ワンルームマンション経営をお考えの方がネット検索をしてみると、「ワンルームマンション経営は危険」というニュアンスの記事が多いことにお気づきではないかと思います。
しかしその一方で、「マンション経営の初心者はワンルームマンション経営から始めるべき」といったニュアンスの情報も多くあります。いったいどちらが本当で、どう理解すればよいのか困ってしまっている方も多いのではないでしょうか。
そこで本稿では「ワンルームマンション経営は危険」という説について、実際のところはどうなのか検証したいと思います。
結論から述べるとワンルームマンション経営が初心者向きであることは確かで、リスクや危険性に対する正しい知識を知っていれば回避できることから、それらについても解説いたします。
「ワンルームマンション経営は危険」説の根拠
よくいわれているワンルームマンション経営の危険説について、おもな根拠には以下のようなものがあります。
・ワンルームマンションは利回りがそれほど高くない
・サブリースのトラブルが多発している
・節税効果を売りにしている不動産会社もあるが、ワンルームマンションだと効果が薄い
・区分マンション経営は空室や家賃滞納が発生すると収入ゼロになる
上記について、いくつか補足をしておきます。ワンルームマンションに限らずマンション経営はローン返済を考慮すると収支が赤字になることは確かにあります。
それでは投資をする意味がないのかというとそうではなく、ローンを利用しながら資産形成ができるメリットがあります。これをメリットであると認識することは長い目でマンション経営の成否を評価するうえで重要です。
サブリースとは、サブリース業者(不動産会社)がマンションやアパートなどの物件を一括で借り上げ、サブリース業者が入居者に部屋を貸し、オーナーには定額賃料を支払う仕組みのことをいいます。
入居者の有無に関係なく賃料収入が入るのでリスクヘッジに有効ですが、契約内容や賃料引き下げなどでトラブルが多発しており、消費者庁も注意喚起をしています。
サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_011/
これらのリスクが顕在化すると、ワンルームマンション経営が危険になるのは確かです。
実際のところ、ワンルームマンション経営は危険なのか
やはりワンルームマンション経営は危険なのでやめておいたほうがよいのかというと、それは早計です。
何事にもリスクは付き物ですが、短期的な利益を狙える株やFX、暗号資産などと比べるとはるかにローリスクなのが不動産投資であり、マンション経営です。
不動産は長期的な投資に適しているため、ワンルームマンション経営も長期的な視野で取り組めば投資効果だけでなく資産形成効果を得ることもできます。
ワンルームマンション経営の危険度を高めるNG行動3選
ワンルームマンション経営は避けるべきリスクが最初からわかっているため、それらを知ることでリスクを大幅に軽減することができます。
そこで、ワンルームマンション経営の危険度を高めてしまう3つのNG行動をまとめました。
2.収益性の割に高い物件を買ってしまう
3.安易なサブリース
1.収支シミュレーションの見積もりが甘い
マンション経営では物件選びの段階で収支のシミュレーションが欠かせません。
もちろん不動産会社は提案時に収支のシミュレーションを行いますが、そのシミュレーションは「現実に即したものなのか」「甘い見通しで作成されたものではないか」をしっかり精査しましょう。
不動産会社のシミュレーションを鵜呑みにするのは危険なので、自分で情報を収集し自分で考えることも重要です。
2.収益性の割に高い物件を買ってしまう
収益力がある物件を選ぶのはもちろん有効なのですが、収益力が見込める物件は他にも買い手がつきやすく、高価になりがちです。いくら収益性が高くても購入価格が高いと利回りが低下してしまいます。
これも物件選びの失敗が生み出すリスクなので、価格と収益力の両方を考慮して利回り重視の物件選びが求められます。
3.安易なサブリース
先ほど少し言及したサブリースは空室リスク対策になりえるのですが、重要なのは契約の中身です。
保証されている賃料が低すぎたり、条件によって賃料が引き下げられたりする契約になっていると、空室リスクこそないものの収益力が大きく減じてしまうことになります。
集客力があって収益性が高いマンションであれば、サブリースは必要なのかどうかよく検討しましょう。
ワンルームマンション経営の危険やリスクへの対策
ワンルームマンション経営で考慮すべき危険やリスクとして、おもなものを6つ挙げました。
2.資産価値の低下
3.入居者とのトラブル
4.サブリースのトラブル
5.節税効果が薄い
6.売却できない
それぞれのリスクに対する対策も解説しますので、適切なリスク管理でワンルームマンション経営をより安全なものにしましょう。
1.空室リスク対策
ワンルームマンションに限らず、不動産経営の最大のリスクは空室です。家賃収入がゼロになってしまうリスクの回避は、物件選びから始まっています。
・対策
駅から近い、コンビニ、スーパーなどが近所にあるなど、立地条件や周辺環境などを踏まえて空室になりにくい物件を精査することに加えて、客付けについて不動産会社をパートナーとすることが重要です。
2.資産価値の低下対策
マンションの資産価値は時間の経過とともに低下します。資産価値が低下すると家賃相場の下落にもつながるので、劣化を最小限に食い止めるための適切な管理、メンテナンスが欠かせません。
・対策
信頼できる管理会社を見つけ、管理を任せることで資産価値の低下を最小限に抑えることができます。
3.入居者とのトラブル対策
家賃滞納への督促や生活マナーによるトラブルなどをオーナー自身が対応するのは肉体的、精神的な負担になります。
・対策
これを軽減するには家賃の回収も含めて管理会社に一任するのが得策です。家賃保証会社を入れて入居者の審査をしっかりと行うのも、問題を未然に回避する有効な手段です。
4.サブリースのトラブル対策
すでに述べたように、収益性があるマンションでは空室による収入減のリスクがあまりないはずです。
それならサブリースも不要なわけで、そもそもサブリースを前提にしたビジネスモデルを構築する必要がないかもしれません。
・対策
サブリースが必要かどうかをよく検討しましょう。
5.節税効果が薄いことへの対策
マンション経営では節税のメリットの1つです。減価償却費を経費として計上することによって節税になることが知られています。
ただ、ワンルームマンションは物件価格がそれほど高くないことから減価償却費として毎年計上できる金額はそれほど多くなりません。
・対策
所得が高い人が高額物件を購入して減価償却費を計上してこそ節税メリットは大きくなるので、これらに該当しない人は節税メリットに期待しすぎないようにしましょう。
「収支は赤字でも節税メリットあります」というセールストークにも要注意です。
6.売却できない問題への対策
マンション経営には、いつか必ず終わりが来ます。物件を売却して終了する場合、物件を売却できなかったり、想定している価格で売れなかったりすれば、トータル収支がマイナスになってしまう恐れもあります。
それを防ぐために重要なのが、出口戦略です。売却時に入居者が付きやすい魅力的な物件であれば売却しやすいですし、期待どおりの価格で売れる可能性も高いでしょう。
・対策
建物は劣化しても立地条件は劣化しないので、その意味でも立地条件を含めて「将来の価値が維持される物件」を選ぶことが有効な出口戦略になります。
「出口」という名称からマンション経営の終了時に考えるべき戦略だと思われがちですが、出口戦略は物件選びの段階で立てるのがセオリーです。
(提供:Dear Reicious Online)
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