この記事は2022年4月13日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年4月13日(水)の午後12時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
井口喜雄 トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。 |
現在の為替相場の傾向や相場観
2022年3月米CPI(米消費者物価指数)は前年比プラス8.5%と40年ぶりの物価上昇となったものの、マーケットが強い数字を警戒していたため、セル・ザ・ファクトとなったほか、コア指数が予想を下振れたこともあり米ドル/円は一時124.76円まで調整する展開。
しかし、売り一巡後はじりじりと買い戻しが進み本日(2022年4月13日)の東京時間には125円ミドルまで持ち直しており、米ドル/円の底堅さが確認された。
今回の米CPIを受け、FRBは引き締めを強めていくことは間違いない一方、日銀は一昨日4月11日(月)に黒田・日銀総裁が金融緩和堅持と円安容認のスタンスを示しており、改めて日米の金融スタンスの違いが浮き彫りになっている。
気になる部分として昨日4月12日(火)に鈴木財務大臣から「円安進行含め為替動向を緊張感持って注視」と円安牽制発言が飛び出しており、政府と日銀で対照的なスタンスが示された点は興味深い。
局地的には円安けん制のヘッドラインに振らされる展開があるだろう。
現在の為替相場の戦略やスタンス
米ドル/円は日米の金融政策が真逆になり、日銀が金融政策を変更しない限りは、やや乱暴な言い方にはなるが、ダウントレンドには、戻りようがないという状況。
米ドル/円は中・長期でバイアンドホールドというスタンスに変わりはない。短期的には黒田シーリングとされる2015年6月高値125.85円付近が改めて心理的なレジスタンスとなる。
前回は重さが目立ったラインだが、この水準を抜ければ一気に走りそうな勢いも出そうなだけに、取り残されないよう注意したい。
また、財務大臣をはじめ当局者が相次いで円安へ「ジャブ」を打ってきており、今後も牽制的な発言が出てくると想定される。
ただ、ヘッドラインに一定の警戒感は持っておきたいところだが、「あくまで牽制」とマーケットに見透かされている節もある。実弾介入は考えにくく、口先だけであれば一時的な円高圧力として米ドル/円の買い場の提供に留まるだろう。
▽米ドル/円の月足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。