マンションのオーナーで大手不動産情報サイトが発表する「住みたい街ランキング」に注目している人は多いことでしょう。ユーザーが住みたいと思う街は、賃貸需要も高いことを意味します。
その一方で、人気のある街は物件の乱立で過当競争になるリスクもあります。そこで着目したいのが、ランキングトップテンに入っていないものの、今後需要の伸びが期待できる穴場のエリアです。その候補になる街とは一体どこでしょう?
物件選びの参考になる「住みたい街ランキング」
不動産ポータルサイトが発表している「住みたい街ランキング」は物件選びの重要な参考データになります。
住みたい街は投票したユーザーにとってまだ住んでいない街であることから、上位に入選すれば今後転居する場合の有力な候補地になることが期待できます。
ベストテン常連の人気エリアはすでに評価が定まっており、物件価格も高い傾向があります。コスト面を考えると、穴場エリアに目を向けてみるのも1つの方法です。
穴場エリアを選ぶメリット
マンション経営で穴場エリアを選ぶメリットは大きく分けて2つあります。
2.物価が安い
1.ブレイク前なので伸びしろがある
1つは上位にランクされた街に比べ、まだ人気がブレイクしていないので、これから伸びしろがあることです。
たとえば2022年3月3日にリクルートが発表した「SUUMO関東住みたい街ランキング2022」でトップテンに入った街のうち、10位に入った鎌倉以外は1位から9位まで前年と同じ顔ぶれになっています。
これ以上の伸びしろは期待しにくく、トップテンの人気エリアは、物件価格を考えると、穴場としての魅力は低いといえるでしょう。
これに対し、トップテン圏外の穴場エリアでは前年の39位から16位に大きく順位を上げた「流山おおたかの森」をはじめ、順位や得点を上げる街が多く、将来トップテン入りを狙えるエリアといえます。
まだトップテンの常連の街ほど過当競争になっていない可能性もあり、狙い目といえそうです。
2.物価が安い
もう1つのメリットは、穴場エリアは都心から離れた位置にあるため、物件価格がまだ安いという点です。
相場がはっきりしている中古マンションの坪単価を例にとると、JR中央線の場合、都心の新宿から東京までは坪単価が300~400万円台と高いのに対し、中野から三鷹までの穴場エリアは200万円台にとどまっています。
もちろん坪単価が高いエリアは家賃も高く設定できるため、一概に割高とはいえませんが、初めてのマンション経営なら穴場エリアのほうが向いているかもしれません。
首都圏穴場エリア7選
首都圏の穴場エリアとして、前述した「SUUMO関東住みたい街ランキング2022」で11位~50位に入選した街と他のデータからも分析し、次7つの穴場エリアを紹介します。
・北千住
・武蔵小杉
・さいたま新都心
・中野
・赤羽
・辻堂
データ参照元:SUUMO 関東住みたい街ランキング2022
参考サイト:ARUHI本当に住みやすい街大賞2022関東
流山おおたかの森
「SUUMO 関東住みたい街ランキング2022」では順位は16位となっています。ランキングのなかで得点が最もアップした伸び盛りの街が千葉県の流山おおたかの森です。
千葉県流山市は子育て世帯の流入に力を入れており、子育てのしやすい自治体であることも人気上昇の要因になっています。
つくばエクスプレス流山おおたかの森駅の周辺には「流山おおたかの森S・C」などの商業施設や医療施設、子育て施設などが整備されており、日常生活の利便性が高いのも魅力です。
全国の自治体で人口増加率1位というデータはオーナーにとっては心強いでしょう。
北千住
北千住は東京都足立区の人気エリアです。「SUUMO 関東住みたい街ランキング2022」では20位、「SUUMO関東穴場だと思う街ランキング2022」では堂々の1位に選ばれています。
JR常磐線と東京メトロ千代田線が乗り入れる北千住駅前にはルミネやマルイなどの大型商業施設があるほか、70年以上の歴史を持つ「北千住宿場町通り商店街」があり、買い物の魅力に溢れた街といえそうです。
足立区は昔から物価が安い自治体として知られており、北千住にもその恩恵は及ぶと考えられます。
武蔵小杉
武蔵小杉は神奈川県の人気エリアで、「SUUMO 関東住みたい街ランキング2022」では14位です。人気の理由は充実した鉄道網と、多彩な商業施設にあります
都心につながる湘南新宿ラインなど6路線が乗り入れているのに加え、成田エクスプレスの停車駅でもあります。
