬墓とも呼ばれており、霊園や寺院が他の人の遺骨と共に管理・供養を行います。1つのお墓に他者の遺骨と混ざった状態で埋葬されますが、墓石の費用や、維持費がかからないので永代供養の中では最も料金の相場が安くなります。ただし、合祀墓で埋葬すると後から改葬や分骨をするといった対応ができなくなります。

集合墓

集合墓は、合祀墓と同じように1つの墓石に埋葬されますが、納骨スペースが分けられているので、埋葬の初期段階では他者の遺骨が混ざることはありません。つまり、埋葬した後でも改葬や分骨ができるということです。費用は納骨スペースが必要になるため合祀墓より高い傾向にありますが、墓石の費用はかかりません。

個別墓

個別墓は、一般的なお墓と同様に1つの墓石に1つの遺骨を埋葬します。他の永代供養と同様に管理は霊園や寺院が行う仕組みです。個別墓の永代供養では契約期間が設定されていることもあり、契約期間を過ぎると個別墓から共同の墓に合祀されます。こちらは墓石の費用や、維持費がかかることもあり、埋葬にかかる費用も他の永代供養と比較して高額です。

永代供養の費用とその内訳

永代供養では、主に3つの費用がかかります。

・永代供養料
・納骨料
・刻字料

期限を設けず、霊園や寺院に遺骨の供養から管理を委託するために支払う費用を「永代供養料」といいます。永代供養の種類によって相場は異なりますが、合祀墓が最も相場が低く、個別墓が最も高くなります。納骨料は納骨式にかかる費用で、刻字料は墓誌に名前を彫刻するための費用をいいます。

永代供養のメリット

それでは、埋葬方法を永代供養にするメリットについて2つ紹介します。

通常の供養より費用を削減できる

永代供養は、埋葬方法にこだわりのない方や、少しでも遺族にお金を遺したいと考えている方に向いた埋葬方法です。なぜなら、お墓を建てて埋葬する一般的な供養よりも費用を節約できるからです。

お墓を建てて埋葬する場合は管理料が発生しますが、永代供養は一度費用を納めると、基本的には維持費がかからないので死後に継続して遺族に負担がかかりません。

管理の手間がかからない

遺族によっては、仕事の忙しさや、海外への長期滞在を理由に定期的な墓参りが難しい場合も考えられます。お墓を管理する人がいない場合は、荒れ果てて放置された状態になるかもしれません。

永代供養は霊園や寺院が管理してくれるので、遺族に手間がかからず、墓参りをする人がいなくても放置されることはありません。お墓を建てても遺族に定期的に管理できる人がいない場合も永代供養は選択肢のひとつになります。

永代供養のデメリット

一方で、永代供養には2つのデメリットがあります。

・合祀されると遺骨の移動ができない
・方法によっては費用がかさむことがある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

合祀されると遺骨の移動ができない

永代供養を選択して一度、合祀されると遺骨の移動はできません。よって、遺族が後にお墓を建てて改葬したいと考えても難しいと言えます。また、集合墓や個別墓で埋葬した場合は、個別で遺骨を管理する契約期間である個別安置期間を過ぎると合祀されます。後から改葬、分骨をする前提で永代供養を利用する場合は、いつ合祀されるのか遺族が把握しておくことが重要です。遺骨は埋葬によって、他者の遺骨と混ざった時点で移動できなくなるので気をつけましょう。

方法によっては費用がかさむことがある

永代供養は個別墓での埋葬や、個別安置期間中に維持費が発生すると必ずしも安くならないことがあります。永代供養は、あくまで寺院と霊園に管理を委託する埋葬方法であるため、埋葬の仕方や、契約内容によってはお墓を建てて埋葬する場合と金額が変わらないことも考えられます。永代供養で費用を節約するには、合祀墓などの安くなりやすい埋葬方法を選択して契約内容を確認することが重要です。

永代供養を依頼する注意点

最後に、永代供養を寺院や霊園に依頼する上での注意点を3つ紹介します。

宗旨・宗派を確認する

寺院や霊園の宗旨・宗派によって、永代供養の方法が異なります。そのため依頼する寺院や霊園の宗旨・宗派が自身とは異なる場合は、永代供養を断られる可能性もあります。自身の宗派に合わせた供養をしてもらいたい方は、寺院や霊園の宗旨・宗派を確認してから依頼するようにしましょう。

交通の利便性

永代供養をして合祀墓や、集合墓に埋葬された場合も遺族は墓参りができます。頻繁に訪れることはなくても、遺族が死後に墓参りすることも考えて、できる限り交通の利便性がよくアクセスしやすい場所を選ぶのがおすすめです。

家族と相談してから決める

永代供養は身寄りのない人を供養するための埋葬方法であったため、今でも抵抗を感じる人は多くいます。そのため、家族の意思も尊重した上で決める必要があります。また、自身はお墓を必要としない場合でも、残された家族が心の拠り所にするためにお墓を必要とするケースも考えられます。

永代供養は埋葬に関わる費用を節約し、遺族に少しでも遺産を遺せる方法ですが、家族が本当にそれを望んでいるかどうか確認することは必須です。また、永代供養の生前契約をした際に遺族に報告を怠ると、自身の死後にトラブルに発展する場合もあるので気をつけましょう。

遺族の負担を減らすなら永代供養を検討する

永代供養は、デメリットもありますが、自身の埋葬に関する遺族の負担を少しでも減らしたいと考えるなら適切な埋葬方法です。ただし、終活は残された遺族にも関わることであるため、永代供養に限らず家族にも関わる話は相談してから決める必要があります。

家族と話し合った上で、お墓を残すよりも少しでも遺族にお金を遺して、負担を和らげるほうがいいという結論に至った場合は、自身の埋葬方法のひとつとして永代供養を選択肢のひとつとして検討するのもおすすめです。終活を意識している方は少しでも関連する制度やサービスを理解して、選択肢を広げていきましょう。

(提供:Incomepress



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