この記事は2022年5月23日に「月刊暗号資産」で公開された「テラブロックチェーンの再生プラン、投票期間中に大幅修正」を一部編集し、転載したものです。
ステーブルコイン・TerraUSD(UST)と暗号資産(仮想通貨)テラ(LUNA)を開発するTerraform Labsが、テラブロックチェーンの再生プラン2に修正を加えたことを発表した。
なお、再生プラン2は現在Terraのコミュニティ内で投票されている最中だ。
TerraUSDは今月7日にディペッグし、関連暗号資産であるLUNAの発行数が激増するなど、暗号資産市場に大きな波紋を及ぼしたことで知られている。一時、テラブロックチェーン全体が停止されるなど、ネットワークにもダメージが加わった。
TerraUSDの価格崩壊に対応する形で、Terraform LabsのCEOを務めるDo Kwon氏は17日「Terra Ecosystem Revival Plan 2」と銘打たれた再構築案を発表した。この再生プランの内容は新たなテラチェーンを作成し、そこで新たにLUNAを発行するというものだ。
なお、現在使われているテラチェーンとLUNAの名称をそれぞれ「Terra Classic」と「LUNA Clasic(LUNC)」に変更され、TerraUSDは移行されないという。
18日に再生プランの是非を問うオンチェーン投票が開始したが、2日後の20日にはコミュニティからのフィードバックを受けて再生プランの一部に修正が加わったことが発表された。修正の内容は次の通りだ。
- ディペッグ前のLUNAの保有量が1万通貨以下のユーザーは新チェーンのローンチ時に発行されるLUNAの30%を受け取り、残る70%は6ヶ月後から2年間にかけて受け取る
- ディペッグ後のTerraUSD保有者が受け取るLUNAの配分は20%から15%に変更される
- LUNAの初期流通量は15%から30%に変更される
すでに投票を終えたとしても、変更に異論がある場合は「No」に票を変更できるとされているが、投票の期限まであと2日の中で再生プランに変更が加わったことは異例の対応だと言える。実際、今回の対応には異論を唱える声も挙がっている。(提供:月刊暗号資産)