商業施設では「武蔵小杉東急スクエア」「ららテラス武蔵小杉」「グランツリー武蔵小杉」などの大型施設が立ち並んでおり、ショッピングとグルメの選択肢が豊富にあります。
商業施設内にクリニックモールや調剤薬局が入っているのも会社帰りに寄れることで、利便性を高めています。
さいたま新都心
埼玉県の商都・大宮の隣に位置するさいたま新都心は、旧JR大宮操車場跡地を再開発したエリアです。「SUUMO 関東住みたい街ランキング2022」では17位です。
大規模開発によって出来た「コクーン新都心」は埼玉県を代表する大型商業施設として人気を博しています。
1997年2月に全国初の「バリアフリー都市宣言」を行っており、障がい者やお年寄りに優しい街でもあります。
隣接する大宮の1LDK家賃相場が9万円台と高めのため、さいたま新都心もそれに近い家賃に設定できるのもオーナーにとっては魅力です。
すでにトップテン入りしている大宮・浦和よりも狙い目かもしれません。
中野
東京の中野は、サブカルチャーの店が集結している「中野ブロードウェイ」があることで、全国的にも知名度が高いエリアです。「SUUMO 関東住みたい街ランキング2022」では13位となっています。
また、不動産情報サービス会社アットホームが2021年に発表した調査結果によると、ワンルーム向けのPV(サイトへのアクセス)数ランキングで3位にランクインしています。
大学や専門学校が多いエリアであることもワンルームの人気に影響しているものと思われます。
物件の坪単価も新宿が横ばいなのに対し、中野はJR中野駅周辺が再開発され大きく変わろうとしていることから右肩上がりで上昇しており、資産価値の向上が期待できる点でも妙味があります。
赤羽
埼玉県から入る場合の東京の入り口に当たるのが北区の赤羽になります。「SUUMO 関東住みたい街ランキング2022」では45位です。
JRの埼京線、京浜東北線、湘南新宿ラインなど複数路線が乗り入れており、新宿、渋谷などの東京に西側に出るにも、上野、東京、銀座といった東側に出るのにも非常に便利なことで知られています。
ARUHIが発表した「本当に住みやすい街大賞2019」で1位に選ばれた実績があります。飲み屋街の様子がテレビ番組で紹介されることが多く、庶民的な街というイメージです。
大手スーパーに加え商店街が2つもあることから買い物も大変便利です。
辻堂
前述したARUHIの「本当に住みやすい街大賞」の最新2022年版で1位に選ばれた神奈川県の穴場エリアが辻堂です。「SUUMO 関東住みたい街ランキング2022」では46位になっています。
駅周辺の再開発により大型商業施設や病院が整備されたほか、車で約6分程度のところに辻堂海浜公園や辻堂海岸があり、海に近い自然豊かな環境であることも魅力です。
神奈川県ではありますが、JR湘南新宿ラインを利用すれば約1時間で新宿まで直通で行くことができます。
ARUHIの分析では新築マンションの物件価格が隣の藤沢よりも坪単価で20~40万円程度安いことから、まさに穴場エリアといえるでしょう。
首都圏の好立地物件購入で安定的なマンション経営を
安定したマンション経営を行うには、首都圏の駅歩10分以内の好立地物件を選ぶことが基本です。マンション経営で利益を上げるには空室リスクをいかに減らすかが重要になるからです。
さらにワンルームマンションであれば、ファミリー向けよりも価格が安く需要も多いため、初めてマンション経営を行うには適しています。
首都圏以外でも名古屋、大阪など大都市圏の好立地物件から選ぶことで、同じように安定したマンション経営が期待できます。オーナーにとってユーザーがどのような街に住みたいと考えているか知ることはとても大切です。
「住みたい街ランキング」だけでなく、「穴場だと思う街ランキング」や沿線別ランキングなど複数のランキングを分析するとより細かい傾向を知ることができます。
ランキングを参考に予算と物件価格を比較しながら、最適なエリアを探すことが求められます。
※本記事は2022年3月12日現在の情報を基に構成しています。記事中で紹介したエリアは一例であり、家賃の上昇等を保証するものではありません。参考程度にお考えください。
(提供:Dear Reicious Online)
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