2022年はエリザベス英女王のプラチナム・ジュビリー(即位70周年)である。1952年に25歳という若さで即位された女王は、今年4月21日で96歳の誕生日を迎えられた。本稿が配信される6月2日からは、4日間にわたってプラチナ・ジュビリーを祝う催しが、英国各地で盛大に行われる。筆者の暮らす街でもユニオンジャック(英国国旗)がはためき、パレードやイベントの準備が進められているのだが、人々の笑顔に接していると何となく気分が高揚し、明るい気持ちになる。
さて、当連載では大富豪に関する話題を数多く紹介してきたが、エリザベス女王もスコットランドのバルモラル城 やノーフォーク州の別荘サンドリンガム・ハウス、多数のアートや宝石などを私有財産として所有するビリオネアである。『サンデータイムズ・リッチリスト2022』によると、その資産は推定3億7,000万ポンド (約591億6,447万円)に上る。このほか、「国王の公の不動産」としてクラウン・エステート(国会法により設立された独立系商業事業王室不動産)が管理している物件も多数ある。
ビリオネアといえば女王のように不動産などの実物資産を数多く所有しているイメージを浮かべるかもしれないが、近年は暗号資産セクターからも「クリプトビリオネア(Crypto Billionaire)」と呼ばれる成功者が誕生している。米経済誌フォーブスの『長者番付2022年』によると、2022年3月11日までの1年間に暗号資産で少なくとも10億ドル以上の財を成した「クリプトビリオネア」は前年比17人増の合計19人となった。
今回は「クリプトビリオネア」に焦点を当て、その特徴について考察してみたい。